料理研究家になるには

料理研究家になるまでの道のり

料理研究家のなかには、もともと調理師や栄養士だったという人もいれば、タレントや主婦だった人、調理師の専門学校を出てそのまま料理研究家として活動を始める人もいます。

料理研究家に特別な資格は必要なく、名乗ることは誰でもできますが、実際に料理研究家として仕事をしていくためには、実力が必要です。

多くの人は調理師の専門学校に行ったり、飲食店で調理の仕事に携わったりして現場で勉強をします。

実際に現場で働けば、調理師の資格を取得することもでき、長い目で見ると決して無駄にならない経験となるでしょう。

また、調理の実力にはすでに自信があるという人の場合、料理研究家のもとに弟子入りして勉強するという方法もあります。

アシスタントの募集はそれほど多くありませんが、粘り強く熱意を伝えて雇ってもらい、補佐業務をしながらスキルや人脈を身につけていくと良いでしょう。

料理研究家の資格・難易度

「調理師」や「栄養士」は国家試験に合格しなければ就くことのできない職業であり、免許がない人がこの肩書きを名乗ることはできません。

これに対して「料理研究家」は、料理を独自に研究している人のことを指し、特定の学歴や資格を必要とするものではありません。

極端な言い方をすれば、名刺を作って名乗りさえすれば、いつでも誰でも料理研究家になることができるのです。

料理研究家を目指す人におすすめの資格は?

料理研究家になるための学校の種類

調理の専門学校

調理を学ぶ学校の王道とも言えるのが、調理師専門学校です。

調理科学や栄養学などの座学はもちろんのこと包丁を握って行う調理実習まで幅広い授業を受けることができ、卒業する際に調理師の免許を取得することができます。

調理に関する基本的な知識や技術を身につけることができますし、調理師の免許があれば飲食店で働けるようになるので、将来の選択肢を増やす意味でも大きなメリットがあるといえるでしょう。

栄養の専門学校・大学

栄養士を目指す専門学校や大学に行く人も多いです。

調理の基礎や食材ひとつひとつにどのような栄養価があるのかを学び、栄養価を計算しながらレシピを作っていきます。

栄養士の場合は、上級資格に位置づけられる「管理栄養士」の免許もあり、管理栄養士の試験は難関だということで知られています。

そのぶん、この免許を取得していると、病院や介護施設、レストランや食品メーカーなど、さまざまな就職の可能性があるでしょう。

料理研究家として活躍する際も、「ヘルシーレシピ」「減塩レシピ」など、栄養の知識をいかしたアプローチができるので、おおいに役に立てることができるでしょう。

民間スクール

民間スクールのなかにも、フード関係の講座を設けているところがあります。

食の知識を総合的に身につけていることを証明する資格である「フードコーディネーター」や「フードアナリスト」、「野菜ソムリエ」「和食マイスター」のような専門の資格を取得するスクールです。

このようなスクールは数ヶ月かけてテキストや講習を受けながら資格試験のための知識を身につけていきます。

「野菜ソムリエ」の資格をいかして「野菜レシピ」の本を出版したり、「和食マイスター」の資格をいかして「和食のコツ」を伝授する料理教室を開いたりと、資格取得により活動の幅が広がるでしょう。

独学で学ぶ道も

その他の道として、独学で勉強する方法もあります。

独学というと大変そうに思えるかもしれませんが、主婦歴が長い人は、毎日朝から晩まで調理を続けていることも珍しくなく、相当数のレシピを身につけることができるものです。

料理研究家のなかには、もともと主婦をしていて、子育てが落ち着いた頃に華々しくデビューするような人も少なくありません。

料理研究家のキャリアプラン・キャリアパス

アシスタントになる

アシスタントになるには

料理研究家としてのキャリアをはじめるには、もともと活動している料理研究家のアシスタントになる方法があります。

料理研究家のアシスタントの求人は、インターネットを中心に情報を見つけることができ、料理研究家が自身のブログやホームページにアシスタントの募集情報を出すこともあります。

たいていの場合は、人脈をたどって信頼できる人をアシスタントに雇い入れるため、アシスタントの求人は非常に少ないですし、待遇も恵まれているとは限りません。

時給800円から1000円ほどで長時間働くこともありますし、仕事の内容も雑務中心になることが多く、大変なことも多いでしょう。

「どうしてもこの料理研究家のアシスタントになりたい」という目標がある人の場合は、思い切って個人事務所等に問い合わせをしてみるというのもひとつの方法です。

この業界は自分から行動しなければチャンスを掴むことができないので、とにかく行動あるのみです。

アシスタントの仕事内容

新入りのアシスタントに任されるのは、買い出しです。

レシピを考案するためにさまざまな料理を試作するときには大量の食材を使うので、米から野菜、肉、果物、調味料など、指示された通りにあらゆる食材を買い集めます。

ときにはスーパーまで何往復もすることもありますし、肉屋や魚屋などいくつもの商店をはしごすることもあります。

また、下ごしらえや片付けの手伝いをすることも多いです。

野菜の皮をむいたり、切ったり、洗ったり、簡単に火を通しておいたり、調理器具を洗ったりという作業です。

実力がついて信頼されるようになったら、焼いたり煮込んだりという調理そのものの作業にも携われるようになりますが、このような肝心な作業を任されるまでに何年もかかることも珍しくありません。

