官僚の役職にはどんなものがある? 階級・序列を一覧で紹介

官僚の役職には、さまざまな階級や序列が存在します。

各役職にはそれぞれ特定の責任や権限があり、組織の中で重要な役割を果たしています。

この記事では、官僚の階級や序列について一覧で紹介します。

官僚は役職によって責任や権限がある

国の重要な政策決定に携わる国家公務員を、一般的に「官僚」と呼びます。

一人ひとりの官僚にはそれぞれ役職が与えられ、地方自治体でも、知事や市町村長、部長、課長などの役職があるのと同じように、組織内で階級や序列が存在します。

たとえば、「大臣」や「次官」「局長」「課長」「主任」などです。

それぞれ上下関係や役割の違いがあり、その役職の重要性や責任の度合いが反映されています。

上位の役職になるほど、より大きな責任や権限を持ち、より大きな決定権や政策の方向性を示す役割を果たすことが多いです。

高い階級や重要なポストにある人は、社会や行政に対して直接的な影響を与えることができるといえるでしょう。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

各省庁の構造

日本の中央省庁においては、省庁ごとに多少の違いはあるものの、基本的には「大臣」を筆頭に以下のような階級構造で成り立っています。

  1. 大臣
  2. 副大臣
  3. 大臣政務官
  4. 事務次官
  5. 局長、官房長
  6. 審議官
  7. 課長

この中で、大臣、副大臣、大臣政務官までは基本的に国会議員が任命されるため、官僚のトップは事務次官です。

各役職の役割

ここからは、官僚が身を置く中央省庁における各役職の役割を紹介します。

大臣

現在の日本の政治において、「大臣」とは内閣の構成員である「国務大臣」のことを指します。

国務大臣は、特別職国家公務員の一員であり、「閣僚」「閣員」とも呼ばれることがあります。

つまり、国務大臣、閣僚、閣員はすべて同じ意味です。

国務大臣は通常、各省の長である各省の大臣を兼任します。

つまり、国の政策や法律に関わる重要な仕事を担当する一方で、各省の組織の運営や政策立案にも関与します。

しかし、中には特定の省庁を担当しない無任所大臣(特命大臣)も存在します。

国務大臣の役割は、国の行政を効果的に運営し、政府の政策目標を実現することです。

彼らは国内外の重要な問題について意思決定を行い、政策の立案や実施に関わります。

また、国会での質疑応答や報告、地域や関係機関との連携も行います。

副大臣

副大臣は、大臣の補佐役として大臣の指示や要望に応じ、業務をサポートします。

大臣が抱える多くの業務や課題に対して、副大臣が負担を分担し、協力して取り組みます。

また、副大臣は大臣と連携し、政策の立案や決定に参加するほか、大臣の代理として会議やイベントに出席し、政府の立場を代表することもあります。

大臣政務官

大臣政務官は、基本的に特定の政策にしぼって深く関与する仕事です。

大臣からの指示や要望に応じ、政策調査や情報収集、資料作成などを行い、閣僚と事務次官との間で政策の企画や立案を担当します。

副大臣は大臣の全般的な業務に対しサポートでき、大臣不在時には代行する権限も持っていますが、大臣政務官にはその権限はありません。

事務次官

省内における事務方のトップであり、官僚としての最高の階級です。

大臣と副大臣の任期は制限されているため、実際には各省で最も権限を持つ存在です。

大臣まであがることのない案件は事務次官が意思決定していることも多く、かなり大きな権限を持っているといえるでしょう。

出世を希望する官僚は最終的にこのポジションを目指しています。

政務次官と大臣政務官との違いとしては、政務次官は広く省庁の政策全般に関わることが挙げられます。

各省のキャリア組(国家公務員採用試験I種合格者)である官僚の中から、主要な局長経験者(例えば財務省であれば主計局、外務省であれば北米局など)が任命されることがほとんどです。

