【2022年版】農家の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説
日本人全体の平均年収は約420万円となっているので、一般的な職業よりも高めであるといえます。
しかし、農家の収入は自然や気候で左右される部分が大きいのも事実です。
ここでは、農家の収入について解説していきます。
また、収入を安定させるためにはどうしたらいいのかについても述べていきます。
目次
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農家の平均年収・給料の統計データ
農家の年収は
- 専業農家か兼業農家かといった農業にかける費用と時間
- 独立した自営就農なのか雇用就農なのかといった勤務形態
- 個別経営か組織経営かといった経営規模
- 育てる品目
によって大きく異なるため、平均を出すのが難しいのが現状です。
農家の平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和3年度賃金構造基本統計調査によると、農家(農林漁業従事者)の平均年収は46.6歳で344万円ほどとなっています。
・平均年齢: 46.6歳
・勤続年数:10.2年
・労働時間/月: 170時間/月
・超過労働: 8時間/月
・月額給与: 257,500円
・年間賞与: 351,200円
・平均年収:3,441,200円
出典:厚生労働省「令和3年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
農業経営統計調査
農林水産省が発表している令和二年農業経営統計調査によると、全農業経営体1経営体当たりの農業経営収支は、農業粗収益が992.3万円、農業経営費が869.0万円です。この結果、農業所得は123.3万円となります。
また、個人経営の農家1経営体当たりの農業経営収支は、農業粗収益が1993.6万円、農業経営費が1578.2万円で、農業所得は415.4万円となった。
全農業経営体の1経営体あたりの農業所得を営農類型別に比較してみると、令和二年の年間農業所得は下記のようになります。
・畑作:172万円
・露地野菜作:206万円
・施設野菜作:387万円
・果樹作:203万円
・露地花き作:197万円
・施設花き作:222万円
・酪農:774万円
・肉用肥育牛:△213万円
・肉用繁殖牛:193万円
・養豚:2501万円
・ブロイラー養鶏:716万円
すべて粗収益から農業経営費を引いた差額の農業所得であり、全国の平均値です。
同じ作物でも地域による違いがかなりみられるほか、組織経営であればその金額も異なってくるため、所得は個別に変わってきます。
求人サービス各社の統計データ
職業・出典 | 平均年収 | 年収詳細 |
農家(専業・兼業) (給料バンク) |
466万円~613万円 | 20代の給料:38万円 |
30代の給料:38万円 | ||
40代の給料:38万円 | ||
初任給:14~万円 | ||
農作業 (Indeed) |
2,889,211円 | 時給1,015円 |
日給12,668円 | ||
月給204,561円 |
農家の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
統計データをもとに算出すると、農家の平均年収は350万円前後となると思われます。
ボーナスを考えない場合、月額総支給額は25万円ほどと考えられます。
現在、日本人全体の平均年収が約420万円と言われていることから考えると、一般的な職業よりも給与水準は低めとなっています。
個人経営の場合は給料制ではないため、ボーナスはありませんが、収入がそのまま手取りの金額となります。
農家の初任給はどれくらい?
農家の初任給は、独立就農か雇用就農かによって変わります。
独立就農の場合は、初年度から十分な利益を上げられる場合もありますが、十分な収入を得られず軌道に乗るまでは赤字となることもあります。
雇用就農の場合は給与制で入社する会社(農業法人)や地域によりますが、一般的には19万~28万円ほどのことが多いようです。
また、一般的な企業と同じように、業績によってボーナスが出ます。
農家の勤務先の規模別の年収(令和3年度)
農家の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。
10〜99人規模の事業所に勤める農家の平均年収は336万円、100〜999人規模は352万円、1,000人以上の規模では379万円、10人以上規模の事業所平均は344万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「農林漁業従事者」で漁師、庭師など他職業を含むデータです。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
農家の年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の477万円です。 全年代の平均年収は344万円となっています。 上記グラフの基タイトルは「農林漁業従事者」で漁師、庭師など他職業を含むデータです。 会社(農業法人)に就職した場合、通勤手当や住宅手当、家族手当といった手当が支給されることもあります。 また労働時間や休日など就業規則が整備されていることも多く、自営の農家よりも比較的規則的に勤務できます。 一方、独立(自営)農家の場合は、こうした福利厚生はととのっていないため注意しましょう。 自然災害は農家の収入を大きく左右します。 大雨や台風によって稲が倒されてしまったり果実が落ちてしまったりすると、経費は通常通りかかっているにもかかわらず、その一年間の売り上げは大きく落ち込みます。 逆に条件が整ったときには高値で売れる農作物を量産できることもあり、一年ごとに収入は大きく変わるのです。 農家の収入はどうしても不安定なため、ほかの仕事を持ち、兼業農家として農業以外に安定した収入を得ようと考える人が多くなっています。 また、ビニールハウスを利用して天候に左右されない栽培を目指す人も多くいます。 育てる品目にもよりますが、全体的に農業所得は決して高いとはいえない金額です。 ただし農家の多くは持ち家に住んでいたり大家族で同居したりしているケースも多く、生活費が安く抑えられるというメリットがあります。 また農村部では食材や収穫物を譲り合ったりすることも日常茶飯事で、食料の確保にはさほど困りません。 衣食住の生活基盤が整っている割合が高いので、そのぶん安定した生活を送れるという考え方もあるでしょう。 農家が収入を上げる方法として作付面積を増やしたり、家畜頭数を多くするなど規模を拡大する方法が考えられます。 収穫量が増えればその分収入もアップしますが、手間や人手もかかることがデメリットで、大規模な農業のスキルがなければ難しいでしょう。 土壌の改良や品質向上に取り組み、収穫量をアップさせたり農作物自体の単価をアップさせたりします。 栽培方法を工夫し、これまで以上に収穫量が増えたり、品質が向上し付加価値をつけることができたりすれば収入がアップします。 販売方法を工夫したり、卸先を変えたりすることで収入をアップする方法もあります。 近年はインターネットでの販売が増え、直接生産者と消費者がつながることにより流通コストを抑えられ、より農家に入るお金が増えるようになっています。 また農作物を農家同士や地域ぐるみでブランディングすることによって、販売単価をアップさせたり加工品をつくったりし新たな価値を見出し消費を拡大させていきます。 農家の給料は自然や気候に左右されるため、毎月毎年安定して同じ額の収入が得られるとは限りません。 収入を上げるためには「面積を増やす」「品質の向上や収穫量をアップさせる」「販売方法の工夫やブランディング」などの方法があります。 また、農業以外にも仕事を持ち、兼業農家として働くという方法をとっている人も多く存在します。農家の勤務先の年齢別の年収(令和3年度)
農家の福利厚生の特徴は?
農家の給料・年収の特徴
自然や気候に左右される収入
収入を安定させるために
生活費が安い
農家が収入を上げるためには?
農業規模を拡大する
品質の向上や収穫量のアップ
販売方法の工夫やブランディング
農家の給料のまとめ