薬剤師のつらいこと・大変なこと・苦労

薬剤師のつらいこと・大変なこと

人の健康に関わる責任ある役割を担う

薬剤師にとって最も一般的な仕事は「薬を調剤すること」です。

調剤というと、すでに作られた薬を用意するだけと思う人もいるかもしれませんが、実は相当な慎重さが必要です。

医師の処方せんに書いてある薬の分量は、「○ミリグラム」「○ミリリットル」というように細かく定められています。

患者さんの状態や薬の種類によっては、ほんの少しの誤差でも重大な副作用が出ることがあるため、薬剤師はこの数値からずれないように、丁寧に計測しながら薬を用意していかなくてはなりません。

休み明けや連休前のような患者さんの多い日には、朝から晩までひっきりなしに、この調剤作業が続きます。

長時間にわたって、ミスなく緻密な作業を続けることができる集中力が必要とされます。

医薬品に関する勉強は一生続く

医薬品は、時代の移り変わりとともに大きく進歩していきます。

新薬が出るたびに薬局で取り扱う薬の種類は変わりますし、絶大な効能がうたわれていた薬の副作用が明らかになったことで、服用の仕方が変わることもあります。

薬剤師は、こうした新しい知識を常に吸収していかなければ、患者さんに薬の説明をすることができなくなるため、継続的な勉強がつきものです。

女性の薬剤師の場合、結婚・出産などで数年間現場を離れると、復職したときには薬の種類が大きく変わっているということもありえます。

薬剤師を続けるためには、一生勉強をし続ける覚悟が必要です。

薬剤師の悩み

薬剤師の仕事は、ただ薬を処方して患者さんに渡せばよいというわけではありません。

その薬にどのような効用があるのか、どのように服用すればよいのか、どのような副作用が考えられるかを丁寧に説明し、患者さんに理解してもらう必要があるのです。

もしも説明がうまく伝わらず、薬を飲み間違えてしまったり、服薬し損ねてしまったら、体調に大きな影響をおよぼすかもしれません。

薬によっては命に関わることもあるため、患者さん自身に正しい薬の知識を持ってもらうことは不可欠なことといえます。

薬局を訪れる患者さんのほとんどは、医療の専門知識を持たない人です。

さらに高齢化社会が進む近年では、患者さんの多くがお年寄りという状況にもなってきています。

若い人であれば、飲み方がわからなければインターネットで調べることもできるかもしれませんが、お年寄りにとっては薬局の窓口での薬剤師の説明こそが頼りです。

こうした人たちに、一度で「正しく」「わかりやすく」薬のことを説明するのは、実はとても難しいことです。

薬剤師は、薬の知識と同じくらいに、コミュニケーション能力が求められる仕事ともいえます。

どうやったらうまく説明できるのか、日々頭を悩ませている薬剤師も少なくありません。

薬剤師をやめる理由で多いものは?

人間関係がつらい

薬剤師は、仕事そのものがつらいのではなく、現在働いている職場につらさを感じることがあります。

医療関連の職場は、どこも人の命に関わる仕事をするだけに、常に一定の緊張感が保たれています。

そうしたなか、人間関係があまり良好とはいえずギスギスした雰囲気が続くと、さらに自分の能力を生かせる環境はないか、働きやすい職場はないかと、転職を考えるきっかけになるようです。

実際、職場の人間関係や労働環境で悩んでいる場合は、職場を変えることで楽しく働けるようになる可能性も十分にあります。

ルーティンワークが続く日々

薬剤師は、患者さんの健康をサポートしていく責任ある業務を担当しますが、調剤薬局など、限られた人間関係の中で過ごす日々が続くことが多いです。

やや閉鎖的な世界で、決まったスケジュールに沿って仕事を続けることになっていくと、単調な日々の繰り返しのように感じるかもしれません。

根気がないとやりがいを見いだせなくなる、ということもあるようです。

とくに刺激や変化を求める人は一定期間同じ職場で働くうちに、働く場や業務内容を変えてみたいと、転職を決意するケースがあります。