通訳のつらいこと、大変なこと、苦労

曖昧な日本語がもたらす大変さ

日本語は、世界のなかでも曖昧な表現が多い言語といわれます。

多少漠然とした言い回しであっても、日本国内であれば「文脈」や「その場の雰囲気」で相手が本当に伝えたい内容が伝わることが多いため、私たちがその曖昧さについてほとんど意識することはありません。

しかし、これが海外の国と国との外交であったり、企業同士の交渉取引であればどうでしょうか。

たとえば日本で話す感覚のように、「そこのところよろしくお願いします」「前向きに検討します」などと日本側が発言しても、「イエス」か「ノー」かで交渉ごとを明確に進める外国人相手には通用しないことがほとんどです。

結論はどうなのかを確認して通訳しなければ、双方の意見がますます食い違うことになってしまいます。

曖昧な日本語をどうやって通訳するのかについては、通訳が直面する大きな苦労のひとつになるといえるでしょう。

ビジネス通訳ならではの苦労

社内通訳として働く場合、あるいは通訳エージェントから派遣されて企業間の大きな取引の同行通訳として業務を行う場合、ちょっとしたニュアンスをうまく変換できなかったことで、その後の交渉がスムーズに進められなかったという失敗を耳にします。

また、双方の主張を忠実に通訳しようとして公平な立場を貫いたことで、雇用された会社側から「いったいどちらの立場に着いているのか」などと苦情をいわれてしまうこともありょうです。

通訳は単に、双方の言葉を翻訳すればいいというのではなく、両方のビジネス的な立場を踏まえながら上手にコミュニケーションが図れるよう気配りをしていくことも求められるのです。

こういったことは、さまざまな通訳の経験を積んで、ビジネス実務とは何かを肌で感じることで培われていくものでもあります。

とくに経験が浅いうちは数々の失敗を繰り返したり、壁にぶつかったりすることもあるでしょう。