市議会議員の選挙費用・資金・供託金
目次
市議会議員の選挙費用
市議会議員選挙に出馬し、選挙戦を戦うにあたって、必要となるおもな費用項目は以下の通りです。
供託金
供託金とは、出馬する際に法務局に納めることが義務付けられている保証金のことです。
市議会議員選挙の場合、政令指定都市で50万円、それ以外の市では30万円です(令和3年度時点)。
なお、得票数が一定数(有効投票総数÷議員定数の1割)以上あれば、たとえ落選しても後日返還されますが、基準に満たない場合や、途中で立候補を取りやめた場合は没収となります(同年度時点)。
家賃
選挙期間中の本拠地となる選挙事務所の賃料や、演説会会場の利用料など
人件費
選挙事務所において来客対応やデスクワークを行う事務スタッフ、ウグイス嬢などの給料
水道光熱費
選挙事務所の電気代、水道代、ガス代
リース料
選挙事務所におけるデスク、椅子、会議机、棚、応接セット、食器類、パソコン、コピー機などのレンタル料
通信費
選挙事務所の電話代、インターネット料金、郵便物の切手代など
広告宣伝費
選挙ポスター、チラシ、はがき、のぼり、看板、たすきなどの作成・印刷費用
交通費
選挙運動で利用するタクシー代、バス代、電車代、レンタカー代、ガソリン代など
備品・消耗品費
ノート、筆記用具、コピー用紙、手袋、ガムテープ、ゴミ袋、お茶パックなど
その他雑費
スタッフの弁当代、被服費、宿泊費用など
市議会議員選挙にはいくら資金を用意したらいい?
それでは、上記のような費用項目を考慮したうえで、選挙資金として総額いくらくらいのお金が必要になるのでしょうか。
選挙区内における人口や面積、選挙戦略によっても変わりますが、一般的にはおよそ200万円~800万円くらいとされています。
ただし、これはあくまで相場にすぎず、実際にはこれより少ないお金で当選した人もいます。
年齢の若い市議については、100万円ほどの資金で戦うケースもよく見られます。
手元資金に余裕がない場合、たとえば選挙事務所を自宅にしたり、看板を手作りしたり、友人や家族にスタッフとして手伝ってもらうなどして、必要経費を抑えることも可能です。
さらに、得票数などの条件をクリアすれば、選挙費用のうち事前に届出のあったものについては、一部「公費負担」とすることもできます。
本気で市政に携わりたいなら、選挙資金不足くらいは知恵と工夫でカバーしたいところです。
市議会議員の資金調達方法
新人として出馬する場合の資金調達方法
新しく市議会議員になろうと立候補する人については、現在就いている仕事で得られる収入の一部を貯蓄にまわし、必要金額に達したところで出馬するケースが一般的です。
仮に100万円を目標金額に設定した場合、月に3万円ずつ選挙資金として貯蓄すれば約3年で出馬できる計算になります。
学生からするとかなりハードルが高い金額に感じられるかもしれませんが、新卒で正規雇用として真面目に勤めれば、20代で出馬することも十分に可能です。
現職として出馬する場合の資金調達方法
市議会議員は、法的には「特別職地方公務員」というものに該当し、一般的な公務員とは違って副業が禁止されていません。
このため、市議会議員のなかには、市議のかたわら副業を営んでいる人も大勢います。
市議の多くは、この副業によって4年に1度の選挙に必要な資金を用意しているようです。
具体的な副業の種類については、会社経営をはじめ、薬局や米穀店、土建屋などの自営業、司法書士や行政書士、土地家屋調査士などの士業事務所経営といったものが挙げられます。
市議会議員の議員報酬は決して潤沢とはいえず、自治体によっては月20万円を切っているところすらあります。
副業のあてが何もない場合、新人のときはまだしも、再選のときにお金集めに苦労する可能性はかなり高いかもしれません。
将来的に市議を目指すなら、学生の間に使えそうな国家資格取得に励むなど、何らかの準備をしておくことをおすすめします。