司書の求人・採用募集の状況は?
司書の求人の状況
司書は、公立図書館や私立図書館、それから一般企業が有する専門図書館などを中心に求人が行われており、それぞれ採用試験の方法が異なります。
正規雇用の採用状況を見てみましょう。
公立図書館の募集状況
まずは、公立図書館の場合。
希望する図書館の属する都道府県の採用試験に合格しなければいけませんが、採用人数は若干名とされていることが多く、倍率は非常に高くなることで知られています。
たとえば、特に人気のある国立国会図書館の平成31年度職員採用試験結果を見てみると、総合職試験の申込者は401人ですが、最終合格者は男女合わせてたったの4人です。
※国立国会図書館:国会議員の調査研究を行い、日本国民全体のために奉仕する図書館で、国内で出版された全ての出版物を収集・保存する日本唯一の法定納本図書館
一般職試験の場合も、申込者が756人であるのに対して、最終合格者はたったの7人。
倍率を考えれば、かなりの狭き門だといっても過言ではないでしょう。
また、地域の公立図書館に勤務したい人は、各自治体の実施する採用試験を受けることになりますが、ご存じのように地方公務員も非常に人気のある職業です。
2019年は東京都や大阪府を始めとした全国の都市が司書を募集していますが、採用はそれぞれ若干名です。
多摩市を例に挙げると、令和2年度採用の多摩市職員一般事務(司書)の募集人数は3人程度と明記されています。
私立図書館の募集状況
公立図書館以外には、私立の図書館や一般企業が有する図書館があります。
このような図書館の場合、私立大学や一般企業が独自の採用試験を行っており、書類審査や面接に合格すると正社員として雇用されるようになります。
また、最近では正社員として採用した司書を公立図書館に派遣する会社での募集もあります。
いずれの場合も司書が人気のある職業であることに変わりはなく、若干名の募集に対して何十人、多ければ何百人もの応募があります。
就職試験で少しでも有利になるためには、司書の資格を持っておいたほうがよいことは間違いないでしょう。
20代で正社員への就職・転職
非正規雇用の採用状況
地方公務員試験を突破したり私立大学や一般企業の採用試験に合格したりするのは、非常に難しいことです。
このような正規雇用の司書以外にも、アルバイトやパートとしての非正規雇用の司書の募集があります。
非正規雇用の求人は比較的簡単に見つけられますし、「司書」や「司書補」などの資格を必要としないことも多いようです。
まずはこの業界に飛び込んで仕事を経験したみたい、という人は、最初はアルバイトやパートの仕事を探すとよいでしょう。
変わりゆく求人の形
最近では図書館にもIT化の波が押し寄せ、コンピュータなどの機器を扱うことさえできれば、図書業務が遂行できる場面も増えてきました。
こうしたことから、近年では公立図書館でも図書業務を民間企業に委託するようになりつつあるのです。
昔ながらの司書の業務や働き方が変わっていくことが予想されるので、これから司書を目指す人や世の中の流れや業界の動きをよく追っておくことが大切です。