ブランクのある薬剤師が再就職するには?
薬剤師はブランクがあっても転職しやすい
一般的に、いったん結婚や育児、親の介護などを理由に仕事を辞めてしまうと、ブランクを経てもう一度同じ分野に転職したいと思っても、なかなか難しい場合があります。
とくに事務職などの資格が不要な業種の場合は、希望の職種をあきらめてまったく別の仕事に就いたり、なかなか再就職先が決まらず、どんどん給与などの希望条件を下げていったりというケースは珍しくありません。
その点、薬剤師は、ブランクがあっても望みどおりの職場に転職しやすい職種です。
一番の理由は、原則として6年制の薬学部を卒業し、薬剤師国家試験に合格した人だけが取得できる医療専門職だからです。
薬剤師は誰でも簡単に取れる資格ではなく、また、取りたいと思ってもすぐに取れる資格ではないというのは非常に大きな強みになります。
また、昨今は大手ドラッグストアチェーンや調剤薬局など、薬剤師の転職市場は売り手市場が続いています。
有資格者の需要は多くあるため、たとえブランクが長くても、薬剤師資格を生かして働きたいと考える人は歓迎されやすいです。
ブランクのある薬剤師の再就職におすすめの就職先
ここからは、ブランクのある薬剤師の再就職先として、おすすめの場所を挙げていきます。
ドラッグストア
ドラッグストアは薬剤師の求人数が多く、また店舗自体も増加傾向です。
未経験OKの求人や、、ブランクありOKの求人も多く見られます。
とくに大手ドラッグストアチェーンだと、正社員、パート社員など雇用形態もさまざまであり、研修制度も充実しているため、ムリなく働きつつブランク期間に失った知識を取り戻したいという方は安心して復帰できるでしょう。
しかし、ドラッグストアでは調剤以外の接客業務や、OTC医薬品をはじめとする日用品の知識なども身につける必要があり、多岐にわたる業務に携わらなくてはなりません。
調剤業務を中心に行いたい場合は、調剤薬局部門が別になっているドラッグストアを選ぶのがおすすめです。
また、ドラッグストアのなかには、年中無休で遅い時間まで営業しているところもあります。
家庭との両立を優先する場合は、希望した勤務時間で働けるか、休みをしっかり取れるかを事前に確認したほうがよいでしょう。
調剤薬局
調剤薬局も、ブランクのある薬剤師とって仕事を再開しやすい転職先のひとつです。
全国どこにでもある調剤薬局は、比較的安定的に薬剤師の求人数が多いので、自分に合った調剤薬局を選びやすいです。
ブランク前の実務経験の長さにかかわらず、一度は調剤に携わった経験がある人なら問題なく転職できるでしょう。
しかしながら、患者数の多い病院の門前薬局や、地方で人手不足の薬局などは薬剤師の人数が足りておらず、多忙になりがちです。
そういった職場ではブランク明けから即戦力になることが求められ、仕事に慣れる期間が十分に取れないこともあります。
求人をチェックする際には1日の処方せん枚数がどれくらいか、またそれらを何人の薬剤師で扱っているのかという点を忘れず把握しておくと安心です。
病院の院内薬局や薬剤部
病院に就職する場合、病院によってブランクのある薬剤師の受け入れ状況には差があります。
急性期病院や大学病院など、高度医療をスピーディーに提供する必要がある病院は、中途採用では即戦力となる人材のみを採用しているケースがほとんどだと考えたほうがよいでしょう。
ブランク前にこうした病院で勤務していたのであれば、ブランクの期間によっては問題なく採用されるケースもあります。
しかし、少し不安がある場合には、一度ドラッグストアなど他の職場で働いて現場の「勘」を取り戻してから、再度希望の環境に転職するルートを考えてもよいでしょう。
一方、救急受入れのない慢性期病院や特定の疾患に特化した病院などでは、ブランク前の経験次第でスムーズに復職できることが少なくありません。
基本的には、病院の研修制度は新卒者向けで中途採用者を想定して実施していないことが多いため、しばらくは1日でも早く現場になじめるよう、相当の努力を続けなくてはいけないでしょう。