農家の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

「農家」と聞いてイメージするのは、「きつい」「休みがない」「天候に左右される」など、マイナス要素の言葉が浮かぶ人も多いのではないでしょうか?この記事では、農家とは一体どんなことをするのか、農家の業務内容や役割について紹介していきます。

農家の仕事とは

農家は、第一次産業である「農業」によって収入を得る職業です。

かつては非常に手のかかる体力勝負の仕事でしたが、現代は機械化が進みさまざまな農機具を使いこなして生産をしています。

農家には大きく分けて、農業を中心に生計を立てている「専業農家」と、農業と他の仕事を両立しながら生計を立てている「兼業農家」がいます。

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農家の業務の内容

主な仕事内容
  • 農作物を生産する
  • 勉強や情報交換
  • 利益を上げる工夫
  • 農業簿記

農作物を生産する

私たちが普段口にする米や野菜だけでなく、飼料作物になる穀物類や繊維に加工する綿や麻など、生産するものの種類は多岐にわたります。

育てる農作物の種類によって収穫の時期や栽培の方法は異なるため、農家によって具体的な業務の内容や一年の過ごし方は大きく変わります。

勉強や情報交換

土づくりや肥料についての勉強や農家同士の情報交換は欠かせません。

また、自然を相手にする仕事のため、災害への対策も必要です。

  • 減農薬栽培
  • 無農薬栽培
  • 有機栽培

など、さまざまなこだわりを持って農作物を栽培するために勉強をしている人も多くいます。

利益を上げる工夫

農作物の栽培の方法はある程度確立されていますが、その年の天候や社会情勢によって農作物の出来や評価は大きく変化します。

「今年はもっと肥料を増やそう」「今年は違う品種も育ててみよう」「今年は価格が高いうちに早めに出荷しよう」など、どうすれば良い農作物が育つのか、どうすれば消費者に高値で買い取ってもらえるかといった工夫をしなければなりません。

農家は栽培だけでなく、販売戦略までを一連の作業をビジネスとして行う職業であり、それこそが農業の面白味にもつながっていると言えます。

農業簿記

農業法人の従業員ではなく独立した自営農家の場合は毎年必ず確定申告をする必要があり、経理も行わなくてはなりません。

農家ならではの「勘定科目」を覚えて、農業経営の「貸借対照表」や「損益計算書」を作成するなど、しっかり「農業簿記」を身につけることによって農業を事業として捉えることができ、成果をあげやすくなります。

農業簿記に関する講座や検定、コンピュータ上で管理できるソフトなどもありますので、そうした勉強をすることも必要です。

農家の役割

  • 食料自給率の維持・向上
  • 環境保全・文化の継承
  • 第6次産業

食料自給率の維持・向上

農家の基本的な役割は農畜産物を生産することです。

農林水産省の調査では、国内における平成30年度の食料自給率はカロリーベースで37%、生産額ベースで66%となっており、近年ほぼ横ばいで推移しています。

先進国と比べるとアメリカ130%、フランス127%、ドイツ95%、イギリス63%となっており、我が国の食料自給率(カロリーベース)は先進国の中で最低の水準です。

日本の食料自給率はまだまだ改善の余地があると考えられており、農家はこうした国内生産による食料供給能力を維持、向上させるという役割を持っています。

農林水産省 食料自給率とは

環境保全・文化の継承

農業には環境保全や景観の形成、文化の伝承などといった役割もあります。

農村には水源の育成や防災、大気の浄化といった役目があり、地下水をつくったり、洪水や土砂崩れを防いだり、暑さをやわらげたりしているのです。

さらに土の流出を防いで川の流れを安定させ、さまざまな生き物のすみかとなって自然環境がはぐくまれています。棚田やため池、広大な畑や果樹林、農村など日本独特の風景を後世に伝えられるという役割もあります。

また地域のお祭りや年中行事、郷土料理といった伝統文化は農業と深く関わっており、それらを継承していくことが農家にとっての役割でもあるともいえるでしょう。

第6次産業

農業そのものは農畜産物の生産をする第1次産業で、今まではものづくりをする職人タイプの人が多い職業でした。

これは出荷先が農協だけに限られていたためですが、今後新たに農業をはじめて継続することを考えると、第2次産業の食品加工や第3次産業の流通、販売についても意識しなくてはなりません。

近年、生産だけでなく加工や流通、販売にも業務展開する経営形態のことを「第6次産業」と呼ぶようになりました。

農業経済学者の今村奈良臣氏の提唱した造語で、第1次産業・第2次産業・第3次産業を合わせると第6次産業になるという意味からきています。

従来の農業では、機能的な機械をつかって広大な農地を管理することが売上の向上につながると考えられてきましたが、近年ではこうした6次産業化によって成果をあげている農家も非常に多いのです。

第6次産業化した農家が成功する理由は、食材である農作物が実際に消費者の口もとに運ばれるまでのさまざまな過程を考えたうえで生産するためです。いわゆる「食育」についての意識を社会に広めることも、新たな農家の役割といえるでしょう。

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農家の勤務先の種類

農家として働く場合は、個人事業主として独立開業しながら働く道と、農業法人に就職して働く道の2つの選択肢があります。

農業法人に就職する場合、サラリーマンと同じように給料をもらいながら働くことになるので、1から農業を始めたいという人でも安定した収入を得ながら技術力を身につけることができます。

農家の仕事の流れ(米農家の場合)

土づくり

田んぼに肥料をたっぷり入れて、トラクターで耕します。

栄養たっぷりの土からは丈夫なよい稲が育つので、この作業はとても重要です。

田植え

あらかじめビニールハウス等で育てておいた苗を、田んぼに植え替えます。

昔は一株一株を手で植え替えていましたが、最近では機械の進化により、田植え機を使って一気に植えつけられるようになったため、作業スピードも速くなっています。

日々の手入れ

肥料を追加したり、雑草を取り除いたり、田んぼの水を入れ替えたりして稲の成長を見守ります。

収穫

稲穂が実ったら収穫作業を行います。

刈り取った稲は天日に干して乾燥させ、脱穀します。

最終的に出荷させるところまできたら、ようやく一連の作業が終わるのです。

農家の仕事内容のまとめ

農家の仕事はただ農畜産物を生産するだけでなく、食品加工や流通、販売までを考える必要があり、とても深い仕事だということがわかりました。

また、農家ならではの「農業簿記」を覚える必要もあり、専門性の高い仕事ともいえます。

休みなしの仕事で重労働ではありますが、生産から販売までトータルで考え、それが成功したときはとても大きな達成感を感じることができるでしょう。