女性の司書のキャリアパス・結婚後の生活

女性の司書の現状

現在、図書館司書として働いている人の男女比は、圧倒的に女性のほうが多いといわれています。

司書の募集自体は男女を問わず行われていますし、仕事内容や待遇に差があるわけではないのですが、正規雇用が少なくてフルタイムで安定的に働くのが難しい職種であることから、男性が敬遠する方向にあると考えられています。

女性の司書として働いている人の雇用形態はさまざまです。

一部の人は地方公務員採用試験をパスして正規雇用で公立図書館で働いていますが、それ以外の非正規雇用(臨時職員、派遣社員、アルバイト、パートなど)で働いている人のほうが多いのが現状です。

非正規雇用で働く女性の中には、夫の扶養に入りながら週に何日かパートで働いている人もいます。

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女性の司書の強み・弱み

女性の司書の強み

図書館の業務には、利用者の要求にきめ細やかに応えられる人、蔵書管理などの作業が正確かつ丁寧に進められる人が求められます。

一般的には、女性は男性に比べるとこのような細やかな気配りが求められる仕事が得意な人が多いので、そういった意味では司書は女性に向いている職業といえるでしょう。

女性の司書の弱み

一方で女性の司書ならではの大変さもあります。

資料を運んだり本を整理したりする際には重い荷物を持つことがあり、意外と力仕事が多いのが現状です。

非正規職員として働く場合に限っては、このような肉体労働をこなしても時給はスーパーなどのレジ業務とあまり変わらないので、業務のハードさに対して給料が見合わないと感じる人もいるでしょう。

もうひとつ。

図書館は働いている人の多くが女性、という職場になりがちなので、人間関係に気を使うという難しさもあるかもしれません。

司書の結婚後の働き方・雇用形態

現在、家事や育児をしながら、図書館で業務に携わっている女性の司書は大勢います。

というよりも、彼女たちが日本の図書館運営を支えているといっても過言ではないでしょう。

公立図書館では、公務員試験に合格し、司書職として正規採用された女性が結婚・出産後も図書業務に当たっています。

また、嘱託やパートなどの雇用形態であれば、所得税や住民税を支払わなければならない、いわゆる「年収103万円の壁」を越えることなく働けます。

さらに正規採用でなければ、司書資格不問という募集もあります。

女性の社会進出が増加しているとはいえ、結婚や子育てによって独身時代と異なるワークスタイルを選択しなければならない人が多いのも現実です。

結婚前の職種が司書とはまったく関係のない場合でも、「第二の職場」として図書館を選ぶ女性は少なくありません。

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司書は子育てしながら働ける?

調整しにくいスケジュール

それでは、司書は子育てをしながら働きやすい仕事なのでしょうか。

これに関しては職場や勤務形態によるというべきでしょう。

たとえば、一日のスケジュールがきっちり決まっている図書館で働くのは大変です。

何時から何時まではカウンターでの貸出・返却業務、何時からは書架の整理、終わり次第すぐに傷んだ書籍の修繕など、細かくスケジュールが決まっている場合は、自分の都合を勤務スケジュールに反映させにくいのです。

子どもの体調不良などに臨機応変に対応することは難しいでしょう。

休日出勤への対応

公立図書館や規模の大きい大学図書館だと、土・日曜日も開館しているため、休日出勤をしなければいけないこともあります。

乳幼児や幼稚園くらいの子どもは週末を母親と一緒に過ごしたがりますし、小・中学生になると部活動の練習や試合があって、保護者は給水の手伝いなどで子どもとともに出かけなければならないこともあるので、子どもがいる人にとっては働きにくさを感じることでしょう。

公立学校の図書館であれば、ほぼ土・日は休みですが、生徒の長期休暇中は仕事がありません。

また、契約も年次更新なので、年度末には新しい希望者と一緒に選考し直されます。

公立図書館も、毎年、契約を更新するシステムを採用しているところが多いため、「安定」は保証はされません。

子育て中の女性が、安定を求めながらも流動的なスケジュールで働く職場としては少し難しいかもしれません。