アシスタントの待遇

料理研究家のアシスタントは、師匠となる料理研究家に雇用されます。

正社員になるのは難しく、アルバイトやパート扱いで時給800円から1500円ほどで仕事をすることも珍しくありません。

アシスタント歴が長くなれば時給が上がることもありますが、それほど高給にはならないのが一般的です。

料理研究家としての求人

一人前の料理研究家として自分の名前で仕事がしたい、と願う人はたくさんいます。

しかし、料理研究家の仕事というのは、一般的な求人情報誌に求人の案内が掲載されているようなものではありません。

テレビの出演の仕事にせよ、料理本の執筆にせよ、知人や同僚がつないでくれたご縁から声がかかったり、地道に活動していたのがメディア関係者の目に留まったりすることからはじまります。

本人の努力はもちろんのこと「運」や「縁」も大切な世界で、とにかくたくさんの人と出会い、そのつながりを大切にしながら、チャンスをしっかり自分のものにする積極的な姿勢が必要となるでしょう。

最近ではインターネットで自分のレシピを発信する人も増えましたし、料理のレシピを投稿して評価しあうようなアプリも人気を集めています。

たとえ一般人であっても、思いがけない形で自分のレシピが注目を集めて、料理研究家としてデビューすることになる可能性もゼロではありません。

料理研究家は、たくさんの求人募集が出ているような職業ではありませんが、目の前のチャンスを大切にして道が開けるのを待てば、大きなチャンスが訪れるかもしれません。

男性でも料理研究家になれる?

増えつつある男性の料理研究家

かつての日本では、「男性は台所に立つべきではない」という考え方が根付いており、料理は女性が担当することが当たり前の社会でした。

そのため長年、料理研究家や料理教室の先生も圧倒的に女性が多かったのです。

しかし、最近では男性が料理をするということが決して珍しくなくなり、人気のある男性タレントや俳優が料理番組を担当する機会も増えてきました。

こうした流れのなかで、男性の料理研究家は年々増えてきています。

料理の世界では料理さえおいしければ作った人が男性であるか女性であるかは関係ないので、待遇の面で男女の違いが出るということはありません。

同じ男性としての目線をいかして、男の手料理のためのレシピをどんどん開発することで、男性から大きな支持を集めることができるかもしれません。

料理研究家はまだまだ男性が少ないという現状はありますが、今後はさらに男性の活躍が期待されています。

男性の料理研究家

土井善晴

家庭料理の第一人者である料理研究家、土井勝の息子で、フランス料理、日本料理を専門としています。

「一汁一菜」を提案し、家庭料理の本質を伝えるとともに、現代にあった簡単な料理方法や新しいレシピを提案し、絶大な人気を誇っています。

きじまりゅうた

祖母は料理研究家の村上昭子、母は同じく料理研究家の杵島直美と、料理研究家の家庭に育った経験をいかしたレシピを提案しています。

男性にも手軽に作れる料理や男性に人気のレシピで支持を集め、いま注目を集める料理研究家です。

コウケンテツ

在日韓国人二世の料理研究家で、母の料理アシスタントを経て独立しました。

幅広いジャンルの料理に精通しているだけでなく、世界を旅しさまざまな味を紹介するなど、多くのメディアで活躍しています。

料理研究家への転職

料理研究家は資格や学歴が求められる仕事ではないため、誰でもこの職業に就くチャンスがあるといえるでしょう。

ただし、卓越した料理の腕や他の人には考えられないような斬新なレシピを作りだす才能がなければ、この仕事は務まりません。

「調理に携わってきた経験がある」「栄養学の勉強をしていた」「調理科学に精通している」など、何かしら料理の研究をするうえで役に立つ経験や知識があると有利でしょう。

あるいは「主婦で時短料理が得意」「親の介護をして介護食づくりの経験がある」「子どものお弁当作りでキャラ弁のテクニックを身に付けた」というような、実践経験でもよいのです。

とにかくこの世界は実力主義で、料理研究家自身のキャラクターや経歴も大切です。

どうやって自分のレシピを多くの人に広めていくのか、プロデュース力を養うことが大切です。