ラーメン屋店長になるには
修業をして独立するのが一般的
ラーメン屋店長になるのに、何か特別な資格等が求められることはありません。
しかし、日本全国に数えきれないほどあるラーメン店としのぎを削って生き残るためには、多くの人に「ここのラーメンが食べたい!」と思ってもらえる味を追求していかなくてはなりません。
したがって、素人が何の知識や経験もないところで店を出したところで成功する可能性は極めて低く、多くの場合、すでに実績のあるラーメン店でアルバイトとして修業をしてスキルを磨き、独立開業するという流れになっています。
20代で正社員への就職・転職
別のルートで屋店長になることも可能
自分のラーメン店を出すにあたって、まず修業をする人が多いのは事実ですが、なかにはラーメンをひたすら食べ歩いて研究を重ね、そのまま開業する人もいるようです。
ラーメンを心から愛する人は、全国の名店を渡り歩き、何百杯というラーメンを食べていることも珍しくありません。
いずれにせよ、独自の味を追求し、それを体現することさえできれば、どんなルートでも店を出すことは可能です。
しかし、経営者としての顔を持つラーメン屋店長は、ラーメンを作るだけではなく仕入れやスタッフの教育などの業務にも携わる必要があり、お客さまを呼び込むための宣伝方法なども検討しなくてはなりません。
そうした点まで含めて勉強していけば、独学でもラーメン屋店長になることは可能だといえます。
チェーン店に就職をして店長になる人も
ラーメン店は独立開業して経営者兼屋店長として働く人が多いですが、なかには、全国の各エリアに複数店舗を出店しているチェーン店も存在します。
そうした店では、一般的な会社員と同様、店を運営する企業に就職をして、社員として店長職を務めることもできます。
また、フランチャイズに加盟して複数店舗を持っているオーナーの場合、自分以外に店長を雇って店を回すのが一般的です。
そうした店舗では「雇われ店長」という形で働くことも可能です。
20代で正社員への就職・転職
フランチャイズのラーメン屋店長とは
フランチャイズとは?
街を歩けば数えきれないほどのラーメン店がひしめきあっていますが、それらは個人経営の店ばかりではなく、「フランチャイズ(FC)」と呼ばれる形態で開業している店の場合があります。
フランチャイズとは、ラーメン店を開業したい人が「本部」といわれる会社に加盟することで、本部の商号や看板、メニューなどを利用して店を出すことができるビジネスモデルのことをいいます。
1から10まですべて自分で考えていく個人開業に比べると比較的開業しやすいため、フランチャイズを利用してラーメン屋店長となっている人も少なくありません。
ここからは、フランチャイズの特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。
フランチャイズで開業するメリット
ラーメン店では、それまで有名店で働いていた人が独立というのならまだしも、無名の店に、いきなり大行列ができるというのは非常に難しいものがあります。
せっかくおいしいラーメンを提供する自信があっても、お客さまを思うように集められずに経営が立ち行かなくなっている例は多くあります。
ですが、もしフランチャイズで開業をすれば、本部のブランドと看板を背負って営業することができるため、最初から集客をしやすくなるでしょう。
そうした知名度を武器に、一等地での勝負することも可能となってきます。
また、オペレーション、従業員教育、宣伝などの点も本部のサポートを受けることができるため、経営ノウハウにあまり自信がない人であっても開業しやすいといえます。
フランチャイズで開業するデメリット
もしフランチャイズに加盟した場合、本部からさまざまな恩恵を受ける代わりに、お金を支払わなくてはなりません。
そのお金は大きく「加盟料」と「ロイヤリティ」の2種類があり、加盟料は最初に100万円~500万円程度、ロイヤリティは売上の4~5%程度を毎月支払うことが一般的となっているようです。
また、フランチャイズであれば、基本的に本部の看板を掲げて営業するため、何から何まで自分で自由にやっていくのは難しくなります。
メニュー、料金設定、外観・内装などをすべて自分でこだわって考えたいという人には、フランチャイズでの開業はあまり向いていないといえるでしょう。
ラーメン屋店長に必要な資格、スキル
特別な資格は必要ない
ラーメン屋店長として働く際に、何か特別な資格やスキルが必ず求められるということはありません。
簡単に言ってしまえば、形だけであれば、どんなに経験がない人でも「ラーメン屋店長」と名乗ることは可能です。
しかし、実際にラーメン屋店長としてきちんと仕事をしようと思えば、何のスキルもない状態でラーメン店を繁盛させるのはほぼ不可能だといえます。
ラーメン屋店長にはどんなスキルが必要?
