理学療法士のやりがい・楽しさ・魅力
理学療法士のやりがい・楽しさ
患者が回復したとき
理学療法士が最もやりがいを感じるのは、担当した患者が回復したときです。
リハビリにかかる期間は人それぞれですが、一度失われた身体機能を取り戻すまでには、一般的に数ヵ月~数年単位という長い年月が必要です。
発症直後、手術直後といった急性期の段階から、継続して患者のリハビリに携わる理学療法士は、自然と患者一人ひとりとの間に人間関係が生まれます。
自分のサポートによって、たとえほんの少しずつであっても、患者が前進していく姿を間近で見られることが、理学療法士の大きなやりがいにつながっています。
昨日は歩けなかったけれど、今日は一歩前に踏み出せた、そんな感動を患者と共有できることが、理学療法士の何よりの醍醐味といえるでしょう。
創意工夫する楽しさ
リハビリが必要になるけがや病気は数多くありますが、同じけがや同じ病気であっても、その後遺症の度合いや、後遺症が発生する原因はさまざまです。
また、各患者によって、残された身体機能や筋力、体力、回復度合い、年齢、性格なども大きく異なりますので、理学療法士は、各患者に合わせた最適な治療計画を練る必要があります。
医師や看護師などと相談しつつ、自身の知識や経験に基づいて、さまざまな方向からアプローチする作業には、創意工夫する楽しさがあるといえます。
その成果が出て、患者が回復した際には、喜びと共に、仕事に対する手ごたえを感じられるでしょう。
さらに、訪問リハを行う場合は、患者ごとに自宅環境や家族環境も異なりますので、病院よりもさらに工夫する余地が大きくなります。
訓練内容だけでなく、リハビリを行う場所や使用する器具といったことまで考えて、独自のプログラムを練る面白さがあるでしょう。
理学療法士の魅力
成長していく実感が味わえる
理学療法士にとって、国家資格取得はあくまでスタートに過ぎません。
一人前になるには、現場でのさまざまな経験を通して、実務知識を身につけていくことが必要です。
勉強しなければならないことも多く、大変に感じることもあるかもしれませんが、少しずつ自分のできることが増えていく過程では、自分が確かにスキルアップしているという実感が得られるでしょう。
また、老若男女を問わず、さまざまな患者と長期間にわたって深く付き合っていくなかで、仕事以外の面でも数多くの学びや気付きがあり、人間としても大きく成長できるでしょう。
病気や障がい、麻痺などと懸命に戦う患者の姿を見て、「人が生きる」ということの意味を教わったり、人生観を新たにすることもあるかもしれません。
必要とされる場がたくさんある
理学療法士は、総合病院やリハビリテーション病院、クリニックといった医療施設のほか、老人保健施設や老人ホーム、児童福祉施設、保健センターといった介護・福祉関係の施設でも活躍できます。
さらには、通所リハ施設や訪問リハ事業所といった地域医療分野や、スポーツ整形外科、フィットネスジム、プロスポーツチームといったスポーツ分野の就職先もあります。
近年は理学療法士の有資格者数が増え、就職は徐々に厳しくなりつつあるものの、自身の努力次第で、さまざまな業界で働けるチャンスがあるでしょう。
さらに、理学療法士と作業療法士のダブルライセンスを取得することで、できる業務の幅をより広げ、就職先を増やす選択肢もあります。
社会全体の高齢化が進むなかで、リハビリの需要は今後ますます高まっていくと想定されるため、専門知識を身につけた理学療法士のさらなる活躍が期待されます。