料理研究家のつらいこと、大変なこと、苦労

「おいしい」の基準は人それぞれ

料理研究家にとって「多くの人においしい料理を食べてもらいたい」という気持ちは、大切な原動力となっています。

しかし、「おいしい」の基準は数値で測れるようなものではなく、人によって大きく異なるものです。

同じ味つけの料理でも、出身地や育った環境によって「濃い」と感じるか「普通」と感じるか「薄い」と感じるかは変わります。

ある人にとっては最高においしい料理であっても、ある人にとっては二度と食べたくないと思うような料理になることもあります。

料理研究家が努力を重ねて長年の研究の末にたどりついたレシピが、万人に受け入れられるとは限らないのです。

大切な手料理の味を他人から否定されることのショックの大きさは、主婦であろうと料理研究家であろうと同じこと。

自信をもって作り出した料理なのに、試食した人から「味付けが濃い」「おいしくない」「個性がない」など、辛辣な意見をもらい、悔しさや悲しさに涙することもあるそうです。

しかし、そこであきらめるわけにはいきません。

失敗した経験をバネにして、一人でも多くの人に「おいしい」と感じてもらえる料理にするために味の世界に挑戦し続ける勇気が必要なのです。

アイディアを求めて試行錯誤

世の中にはさまざまなジャンルの料理がありますが、和食にしても洋食にしても中華料理にしても、今までにたくさんの人がおいしいレシピを求めて研究を進めてきました。

料理人や料理研究家のように料理を仕事にしている人だけではなく、毎日食事を作る主婦や料理が趣味だという学生まで、さまざまな立場の人たちが新しいレシピを作り出すために日々試行錯誤しているのです。

そんななかで、まだ他の誰も実践していないような画期的なレシピを生み出すことは決して簡単なことではありません。

料理研究家は誰もが「別格の美味しさの料理」や「見た目がとても美しい料理」、「革命的に手順が楽になる料理」「今までのレシピの何倍も栄養がとれる料理」の発見を求めていますが、実際にそれを見つけ出すことができるのは非常にハードルの高いことだといって間違いないでしょう。

その名の通り「研究者」なわけですから、通常の学問を学ぶ研究者と同じ「生みの苦しみ」を背負っているのです。

考えても考えても思い浮かばない、作っても作っても思い通りにできない…という葛藤のなかでキッチンに立ち続ける覚悟がなければ、料理研究家の仕事は務まらないでしょう。