その際には内閣官房長官などの人事検討会議と閣議による事前了承を経て、各大臣によって任命されます。

局長・官房長

各省庁には、いくつかの「局」と「大臣官房」と呼ばれる組織があります。

局は人事や予算管理、会計監査、国会との調整などを担当し、大臣官房は省庁の補佐役として機能します。

この組織の長たちは一般的に「高級官僚」と呼ばれています。

審議官

審議官は、多忙な局長の代理を務めることが主な役割であり、局長とほぼ同じ仕事内容を担当します。

彼らは局長の不在時や業務の繁忙期などに局の運営を補佐し、意思決定や調整などを行います。

また、省によっては「〇〇審議官」というように、省名の付く審議官が配置されている場合もあります。

このような審議官は、特定の分野や課題に特化して審議や助言を行います。

例えば、外務省における外務審議官は、外交政策や国際関係に関する審議や提案を担当します。

階級的には審議官は事務次官の下に位置し、事務方のナンバー2としての立場です。

課長

課長は実務を実質的にマネジメントしています。

課の内における案件において意思決定を行い、幹部官僚に対して説明を行ったり、国会議員に対してスムーズな進行を図るための事前調整を行ったりします。

本省で課長クラスになると、省内外において影響力を持つようになり、省庁の方針や政策の実現に向けて大きな役割を果たします。

室長以下

一部の省庁では、「課」の下に「室」が設けられている場合があります。

その場合、室の長は「室長」と呼ばれ、審議官と同様に重要な職務を担います。

室長の下にくる役職としては、役職が高いほうから課長補佐、係長、係員があります。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

官僚の昇進・出世

ここからは、官僚が役職を上げていくこと、つまり昇進や出世について紹介します。

課長まで自動的に出世できる

官僚の最初のポジションは係員です。

そこから係長や課長補佐、企画官などの役職に就きながら、さまざまな実務経験を積んでいきます。

問題のある人物でなければ、自動的に課長まで出世することができるといわれています。

ただし、不祥事を起こしたり、問題行動がある場合は例外です。

課長になるまでには、およそ20年かかるといわれています。

課長より上を目指す際には厳しい出世レースが待ち受けている

課長になってからもさまざまなポストを経験することになります。

しかし、課長以上の役職になるためには、競争の激しい出世レースに勝たなければなりません。

現在働いている官僚の多くは、国の利益や国民のために働くことを目指して各省庁に入省します。

そのような官僚たちは国にとって有益な業務を遂行し、その成果が適切に評価されることで出世を目指します。

たとえ入省時点で学力的に非常に優秀とされる官僚であっても、出世するには多大な努力が必要です。

「事務官」と「技官」の違いは?

国家公務員には、「事務官」と「技官」という2つの大きなグループがあります。

これらは役職の話ではなく、身分や仕事内容の観点からいうと「事務官の○○係長」「技官の○○課長補佐」といった形で呼ばれることになります。

事務官は、予算や法律、制度などを作る仕事を担当する総合職で、ゼネラリストとも呼ばれます。

各省庁には毎年使用できる予算が決まっているため、事務官はその予算の配分を考えて決定する役割を果たします。

また、制度や法令を作成し、各部署が円滑に業務を進めるための調整も行います。

技官は、医学薬学、建設、農業、教育などの専門分野を担当する専門家で、エキスパートとも呼ばれます。

深い専門知識を持っており、時には独立行政法人などの研究所で研究を行うこともあります。

彼らは自分の専門分野において高いスキルを持ち、専門的な業務を担当します。

「官僚の役職・階級」のまとめ

中央省庁の役職・階級は、「大臣、副大臣、大臣政務官、事務次官、局長、官房長、審議官、課長(プラス、室長以下)」で構成されています。

それぞれの役職には、特定の仕事や権限があります。基本的に課長までは自動的に昇進することができますが、それより上の役職については競争が激しくなります。

なお、国家公務員には「事務官」と「技官」の2つのグループがあり、それぞれ異なる専門分野や業務を担当しています。