小学校教師の勤務時間・休日

小学校教師の勤務時間

 

勤務時間は長めの傾向

小学校教師の一般的な勤務時間は、8時~17時前後です。

しかし、大半の教師は朝早く出勤しており、なかには7時30分頃にはすべての先生が職員室にいる学校も珍しくありません。

小学校教師はすべての科目を一人で担当するため、授業の下準備に時間がかかります。

そのため、朝早くから出勤し、授業の準備、業務上の雑務を処理しないと仕事がまわらないという現実があります。

さらに、最近は児童の安全を確保する防犯対策として、教師が通学路に立ち、登校・下校中の児童を見守る活動を行う小学校もあります。

規程の終業時間が17時とされていても、17時ぴったりに退勤する教師はほとんどいないと考えておいたほうがよいでしょう。

自主的な残業という名目で、20時過ぎまで学校にいる教師も少なくありません。

小学校教師の勤務時間は長くなりがちです。

教師の労働環境改善が課題

小学校教師の勤務時間は世界的にも長いといわれています。

過労死ラインとされる月に100時間にせまる勤務を行う小学校教師も少なくないとされ、最近では社会問題にもなっています。

とくに、以下のような事情があると、勤務時間が長くなりがちです。

  • 新人で授業準備に時間がかかる
  • 担当クラスに問題を抱えている
  • クラブ活動を担当する
  • など

また、上記に該当せずとも、「子どもたちのため、丁寧でわかりやすい授業を」と思えば思うほど、下準備や教材研究に時間がかかり、自分のプライベートな時間を犠牲にしなくてはいけません。

また、子どものためならば自分を犠牲にしてでもという気持ちを持つ教師もおり、自主的に残業をする人が多くなっているようです。

しかし、教師の長時間労働にはさまざまな弊害があります。

肉体的にも精神的にも疲弊して新しい指導法などのインプットができないことや、長時間労働を苦にした退職をしてしまう人もいます。

労働環境の厳しさからあえて民間企業にいく人も多く、優秀な人材確保の壁にもなりえます。

そのため、文部科学省も教師の労働環境改善に取り組んでおり、最近では学校行事の見直しや廃止、業務アシスタントの導入で、残業時間の削減を図る学校が増えつつあるようです。

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小学校教師の休日

 

通常の平日の有給はとりにくい

 
小学校教師にも有給は付与されていて、原則的にはその取得に理由は問われないとされています。

しかし、現実問題として、小学校教師が通常の平日に有給を取得し休むことは難しいでしょう。

忌引や病欠以外で有給を取得しようと思えば、自習の計画を立て、その準備が必要です。

また学校全体で、その間の子どもたちの安全確保のため、誰が代替としてクラスに入るかを決めなくてはなりません。

また、保護者のなかには教師が平日に有給を取得することで、学習が疎かになったり、子どもに不安が広がったりすると考える人もおり、クレームがくることもあります。

そのため、なかなか有給を自由にとりにくいのが現実のようです。

土日出勤をすることも

 
最近は、土曜日に隔週で授業を行う小学校も多いため、日曜日だけがお休みという小学校教師も多いです。

またそうでなくても、土曜日に運動会やクラブ活動を行う場合、出勤しなくてはなりません。

経験が浅い教師の場合、業務が終わらずに、土日のどちらか出勤している人もいます。

あくまで自主参加としながら、休日の地域のイベントなどに駆り出されることもあります。

一般企業では完全週休2日制も多いなか、小学校教師は土日も仕事から離れられないことも多いといえます。

長期休暇は比較的融通がきく

小学校には春休み、夏休み、冬休みという長期休暇があります。

もちろん、この期間は子どもたちが長期休暇なだけで、教師は通常通りに出勤しなくてはなりません。

この時期には、普段はできないような雑務や研修会への参加、クラブ活動の監督などの業務を行うほか、夏休みであれば当番制でプール開放の監視を行うこともあります。

しかし、通常の授業がないため、自由度が高く、有給が取得しやすいといえます。

小学校教師のなかには、夏休みにまとめて有給を取得し、海外旅行に行く人もいます。

普段は忙しい分、子どもの長期休暇にはしっかりと休むことも可能です。

小学校教師の残業時間

 

残業は多くなりがち

 
小学校教師はクラス担任として学級を任され、授業からそのクラス運営まで一人でこなす必要があり、その仕事量は多いです。

授業の合間の休み時間や昼休みは子どもたちと交流する時間でもあり、自分のデスクワークなどを進めることは難しいです。

そのため、子どもたちが学校から帰った17時以降に残業して、残務処理をしています。

定時で帰るのはなかなか難しいといえるでしょう。

残業代は出ないケースが多い

 
職員会議の延長など管理職の指示に基づく残業もありますが、小学校教師の残業は自主的なものとみなされるものが多いです。

小学校の教師は全教科を担当しているため、授業の準備には結構時間がかかります。

理科などでは、実験を前もってしておかないと本番で失敗しかねませんし、音楽だとピアノの練習もしなければなりません。

これらは、教師の自主判断に基づく居残りとみなされます。

小学校教師の給料には、「教職調整額」という給料の4%にあたる金額が残業代としてあらかじめ支給されています。

そのため、どれだけ自主的に残業をしても追加で残業代は支給されないのが現状です。

現場の教師のなかには不満をもつ人やこれを苦に退職する人も多く、教師の働き方改革とあわせ、今後の課題といえそうです。

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小学校教師は忙しい? 激務?

 
小学校教師は、授業の下準備がたくさんあります。

また、中学や高校よりも子どもの生活面・道徳面の指導も多く、自然と保護者との接触も増え、その対応も大切な業務のひとつです。

業務量が多いことから勤務時間が多くなり、どうしても激務になりがちなのが小学校教師です。

一般企業であれば、昼ご飯をとる時間くらいは一息ついてほっとすることもできるでしょう。

しかし、小学校教師の場合、昼ご飯はクラスで子どもたちと一緒に給食をとります。

そこでも食べ方の指導、子どもたちの話を聞く、アレルギー児への目配りなどがあり、何も考えずに休めるわけではありません。

基本的に学校にいる間はすべて子どもたちと一緒なため、その安全確保などが必要で、フルで動きまわる先生が多いです。

心身ともにハードな仕事であることは間違いないでしょう。

小学校教師の休日の過ごし方

 
新任など経験の浅い教師の場合、土日が休みであっても学校に行き、終わらなかった業務を行うこともあります。

また、出勤しなくても家に持ち帰る業務も多く、採点や保護者への連絡プリント作成を行うこともあります。

一方、少し慣れてきた教師は仕事はなるべく学校で終わらせ、休日は家族や友達と過ごし、しっかりとリフレッシュして翌週に備える人もいます。

休日は自由に過ごすことができますが、街や行楽地で生徒や保護者と会う可能性があるため、教師としての顔を忘れないことが大切とされています。

小学校教師の1日・生活スタイル