グランドスタッフになるには
実は、グランドスタッフになるには英語力以外の条件はほとんどありません。
しかし、採用試験の狭き門を突破するには、事前の情報収集と仕事への理解が非常に重要です。
この記事では、グランドスタッフになるために必要な情報をまとめて紹介します。
グランドスタッフになるには
航空関連会社・派遣会社に就職する
グランドスタッフは航空会社が直接採用するケースもありますが、近年は航空会社のグループ会社や専門の派遣会社に登録して働くのが一般的です。
国内の大手2社(JAL、ANA)の場合は、旅客ハンドリング業務を担う専門のグループ会社で採用を行っています。
大学院・大学・短大・専門学校を卒業後、こうした企業の採用試験を受験し、採用されれば、グランドスタッフとして活躍することができます。
また、地方の空港の場合は、航空会社の孫会社や地元のバス会社・観光会社・空港ビル会社などがグランドスタッフを募集しています。
グランドスタッフの採用情報の探し方
採用情報の探し方としては、航空会社のグループ会社の公式サイトや、エアライン系の雑誌でチェックする方法があります。
地方空港の求人については求人情報雑誌などに掲載されることもあるので、目を通しておくとよいでしょう。
外資系のエアラインに就職を考えている場合は、まめに各エアライン会社の公式サイトをチェックするとよいでしょう。
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グランドスタッフの資格・難易度
グランドスタッフの採用条件
グランドスタッフとして働くうえで必須の資格はありませんが、企業によって細かい採用条件が設定されています。
- 学歴(大学院、大学、短大、専門学校卒)
- シフト勤務に対応できること
- 住居(空港に通える一定範囲に居住が可能か)
- 英語能力(英語検定2級以上もしくはTOEIC550点から600点以上の英語力)
これらを満たしていない場合は圧倒的に不利になりますので、早いうちに希望企業の採用条件をチェックし、条件をクリアできるようにしておくことが大切です。
高倍率の試験を突破するために
グランドスタッフをはじめとした航空業界は非常に人気があり、試験も高倍率となることがほとんどです。
高倍率の試験を突破するためには、まずは語学力が必須です。
面接は日本語だけでなく、英語で実施されることもあります。
英語は基本ですが、その他の言語も扱えるとより有利となるでしょう。
また、面接の際は美しく正しい日本語が話せること、所作の美しさや正しい立ち振る舞いが求められますのでしっかりと対策をする必要があります。
エアライン系の専門学校では、こうした面接や試験のための対策をしてくれますので、具体的な対策がとりやすいでしょう。
グランドスタッフになるための学校の種類
グランドスタッフを目指す際の進学先
グランドスタッフの場合、大卒が採用条件となっていることはあまりありません。
大学・専門学校のどちらに進んでもグランドスタッフへの道は開かれています。
グランドスタッフを目指す人の場合、エアライン科やグランドスタッフ科などがある専門学校に通えば、より実践的な勉強をすることができます。
こうした専門学校では就職を強く意識したカリキュラムが組まれているため、航空関連会社とのつながりも強いのが特徴です。
求人情報が入手しやすくなったり、就職サポート制度が充実していたりすることが多いのは専門学校に通うメリットといえるでしょう。
ただしキャビンアテンダントとグランドスタッフを併願する場合、キャビンアテンダントは大卒が採用されることが多いため、大学を卒業しておいたほうが進路の幅が広がります。
グランドスタッフを目指す人の留学
学歴とともに、留学経験を意識する人は少なくありません。
グランドスタッフは語学力が高いほど有利です。
海外生活を通して日常生活は困らないほどの第二外国語が話せたり、TOEICのスコアが非常に高かったりする人は、試験でもアピールしやすいでしょう。
とはいえ、留学経験は一切ないといった現役グランドスタッフも少なくありません。
留学経験はあるに越したことはありませんが、経験の有無よりもどれくらい語学が使えるかというスキルのほうが重視されます。
英語はもちろん、さまざまな国の言葉が使えるグランドスタッフが重宝されるため、英語に限らず語学を習得しておくとよいでしょう。
グランドスタッフになるためにはどんな学校に行けばいい?(大学・専門学校・スクール)
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グランドスタッフに向いている人
コミュニケーション能力のある人
年齢・国籍問わず、幅広いお客さまに対応する仕事のため、コミュニケーションスキルが必須です。
正しい日本語を使えるのはもちろん、英語をはじめとした外国語での問い合わせも少なくないため、それらに適切に対応できるだけの語学力も必要です。
臨機応変に対応できる人
さまざまな人と接する空港での仕事では、トラブルは日常茶飯事です。
トラブルが起きたり、イレギュラーな事象が発生したりしたときに冷静かつ臨機応変に対応できる判断力がグランドスタッフには求められます。
また、マニュアル一辺倒のやり方でなく、その人ひとりひとりに合った適切なサービスを臨機応変に判断することも大切な仕事です。
体力のある人
グランドスタッフは立ち仕事であることに加え、荷物を持ったり空港内を走ったりと、見た目よりも体力勝負の仕事です。
休日も不規則で早朝・深夜の勤務もあるため、体力がないと続けるのは難しいでしょう。
グランドスタッフのキャリアプラン・キャリアパス
年齢を重ねても続けられる仕事
グランドスタッフは、経験がものを言う仕事でもあるので、長く働くことができます。
はじめは先輩について仕事を覚えるところから始まりますが、一人前になると、クレーム対応やトラブル時の対応など難しい仕事も任されるようになります。
