女性の市議会議員のキャリアパス・結婚後の生活

女性の市議会議員の現状

全国市議会議長会の統計によれば、市議会議員の直近の女性割合は16.8%と発表されています。

同調査による市議会の平均議席数は24.1席ですので、1市あたり女性市議はわずか4人しかいないという計算になります。

実際の各市議会をみても、政令指定都市ですら女性は2~3人しかいないところもあり、地方議会では女性ゼロ、全員男性というところも散見されます。

市議会議員は、女性の社会進出が進む現代においても、非常に女性の少ない職業といえます。

ただ、これでも一昔前に比べれば改善されたほうであり、ほんの10年前までは女性比率は10%を切る水準でした。

依然として圧倒的に男性優位であるものの、徐々に増えつつあるのが女性市議を取り巻く現状といえるでしょう。

女性の市議会議員の強み・弱み

女性市議の強みは、なんといっても女性の目線に立って市政を行えることです。

女性市議は2割弱しかいませんが、当然ながら世間の男女比は半々です。

市民全体の暮らしをよくしていくためには、男性だけではなく、女性がどんな問題や悩みを抱え、行政に何を望んでいるのか、きちんと正確につかまなくてはなりません。

それができるのは、やはり男性市議ではなく、同性である女性市議です。

きちんと女性の立場を理解した主義主張を掲げて政治活動を行えば、選挙でも支持を得られるでしょう。

反対に、女性市議の弱みとしては、男女比をみてもわかるように市議がきわめて「男性社会」であり、女性であるがゆえに苦労するケースが多いということです。

市議のなかには女性であるというだけで高圧的に出てくる人もいますし、会食などの夜のお付き合いのなかでハラスメント行為を受けることも少なくないようです。

市議のみならず一般市民のなかにも、同様の旧態依然とした考えをもっている人はいます。

そういった古い慣習や古い常識にとらわれた人たちの存在こそ、女性市議の前に立ちはだかる「最大の壁」なのかもしれません。

結婚後の働き方

市議会議員は非常に多忙な職業であり、休みという休みもほとんどなく、朝から晩までさまざまな業務に追われます。

どうしても生活は仕事中心となり、プライベートにさくことのできる時間は限られています。

このため、結婚後も同じように働き続けるためには、配偶者の理解を得ることはもちろん、家事などさまざまな面でサポートしてもらうことが必要になります。

ただ、配偶者も忙しい仕事に就いている場合は、ゆっくりと会話する機会さえなかなか取れず、すれ違いのような生活になるかもしれません。

市民のために走り回ることが求められる政治家は、ある程度ワークライフバランスを犠牲にすることも覚悟しなければならない職業のひとつです。

市議会議員は子育てしながら働ける?

これまで、市議会の欠席規定には出産や育児に関する要件がなかったため、市議の仕事と育児を両立させることはきわめて困難でした。

出産を間近に控えた状態でも欠席を許可してもらえない市議もいました。

しかし、2021年に地方議会の「標準会議規則」が改定され、産前6週間、産後8週間の休暇が認められるようになりました。

とはいえ、制度の有無にかかわらず、女性市議として活動しながら子育てするのはものすごく大変です。

保育所の利用、親族の手助けなど、サポートを受けられる環境が整っていることが不可欠となるでしょう。

市議会議員は女性が一生働ける仕事?

市議会議員は一般的な職業とは違って定年がありませんので、意欲さえあれば何歳になっても働くことができます。

女性市議の年齢構成をみても高齢に偏っています。

「地域の困りごとを自分の手で解決する」という市議の仕事はやりがいに溢れており、女性が一生働ける仕事であることは間違いありません。

問題はむしろ、若いうちからキャリアをスタートさせることが難しい点にあります。

その背景には、上述のように出産・育児と両立させるハードルが非常に高いということも大きく影響しているでしょう。

真の意味で「一生働ける」というには、女性市議が働きやすいように環境を整えていかなければなりません。

政府もこの問題は重々承知しており、「政治分野における男女共同参画の推進」という法律を制定して、強力に女性政治家を後押ししています。

環境整備が進むにつれて、これから徐々に若い世代の女性市議の活躍が目立つようになっていくと思われます。