きちんと店を回せるラーメン屋店長になるために必要なスキルは、「ラーメン作りのスキル」と「経営スキル」の2つに大別されます。
ラーメン作りのスキルについては、その言葉の通り、店で提供する味をどれだけ追求し、高めていくかということになってきます。
おいしいラーメンを作るためには、スープ、麺、具材のいずれも欠かせませんし、それぞれのバランスも重要です。
こうした知識や調理スキルを高めるべく、すでに軌道にのっているラーメン店で修業をしてから独立開業をするというのが、一般的なラーメン屋店長へのルートです。
一方、経営スキルについては、お金の動きをきちんとコントロールして利益を出せる店作りをするうえで、こちらも重要な要素となります。
サービスの質の管理やアルバイトスタッフの教育なども含め、どう動けば店を安定的に動かしていくことができるのか、経営者としてのスキルを高めていく必要があります。
ラーメン屋を開業するには
開業するだけなら簡単
ラーメン店を開業したいと考える人は大勢いますが、実際、ただラーメン店を出すだけであればそう難しいことはありません。
ラーメン店は、飲食店のなかでも比較的低資金で開業できるといわれており、何か特別な資格等が求められることもありません。
しかし、ラーメン店は競争が激しく、ノウハウや経験がまったくない状態で開業したとしても、成功できる可能性は極めて低いと言えるでしょう。
そのため、すでに実績のあるラーメン店でアルバイトなどの形で修業をしてスキルを磨き、独立開業するという流れが一般的となっています。
自分ならではの味を追求していく努力が必要になるといえるでしょう。
「のれん分け」で開業することもできる
ラーメン店をゼロの状態からすべて自分で開業することはもちろん可能ですが、いわゆる「のれん分け」という形で店を出すこともできます。
のれん分けを簡単に説明すると、ある店に一定期間勤めると、その店舗の商号を使って別の店を出すことが認められるというものとなっています。
「社内フランチャイズ」という呼び方がされることもあります。
新たに店を出そうとする人は、すでに実績がある店のブランドや知名度を武器に戦うことができるため、何もないところからスタートするよりは開業しやすいことがメリットとなっています。
このほか、外部のフランチャイズに加盟して支援してもらいながら開業することもできますし、開業にはさまざまな方法があります。
開業する際に必要となる資格
ラーメン屋店長としてラーメンを作るのには資格が必要ありませんが、店を出すにあたっては、必ず「食品衛生責任者」という資格が求められます。
これは、飲食店を営業する場合、各施設に最低一人は置くことが義務付けられている資格であり、開業時には保健所へ届出を行います。
なお、食品衛生責任者の資格は、各都道府県で実施している講習会(1日)を受講することで簡単に得ることが可能です。
これに加えて、収容人員が30人以上の店舗を開業する場合には、消防署などが実施する講習会を受けて「防火管理者」という資格を得る必要があります。
女性のラーメン屋店長は活躍できる?
女性屋店長が少ない理由
ラーメン店というと、スタッフも、お客さんも、女性よりも男性の姿のほうがずっと目立っています。
とくに店長といえば、職人気質の中年男性の姿を想像する人が多いのではないでしょうか。
しかし、決してラーメン店で女性が働けないわけではありませんし、女性がラーメンを食べてはいけないわけでもありません。
なぜ、ラーメン店において女性屋店長や女性スタッフの数が少ないのかといえば、体力的な問題が一番に考えられます。
ラーメン作りの際には、大きな寸胴を持ち上げたり、かき回したりすることになりますし、重たい食材が入った袋を持ち上げるようなことも日常的にあります。
また、営業時間中は立ちっぱなしですし、熱い湯気を浴びて汗をかきながら働くことになるなど、想像以上にハードな仕事であることは間違いありません。
男性でも激務に耐えきれずに離職してしまう人もいるほどですから、体力に自信がない女性にとってはとても大変な仕事になるといえるでしょう。
女性をターゲットにしたラーメン店もある
ラーメン店だけに限らず、最近では男性中心といわれていた世界でも、女性の感性を生かした店づくりをして成功している店が増えています。
女性だから絶対に店長になれないというわけではありませんし、健康管理や体力づくりに積極的に取り組んだり、従業員を教育して仕事を手伝ったりしてもらうことで、女性店長でも活躍できる可能性は十分にあります。
また、最近は女性が一人で入れるような洗練された内装のラーメン店も出てきており、女性でも「ラーメンが大好き」と公言する人は以前より増えているようです。
女性のラーメン屋店長が活躍できるチャンスはまだまだありますし、女性ならではのきめ細やかな気遣いでお客さまの心をグッと掴むことができれば、大きく成功することも夢ではありません。
とはいえ、ラーメン屋店長は長時間労働になりがちで、楽でない仕事であることは確かです。
ラーメン作りに対する強い情熱を持っていることは不可欠だといえるでしょう。