女性の市議会議員

「女性市議ゼロ」の議会

女性市議会議員(市議)は増加傾向にあるというものの、2015年現在、直近の統一地方選挙における女性の当選者は17の政令指定市議選でわずか178人(政令指定市議選当選者全体の17.4%)、295の一般の市議選で1103人程度(市議選当選者全体の16.1%)。

女性市議ゼロの議会も、まだ各地に存在しています。なぜ、女性市議は少ないのでしょうか。

立ちはだかる壁

女性市議が少ない理由としては、市民の意識や市議会の対応の遅れ、女性市議の社会経験不足や女性市議を育てる場の不足などが考えられます。

女性市議が産休で議会を欠席すると、市民から抗議の声が多数寄せられるといいます。

市議職と女性としての人生を両立させるという女性市議の生き方を受け入れていない市民もいるようです。

また、これまで多くの市議会では、出産を欠席規定に盛り込んでいませんでした。これでは女性市議は、出産を理由に議会を欠席しにくくなります。

市議会は、出産適齢期にある女性への配慮に欠けた職場といえそうです。こうした市民の意識や市議会の対応が、特に若い女性に市議職に就くことに二の足を踏ませていると考えられます。

さらに、女性市議には主婦が多く、政党に所属しない無所属議員が目立つ点も、女性市議が増えにくい要因になっています。

一般に、主婦市議は生活者目線に立てる強みがある一方で、組織の中で揉まれた経験が少ないため、人を束ねながら政策を実現していく能力が低いといわれます。

また、無所属の場合、先輩議員から議員ノウハウを学ぶ機会に恵まれないようです。これらのことから女性市議は政治家として伸び悩み、再選されないことが少なくありません。

このような理由が女性市議誕生を阻害してきたようですが、状況は変わりつつあります。

「それでも市議の仕事はワクワクする」

最近になって、市区議会規則の参考となる「標準市議会会議規則」が改正され、出産を議会の欠席理由とする規定が明記されることになりました。

ささやかですが、市議会が女性にとって出産・子育てをしやすい職場に近づいたわけです。また、女性議員が政策や選挙戦術を学び、議員仲間をつくるための勉強会があちこちで開かれるようになってきました。

母親でもある女性市議の多くは、家事や育児とのバランスがあるため、選挙運動などは限られた時間内で集中して行ったり、保育園の休園日には子どもを抱っこひもで背負って式典に参加したりするなど、時には思い切った行動で市議活動を続けています。

「苦労は多々ある。それでも、地域の困りごとを自らの手で改善する市議の仕事はワクワクする」と女性市議はいいます。多くの女性市議は地域社会を改善する醍醐味を糧に、道を切り開いているようです。