土地家屋調査士のやりがい・楽しさ・魅力

土地家屋調査士のやりがい・楽しさ

自分の仕事が後世に残る

土地家屋調査士にとっての大きなやりがいは、自身の手掛けた仕事が、誰の目にも見えるかたちで残るということです。

土地家屋調査士しか作成することのできない不動産の「表題登記」は、やがてその建物が役目を終えて取り壊され、謄本を閉鎖する「滅失登記」が行われる日まで、長きにわたって法務局で閲覧され続けます。

さらに、建物の図面や土地の測量図、境界確定図などには「土地家屋調査士〇〇」という記名がなされ、作成者の名前が残ります。

それらは、短くても数十年、長ければ100年を超えることも珍しくなく、土地家屋調査士本人が亡くなった後世にまで残ることもあります。

それだけに、土地家屋調査士は、非常に重い責任をもった仕事といえますが、同時に大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。

ややおおげさな表現かもしれませんが、「自分がたしかにこの世に存在した証」を残せる、数少ない職業のひとつといえるでしょう。

困っている人の役に立てる

土地家屋調査士というと、測量作業をはじめ、どちらかというと事務的な仕事というイメージが強いかもしれませんが、困っている人の役に立つこともできる職業です。

私たちの大事な財産のひとつである土地は、資産価値が高いにも関わらず、その境界ははっきりと目に見えるものではなく、隣人同士で争いになるケースも少なくありません。

そんなとき、土地家屋調査士が当事者の間に入り、客観的に境界を特定することで、トラブルを解決することができます。

また、どうしてもお互いの主張が食う違う場合であっても、裁判という最終手段に出る前に、ADR(裁判外紛争解決手続)の仲裁人として、事態の収拾に努めることもできます。

そうした業務は、プロセスを一歩間違うだけで深刻なトラブルに発展することもあり、非常にシビアな仕事といえますが、無事に問題を解決できたときには大きな達成感が得られるでしょう。

また、地震や津波、洪水などの大規模自然災害が起きて、境界がめちゃくちゃになってしまった際には、土地家屋調査士が境界を復元させ、各人の土地を確定させることで、復興の足掛かりとなることができます。

困難な状況にある人を助けられるということも、土地家屋調査士にとってのやりがいのひとつです。

土地家屋調査士の仕事内容

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土地家屋調査士の魅力

地域密着で働ける

土地家屋調査士は、登記情報を取り扱う法務局と密接な関係にありますが、その法務局の管轄が地域ごとに分かれていることもあって、土地家屋調査士の大半は、ある程度エリアを限定して働きます。

このため、たとえば自身の地元など、各地域に密着して働ける点が土地家屋調査士の魅力です。

基本的に長距離の移動や出張などはないため、日々の労働時間は安定的であり、子育てや介護といった家庭生活とも両立させやすいでしょう。

また、長く仕事を続けていくなかで、一般の住民や業者、行政の担当者、行政書士司法書士といった他士業資格者など数多くの知り合いが増えて、人間関係も豊かになりやすいといえます。

そうした横のつながりが、安定的に依頼を獲得するのに役に立つケースも多いでしょう。

生まれ育った街に恩返しがしたい、あるいは家族関係や友人関係を大事にしたいという「地元愛」が強い人にとって、土地家屋調査士はうってつけの職業といえます。

外勤と内勤のバランスがよい

土地家屋調査士は、測量作業や物件調査など屋外で行う仕事もあれば、CADを用いた製図作業や法務局への申請書類作成など、屋内で行う仕事もあります。

それら一連の作業は、規模の大きな物件を除けば、最初から最後まで1人で手掛けるケースが一般的であり、土地家屋調査士は、外勤と内勤のバランスが良い点が魅力です。

どれだけ仕事が好きでも、毎日ずっと事務所にこもってのデスクワークばかりでは、気が滅入ってしまうこともあるかもしれません。

反対に、毎日太陽の下でのフィールドワークばかりでは、体力的な負担が大きいかもしれません。

世の中には、どちらか一方だけの職業も数多くありますが、どちらもバランスよく行える土地家屋調査士は、気分転換しやすく、またモチベーションも保ちやすい職業といえるでしょう。