司書のやりがい・楽しさ・魅力
司書のやりがい・楽しさ
「おもしろかった」
自分が勧めた本を「おもしろかった」と嬉しそうに返却してもらったときほど、司書としての喜びを感じることはありません。
「普段こういうジャンルは読まないけど、興味を持ちました」「好きな作家が増えました」「シリーズで読んでみたいです」などと、読書の幅が広がって喜んでもらえたときには、「司書をしていてよかった」と心から思えます。
また、「図書館だより」やお勧め図書の掲示物の影響で本の貸出数が増えたときも嬉しいものです。
本の探偵
レポート作成などで書籍から必要な情報を調べなければならない場合、多くの利用者はカウンターに問い合わせにきます。
このレファレンスサービスのことを「本の探偵」と呼ぶことがあります。
どんな事柄について知りたいのかを尋ね、そのヒントを元にコンピュータで検索します。
知りたい情報が載っている本をピタリと当てて閲覧してもらえたときには、ちょっとした探偵気分を味わえるそうです。
意外な発見
図書館の本の「背」(本を綴じてある部分の表面側で、通常は題名を記載)には、下の方に四角いシールが貼ってあります。
そのシールには数字やアルファベットなどが印字されてあり、その上段にある数字が「分類記号」です。
「1」は哲学、「2」は歴史というように決まりがあり、それにのっとって数字が割り振られています。
これを題名や表紙の写真・絵から「社会科学だろう」「技術かな?」などと推理するのも楽しいものです。
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司書の魅力
知識の蓄積
図書館の司書として働いていると、日々、利用者からの探し物に答えたり話題の本や新刊本などの情報に触れたりしますから、当然、知識がどんどん増えていきます。
司書として働き始めたばかりのころは自分が専門的に勉強してこなかった分野の質問が苦手であっても、経験を積めば積むほどさまざまな知識が蓄積されていき、司書としての成長を実感できます。
知的好奇心が旺盛な人にとって、毎日の業務が「常に勉強」になることが、司書の仕事の魅力のひとつです。
新しいことにチャレンジ
多くの公共図書館では、司書による子ども向けに本の読み聞かせを行なっています。
司書講習で演習の一環として読み聞かせの勉強をする機会はあるものの、実際に子どもの前で読み聞かせをするという経験がないまま、初めての読み聞かせを行う司書は少なくありません。
間違えずに最後まで読むことができるのか。
本当に自分の読み聞かせで子どもたちを喜ばせることができるのか。
一回目の読み聞かせでは、このような緊張感から、手と声を震わせながら朗読する人も多いそうです。
しかし、回を重ねるごとに慣れていき、子どもたちの表情を見渡せる余裕が生まれてくると、じっとこちらを見つめるその眼差しに感動を覚えるようになります。
司書という職業は、同じ業務内容をひたすら繰り返して日々を過ごしているような印象を持たれがちです。
しかし実際には、新たな事柄にチャレンジさせてもらうことで経験を広げられる、魅力的な仕事なのです。