小学校教師に向いている人の特徴・性格とは? 適性や必要なスキルを解説

子どもの成長や人間形成の時期に深く関わっていく教師には、子どもに対する愛情や包容力など、さまざまなものが求められます。

教育者として、物事をわかりやすく教えることが好きかどうかも大事なスキルのひとつです。

ここでは、小学校教師に向いている人の特徴や性格、適性などについて詳しく解説します。

小学校教師に向いている性格・適性

小学校教師に向いている人

子どもに愛情深く接することができる人

小学校に通う子どもたちは、幼児から思春期へとつながっていく大事な成長段階にあります。

そんな子どもたちの健やかな成長のためには、保護者はもちろん、小学校教師の関わり方も非常に大事になってきます。

中学校や高校の教師に比べると、小学校教師は子どもたちの生活指導にかける業務の比重が大きく、お箸の使い方、洋服のたたみ方、掃除の仕方を指導するなど、ときに保護者的な役割も担います。

低学年であればあるほど、子どもたちは失敗も多く、見守る姿勢が必要になり、面倒見のよさが求められます。

愛情深く、包容力をもって子どもと接することができるかどうかは、小学校教師には欠かせない資質のひとつです。

なお、小学校教師はクラス担任として学級を任せられますが、クラスに1人や2人は、問題行動を起こしてしまう子や、大きく手がかかる子がいるものです。

そのときに「この子のせいで」「この子がいなければ楽なのに」と思ってしまうと、その子のもつ良い性格・抱えている問題点も見えなくなります。

だからこそ、小学校教師はどんな子どもにも深い愛情を注げる性格をもつ人が向いています。

教えることが好きな人

小学校教師の仕事は学習指導にしろ、生活指導にしろ、教えることの連続です。

人に教えてわかってもらえたときに、自分のことのように喜べるタイプは小学校教師に向いています。

小学校教師はほぼすべての科目を一人で教えるために、その下準備は大変です。

子どもたちに理解してもらうため、また、その科目に興味をもってもらうために、教え方の工夫は欠かせません。

勉強を嫌いになってしまうと、子どもたちの学校生活も楽しくはなくなってしまいます。

子どもたちの目線にあわせ、「勉強は楽しいものだ」と感じさせる教え方ができる人が、小学校教師に向いています。

道徳的でモラルがある人

小学校教師は、子どもたちと長い時間を共にし、影響を与える存在です。

教師は人を育てる仕事であり、人生の先輩として子どもたちにさまざまなことを教えていきます。

とくに小学校は人間形成の時期で、子どもたちは学習以外に友人との付き合い方や言葉遣い、協調性を学びます。

しかし、最近はSNSが子どもに浸透し、そこから発生するいじめやプライバシーの問題、犯罪などが教育現場で課題となっています。

子どもたちが正しい道徳心・モラルを持てるよう導くために、自分自身、人間として何が大切かを考えられる人である必要があります。

小学校教師になるには・必要な資格や免許は?

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小学校教師に必要なスキル・能力

 

