基本的には学歴不要
哲学者を名乗るのに必要な資格が特別あるわけではないので基本的には学歴は不要です。
ただし、研究職に就くには、その道の専門的な知識はもちろん、哲学者としての実績が必要であり、教員として勤務するには当然免許が必要です。
したがってほとんどの哲学者が大学院まで進学しているのが現状です。
大学で哲学を専攻する
哲学という学問分野には長い歴史があります。先の偉大な哲学者が唱えた学説を学ぶことは哲学者としての第一歩です。それにはまず大学で哲学を専攻することをおすすめします。
高校までの教育課程において哲学を学ぶ機会は非常に限られており、内容もごく基本的な事項に限られます。
一方、大学ではより詳細に学べるのはもちろんのこと、議論の場も多いので自身の考えを構築するのに適した場であり、また研究者に不可欠な論文作成のトレーニングの場にもなります。
大学院で学びながら研究
大学での学びをより深化させるのが大学院という場です。哲学者を目指す多くの学生が各大学の哲学研究室に集まっています。
中にはかなり長い年数学び続けている人も少なくありません。
修士課程の定員はかつてに比べ、かなり増えているので進学を希望すれば多くの場合、学びの場を得られるでしょう。
ただし哲学者の多くが目指す大学教授になるためには博士課程まで出ている必要があります。
博士課程は修了が認められるには相応の実力が必要であるため、何年も在籍している人も少なくないようです。
増加するポストドクター
博士課程を修了し、大学で研究を続けている人のことをポストドクターといいます。通称ポスドクは年々増えているのが現状です。
というのも通常、博士課程を修了した人には大学教授への道が拓かれていくものでした。ところが昨今、需要と供給のバランスが崩れ、哲学者の数に余剰が生じています。
したがってポスドクの数は年々増加しているのです。
ポスドクは任期が切れた後の先行きが不透明であることが問題になっており、結果、研究職を諦め、一般企業への就職にシフトしても年齢の問題でそちらの門戸も狭まるという懸念がなされています。
哲学者を志す人はこのような必ずしも楽観できない状況をきちんと理解した上で信念をもって研究に没頭する覚悟が必要です。