中学校教師になるためにはどんな大学・学部に行けばいい?

教職課程のある大学や短大へ進学する

中学校をはじめとする「学校の先生」になるために必要な教員免許状を取得するためには、大学・短大・大学院のいずれかで「教育職員免許法」に定められている科目を修得しなければなりません。

その科目とは、「教職に関する科目」「教科に関する科目」「教科又は教職に関する科目」の3種類に分けられます。

そのなかで、教職関係の科目については、「中学校教諭二種免許状(短期大学を卒業して得られるもの)」を取得するために21単位、「一種・専修免許状(それぞれ四年制大学を卒業・大学院を修了して得られるもの)」では31単位が必修最低単位数です。

日本全国に教職課程のある学校はたくさん存在しており、自分が興味のある学問を専門的に学びながら、中学校教師を目指すことが可能です。

中学校教師になるには? 必要な資格や免許は?

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どんな学部に行くのがおすすめ?

早くから教員志望の人は、「教育学部に行くべきか、それとも別の(興味あることが学べる)学部に進むべきか」で悩むケースが多いようです。

たとえば、将来は理科の教師になりたい場合、教育学部に進学するか、理学部など理系学部に進んだほうがよいのかといった具合です。

実際、教育を専門的に学ぶ教育学部以外でも教職課程を置くところは多いため、中学校教師の免許状を取得することができます。

ですから、専門的な分野の学びをしたい気持ちが強ければ、教職課程があることを確認したうえで、自分が最も学びたいことを学べる学部を選ぶのがベターといえそうです。

一方、教育学を深く学びたいと考えているのであれば、やはり教育学部に進学するのがおすすめです。

しかし、教育そのものに関しては実際に教員になってから学べることも多々ありますので、学生時代に幅広い学びをおこなって、視野を広げておくのもよいでしょう。

短大か、大学かという点に関しては、大学のほうが進学先の選択肢は多いものの、短大よりも卒業までに在籍する時間が長くなる分、学費は多くかかってきます。

取得する免許状については、二種免許(短大)と一種免許(大学)の違いがありますが、これによって就職後に仕事内容等で区別されることはありません。

教育課程で学ぶこと

教職に関する科目

教職に関する科目に該当する具体的な授業をいくつか紹介しましょう。

教育の理念や教育の歴史、教育に関する思想について学ぶのが「教育原論」です。

生徒の精神的な発達や、学校生活のさまざまな場面における心のありようを学ぶ「教育心理学」のほか、生徒指導や進路指導の理論や方法を学ぶ「生徒指導論」も受講します。

これらは大学・短大によって若干の名称の違いはありますが、どれも教員として知っておかなければならない基礎的かつ重要な事柄です。

教科に関する科目

先生の主要な仕事である教科指導に関しても、教職課程で学びます。

教科関係の科目は最低でも、二種免許では10単位、一種・専修免許では20単位が必修単位数と決められています。

国語科の教員を目指すのであれば、「国語学」「国文学」「漢文学」「書道」といった科目を履修します。

数学科であれば、「代数学」「幾何学」「解析学」「確率論」「統計学」に加えてコンピュータによる演算なども必修の授業に指定されています。

社会科であれば、「日本史」「世界史」「地理学」だけでなく「法律学」「政治学」「哲学」「倫理学」「宗教学」と細分化された分野も学びます。

以上からわかるように、中学校の教科書に載っていない専門的な内容についても学習するのが特徴です。

また、実際の教育現場に赴き、先生方に混じって授業を受け持つ「教育実習」もあります。

わずか2~3週間ですが、生徒たちにとっては一生に一度きりの授業ですから、上記の教職関連・教科関連科目で学んできた事柄の集大成が教育実習だと位置づけられています。

教員免許状を取得する予定がなくても、一般教養科目として教職関係の科目を履修することができる大学・短大もありますが、教育実習は実習前までに所定の単位数を修得していなければ履修することができません。

実践形式の教職課程科目として特筆すべき実習です。

教科又は教職に関する科目

「教科又は教職に関する科目」には、「教職に関する科目」と「教科に関する科目」の必修最低単位を超えて修得した単位を充てています。

つまり、二種免許状取得のためには「教科又は教職に関する科目」として4単位が必要ですから、教職関連あるいは教科関連の科目を4単位分多く修得しなければならないわけです。

同じように、一種では8単位、専修では32単位を、教科関係・教職関係の最低必修単位以上、余分に修得することになります。

どんな授業を履修するのかは、他の必修授業との重なり具合や個人の希望によります。