学問知識・指導力

小学校教師は、子どもたちに教える教科について正しい専門知識が必要です。

間違ったまま、曖昧な言葉で教えると、子どもたちがその後の学習でつまづいてしまうかもしれません。

単に教科書に書いてあることをなぞって教えるだけでは、子どもたちは興味を示さないこともあります。

そのため、知識をよりわかりやすく教えることができる「指導力」は必要不可欠です。

勉強がおもしろいと感じるような授業を行うことができれば、子どもたちはその科目が好きになり、自分で自然と学習するようになります。

すると自然に成績が上がり、保護者や子どもたちからの信頼につながり、生活指導などもしやすくなるメリットもあります。

あらゆる人と協調できるコミュニケーション能力

教師にとって、最も大切なスキルは「コミュニケーション力」ともいわれます。

小学校では子どもたちだけでなく、保護者や地域の方との関わりも多く、日々たくさんの人たちとのコミュニケーションを通じて信頼関係を構築しなくてはなりません。

会話のキャッチボールができない教師、頭ごなしに話をする教師、しゃべらず何を考えているかわからない教師は、周囲の人にも威圧感・不安を与えます。

そして、そのような会話の仕方自体が、保護者のクレームの対象になることもあります。

「コミュニケーション能力」というと話すだけと思われがちですが、表情や身振りから悲しみや喜びなど、ちょっとしたニュアンスを感じ取る力も大切です。

それがまったくできないと、些細な子どもの変化を察知して、子どもの安全を確保することが難しくなります。

現代はいじめなどのトラブルが深刻化・複雑化していることもあり、複数の保護者や、時には外部の機関と連携・協調して問題に取り組む必要があります。

その橋渡し役となる教師にとって、コミュニケーション力はますます欠かせないスキルとなるでしょう。

広い視野・観察力

小学校教師は原則、クラス担任として30人~40人の学級を受け持ちます。

そのなかで、担任するクラス全体にいじめなどの問題が起きてないかを観察しなくてはなりません。

そして、子どもたち一人ひとりを観察し、様子が変わった子どもはいないかと見極めることが日々求められます。

子どもたちが言葉にせずとも、髪形や服装などに変化があれば、何か問題を抱えていることもあります。

いち早くクラスの変化に気が付くことで、問題の早期解決が図れたり、未然にトラブルを防いだりすることも可能です。

また、学校という狭いコミュニティーの中で児童にのびのびと成長してもらうには、広い視野で物事を捉えて児童に指導することが必要です。

マルチタスク能力

 
小学校に通う児童はまだまだ人間的に未熟で協調性も身についていません。

また、危険察知能力も乏しいため、怪我につながる危ない場面もあります。

受け持ちクラスでは様々な問題が同時多発的に起こり、子どもたちは次々に先生に話しかけてきます。

小学校教師は、これらすべてのことを聞き分けて、優先順位をつけた上ですべてに対処していく必要があります。

小学校教師の仕事量は膨大で、仕事をしていても生徒の対応や、保護者からの電話などで中断されることもあります。

ぱっと次の仕事に切り替えられるマルチタスク能力があれば、仕事をスムーズにこなせるでしょう。

小学校教師に向いていないのはどんな人?

 

メンタルが弱い人

小学校教師は保護者との関わりも深く、時にクレームを受けることもあります。

最近は「モンスターペアレント」といわれるような難しい保護者もいて、暴言や理不尽な要求に苦しむ教師もいます。

また、どんなに頑張っても熱意が空回りし、学級運営・授業が上手にすすまないこともあります。

メンタルが弱い場合、精神的に追いつめられ、退職してしまうことも多いようです。

とはいえ、メンタルが強すぎても、子どもたちや保護者に何を言われても平気で問題を放置してしまうかもしれません。

また、メンタルが強いゆえに子どもたちの悩みや苦しみに根性論や精神論で立ち向かうタイプの教師も、問題になる可能性があります。

もし、現時点で自分はメンタルが弱いと感じていても、それゆえに子どもや保護者の心情を理解しやすいという強みに変えることもできるかもしれません。

メンタルが弱いと自覚する人は、割り切る力を意識的に身につけるようにしましょう。

また、問題を一人で抱え込まずに誰かに相談するという頼る力も大切です。

公私をきっちり分けたい人

小学校教師は授業の下準備などで、自主的に残業する人が多いです。

また休憩時間も規定にはありますが、実際の現場ではほとんどとれないのが実情です。

休憩をしっかりとりたい、定時でさくっと帰りたいというタイプの人は、きつくなるかもしれません。

また、小学校教師は学校の外でも「先生」であることを求められ、休日でも教え子に会ったら教師の顔にならなくてはいけません。

普段の平日は有給も取りにくいですが、長期休み中はまとめて有給をとりやすいため、海外旅行にいくなど、自分のなかで折り合いをつけていく必要がありそうです。

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小学校教師に向いている人の特徴・性格のまとめ

小学校教師は、発達段階にある子どもたちにとって大きな影響を与える存在です。

子どもの健やかな成長のために、愛情と包容力をもって、子どもと根気強く向き合うことが求められます。

子どもはもちろんですが、保護者や地域の人たちとの関わりも多いため、どんな人とも上手にコミュニケーションをとっていくスキルも必要です。

業務量が多く、仕事とプライベートが切り替えづらい仕事でもあるため、心身共にタフさが求められると考えておきましょう。