英米文学科では何を学ぶ? 就職先にはどんなところがある?





英米文学の概要・理念

英米文学は外国文学の研究分野の1つで、イギリスやアメリカで生まれた英語で書かれた文学作品の研究や、それらが生み出された歴史的・文化的背景について研究する学問です。

小説だけでなく、詩や演劇、評論といった、さまざまな作品が研究対象となります。

日本においては夏目漱石や小泉八雲が紹介したのを契機に、日本各地の大学で英米文学が本格的に研究されるようになっていったという経緯があります。

呼称の似た学問に英語学がありますが、英語学が主に語学としての英語を研究するのに対して、英米文学では英語が使われた作品や時代について考察するのが特徴です。

文学作品は英語で書かれた原書で読むのが原則ですので、研究には語学力も欠かせない能力の1つとなっています。

また、近年ではグローバル化する社会に対応するため、英語によるコミュニケーション能力の養成も重視される傾向があり、英米文学の1分野としてコミュニケーションを扱うケースも増えています。

英米文学で学ぶこと

英米文学を読み解くためには英語力が必須となりますので、英文を読解するスキルや語彙を豊かにしていくためのトレーニングは欠かせません。

大学においては、1・2年次に徹底して英語の語学力を高めるための授業が行われます。

文学研究という面においては、固有の作品について研究する作品論と、特定の作家について研究する作家論に分かれます。

他にも、ある時代の英米文学を読み比べるといった、比較文学に近い手法で研究が進められることもあります。

研究対象となる文学作品は古典から現代文学まで幅広く、ときには自身の解釈を発表したりディスカッションを通じて意見を交換したりする場合もあります。

こうした研究を通して、英語が使われてきた地域の歴史や文化に対する理解を深めていきます。

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英米文学の大学での授業科目の例

英文学

イギリスの作家によって書かれた文学作品について、作品の精読と解釈を通して文化的・歴史的背景に迫ります。

米文学

英文学の影響を受けた作家が多いとされるアメリカの文学作品について、精読と解釈を通して作品世界を深く探求します。

英語学

英語の発音やアクセント(音声・音韻学)、品詞(形態論)、文法(統語論)について研究し、言語としての英語を分析していきます。

英語教育学

英語を教育・指導する場合の方法論や考え方について研究し、英語教育をより良いものにしていきます。

英米文学のレポート・テーマの例

英米文学のレポートテーマは、作品や作家に焦点を絞ったものから、文化的背景について考察するもの、英語の文法や発音に着目したものなど多岐にわたります。

レポートは英文で作成することが求められるケースも多々あることから、日本語で書く場合と英語で書く場合の両方の形式について知る必要があります。

  • A Study of William Wordsworth's Poems
  • A Study of Auxiliary Verbs
  • 英国中世における宗教と文学
  • カリブ海沿岸地域における植民地時代の文化の変化と語彙の変化
  • A Study of Grammar Instruction in English Classes

英米文学と関連する学問

英米文学作品を研究することを通じて、それらが書かれた社会的・歴史的背景に迫ることも研究の目的の1つとなりますので、社会学歴史学と関わる内容の研究を行うことがあります。

研究対象とする作家が特定の思想や信仰に傾倒した痕跡があれば、それらは研究する上で知っておくべき事柄ですので、哲学宗教学の知識が求められる場合もあります。

また、英語学では言語としての英語を分析していくことから、言語学の研究手法を用いることになります。

英米文学を学んで就職に有利な業界・仕事

通訳翻訳家、学校の英語科教諭といった職業であれば、英米文学を学んだ経験を存分に活かすことができるでしょう。

旅行や語学学校、マスコミといった業界においても、英語力を発揮して活躍することができるはずです。

しかし、英米文学の研究に携わってきた経験を活かせる仕事はそれだけではありません。

グローバル化が進む現代においては、海外の企業と取引したり、海外に拠点を置いてビジネスを展開したりする企業が増えています。

従業員や経営者が外国人である場合もありますので、英語が堪能であることで就職に有利になることこそあれ、不利になることはないと考えていいでしょう。

注意しておくべきこととして、ビジネスの場で必要とされる英会話力を持つ人は、英語系の学問を研究してきた人に限らず案外多くいるという点が挙げられます。

そのため、英語が得意であるという一点で就職に有利になるかと言えば、それだけでは難しいと言わざるを得ません。

英米文学を学んだことを通じて得た知見を活かし、豊かな人間性を育むことが求められていると言えるでしょう。

英米文学の知識は人生でどう役立つ?

ほんのひと昔前まで、国際社会を舞台に活躍する日本人は決して多くありませんでした。

しかし、社会がグローバル化している現代においては、日本人が英語に触れる機会は日常生活の中でも着実に増えつつあります。

国際語としてしばしば使われる英語に長けていることが、これからの社会を生きていく上で役立つ能力であることは疑う余地がないでしょう。

また、母国語以外の言語で書かれた文学作品を深く読み込み、そこに描かれている文化的背景や歴史的背景について考察した経験は、国際感覚を支える素地として大きな意味を持ちます。

英米文学の研究を通じて多角的なものの見方を身につけた経験は、これからの社会を生き抜いていくための重要な教養の1つとなるにちがいありません。

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