検事の階級は? 【検察官の役職・バッジまとめ】
さらに、検事の中でも階級が分けられており、一番下は「新任検事」で、「検事正」は地方検察庁の長にあたります。
この記事では検事・検察官の階級を図解でわかりやすくまとめています。
検事の階級は?【検察官の階級・役職まとめ】
検事とは、検察官の階級のひとつです。
検察官の階級は、上から順に「検事総長」「次長検事」「検事長」「検事」「副検事」です。
つまり、検事の階級は下から2番目となります。
この章では、検察官の階級について図解で詳しく紹介します。
検事の階級とは?検察官の階級一覧
検事の階級は、上の図の通り、5つある検察官の階級のうち下から2番目となっています。
司法試験を合格し、司法修習、二回試験、検事採用試験を経た人は、最初から検事として任官されます。
一方、「検察事務官」などから検察の仕事に携わり試験を受けて検察官になった人は、まず副検事として検察官のキャリアをスタートさせます。
検事は、1年目から5年目までが教育期間として位置づけられていて、呼び方が変わっていきます。
- 1年目:新任検事
- 2~3年目:新任明け検事
- 4~5年目:A庁検事
検事の教育期間後は、階級別に次のような呼び方があります。
- シニア検事:A庁検事期間を終えた検事
- 三席検事:地方検察庁の次席検事に次ぐ立場
- 次席検事:属する庁のトップに次ぐ立場
- 検事正:地方検察庁の長
これより上の階級としては、「検事長」「次長検事」「検事総長」となります。
令和5年7月1日現在、検察官の総数は2751人で検事は1956人、副検事は785人、検事総長等は10人と公表されています。
→出典:検察官在職状況統計表
検事長より上の階級にいけるのは、ごくわずかだということがわかります。
検察官の階級別の仕事内容
法務省は、検察官の階級別の仕事を、次の通りとしています。
→参考:法務省「検察官の種類」より抜粋
検事の仕事内容については、以下の記事に詳しくまとめています。
検事の年収は?検察官の階級別の年収
検事や副検事には、経験に応じた細かい区分が設けられ、区分ごとの月給が法律によって定められています。
- 検事総長:150万円
- 次長検事:123万円
- 東京高等検察庁検事長:133万円
- その他の検事長:123万円
- 検事(1号):120万円
- 検事(20号)23万円
- 副検事(1号):59万円
- 副検事(17号)21万円
参考:法務省「検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律」
副検事は17号~1号、検事は20号~1号に分けられ数字が低くなるほど給料が上がります。
副検事1号で月給約57万円、検事1号ともなれば月給約117万円です。
検事から上の階級となると、検事長で月給約119万円、東京高等検察庁の検事長だと月給約130万円、次長検事は月給約119万円、検事総長になると月給約146万円です。
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検事総長にはどんな人がなる?
検事総長は、最高検察庁の責任者であり、検察庁すべての職員を指揮する権限を持っています。
ここ30年以上、東京高等検察庁検事長経験者が検事総長に任官しています。
そのため、東京高等検察庁検事長になった人が、次期検事総長になるという認識が広まっています。
検事総長、次長検事、検事長の3ポストは天皇による認証が必要な官吏(認証官)です。
その理由は、職務上密接に関わる司法組織の最高裁判所判事と高等裁判所長官も認証官であるため、職務上のつり合いをとるためといわれています。
なお、検事総長の定年は65歳と定められており、検事総長以外の検察官は63歳が退官年齢です。
検事のバッジの花と意味
検察官のバッジは1種類しかなく、階級によって変わることはありません。
バッジのデザインは1950年に定められており、紅色の旭日に菊の白い花弁と金色の葉によってデザインされ、秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)のバッジとも呼ばれています。
秋霜烈日とは、秋におりる霜と夏の厳しい日差しのことを意味します。
その言葉が表す気候の厳しさが、検事の職務の厳しさと理想像に重なることから、このような呼び方がされるようになったそうです。
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「検事の階級」まとめ
検事とは、検察官の階級のひとつです。
検察官には「検事総長」「次長検事」「検事長」「検事」「副検事」の階級があり、そのほとんどの人が「検事」にあたります。
また、検事の中にも、新任検事、シニア検事、検事正などの階級があり、それぞれ職務の範囲や給料などに違いがあります。