ベテランのグランドスタッフになると、グランドスタッフを束ねるリーダーや指導役として新人を教える立場になることもあります。
グランドスタッフからキャビンアテンダントへ
キャビンアテンダントとして活躍する人の中には、グランドスタッフ経験があるという人もいます。
そこには、以下のような背景があります。
- もともとキャビンアテンダントになりたかったけれど倍率が高く一度の長選では採用されなかった
- グランドスタッフの仕事をするうちにキャビンアテンダントへの憧れの気持ちが強くなり、転職を考えた
キャビンアテンダントの試験を受けるうえでは、以下のような理由からまったく別の業界から転職するよりも有利といえるでしょう。
- すでにエアラインの知識がある
- 航空業界で働くにあたって必要な接客やマナーを理解している
- 現場の厳しさを理解している
とくに、外資系企業の場合は職歴を重視するため、航空業界での接客経験がある人は優遇されるケースも多いようです。
そのほか、グランドスタッフが働く旅客サービスから航務サービスへキャリアアップするという道もあります。
運航管理の仕事に回るほか、資格を取得すればより専門性の高い業務に就くことも可能です。
グランドスタッフの雇用形態
グランドスタッフは正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、アルバイトとして働く人もいます。
ただし、どの雇用形態で働くとしても、空港や航空会社の顔となることには変わりありません。
語学力を高め、サービススキルを磨くなどして、努力を続ける必要があります。
正社員のグランドスタッフ
正社員のグランドスタッフは少ない
最も安定した雇用形態の正社員ですが、近年グランドスタッフは残念ながら正社員の求人が減少傾向にあります。
まずは契約社員として採用され、数年働いたあと、適性を見て正社員へステップアップするといった形も少なくありません。
また、正社員でなく契約社員として働き続けるグランドスタッフも多くいます。
これは、IT化が進みグランドスタッフの需要が減っていることや、各航空会社が人件費の削減をしていることが背景にあります。
もちろんはじめから正社員としてグランドスタッフを募集する会社もありますが、その場合の応募倍率はかなり高くなるようです。
正社員と契約社員の違い
正社員と契約社員の大きな違いは、給料です。
正社員は月給として決められた額が支払われますが、契約社員はフルタイムで働かないこともあるため、働いた時間分だけお金をもらう時給制が一般的です。
加えて、正社員はボーナスの支給や福利厚生、各種手当てなどが充実しているのに対し、契約社員はそうでない場合が多いです。
仕事内容としては、カウンター業務やゲート案内などの接客に関しては違いがありませんが、難易度の高いとされるクレーム対応や、オフィスでの重要な仕事などは、正社員のみに任せられているのが一般的です。
また、トラブルなどで大幅な残業や深夜勤務をせざるを得なくなった場合は、正社員が対応することが多いようです。
派遣のグランドスタッフ
グランドスタッフは派遣社員として働く人もいます。
「ANAビジネスソリューション株式会社」のような航空会社系列の派遣会社もあり、こうした派遣会社に登録することで、グランドスタッフとして働くことが可能です。
一般的には登録会社から特定の航空会社に派遣され、ほかのグランドスタッフと一緒に働くことが多く、複数の航空会社を掛け持ちしたり兼務したりすることはほとんどありません。
派遣社員だとしても、知識やスキルを身につければそこから正社員にキャリアアップしたり、外資系のグランドスタッフへと転職したりすることも可能です。
アルバイト・パートのグランドスタッフ
アルバイト・パートのグランドスタッフはほとんどいません。
現在、グランドスタッフは契約社員や派遣社員がメインのため、アルバイト・パートとして雇用する企業が少ないためです。
なかにはアルバイト・パートという立場で採用している企業もありますが、ほかのアルバイトやパートのように学生や主婦が空き時間に働くといったことは少なく、一度グランドスタッフを経験した人が短時間だけ働くというケースが多いようです。
グランドスタッフを目指せる年齢は?
グランドスタッフを目指せる年齢
1からグランドスタッフを目指す場合は、どうしても年齢が若いほうが有利です。
教育に時間がかかること、また長く働いてもらいたいため若い人を優先的に採用したいという企業側の事情があるからです。
社会人からグランドスタッフを目指す場合は、すぐにでも行動に移しましょう。
ただし、1度グランドスタッフやキャビンアテンダントとして就職した経験があり、妊娠・出産後に再就職したいといった場合は、この限りではないでしょう。
高卒・既卒からグランドスタッフを目指せる?
高卒からグランドスタッフを目指す場合、高卒でも採用してくれる航空会社を探す方法があります。
首都圏など大手では難しいのが現状ですが、地方の空港や派遣会社の場合は、学歴を問わず語学力さえあれば採用されることもあるようです。
まずはグランドスタッフにこだわらず空港や航空業界でアルバイト・パートとして働き、経験を積みながらグランドスタッフを目指すという方法もあります。
また、グランドスタッフは既卒向けの求人も多くあります。
既卒向けの求人とはいえ、人気の職種で高倍率となることも少なくないため、新卒と変わらない条件が求められます。
グランドスタッフになるにはのまとめ
グランドスタッフの採用試験で合格を勝ち取るためには、正しい日本語や立ち居振る舞い、高い語学力を養うことが大切です。
語学力については日系航空会社でTOEIC600点ほどの能力が求められます。
華やかなイメージのグランドスタッフですが、体力や冷静な判断力を求められる仕事でもあります。
準備をしっかり整え合格を勝ち取りましょう。