漁師の年収・給料はいくら? 漁法別の収入も解説

漁師の年収は、漁業の種類や獲る魚の種類によっても大きく変わるのが特徴です。

ボリュームゾーンは400万円前後で、就職して漁師となる場合、給与は歩合で決まることが多く、その月や年の売り上げによって変動します。

また漁師には初任給という考えはなく、仕事ぶりや漁獲量に応じた歩合制となっており、一般的には18万円~20万円ほどが相場といわれていますが、地域によってはさらに安い場合もあります。

この記事では、漁師の給料・年収について解説します。

漁師の平均年収・給料の統計データ

漁師の年収は、漁業の種類や獲る魚の種類によっても大きく変わります。

またそのときどきの漁獲高によって収入が大きく変わることも特徴です。

毎年同じように操業していても、天候などにより年収に数百万円の差があることもあります。

漁師の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

漁師の平均年収_2023

厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、漁師の平均年収は、47.2歳で374万円ほどとなっています。

・平均年齢:47.2歳
・勤続年数:12.1年
・労働時間/月:171時間/月
・超過労働: 9時間/月
・月額給与:269,000円
・年間賞与:515,900円
・平均年収:3,743,900円

出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
漁師の年収の推移_r5

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

漁師の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

賃金構造基本統計調査のデータをもとに、年収を約374万円だと仮定すると、月収は約27万円ほどとなります。

多くの漁師は自営業であるため、収入がそのまま手取りとなります。

一方で、毎月安定した漁獲高となり売り上げがあるとは限らないため、月によって大きく変動することが特徴です。

また、会社員のように定期的なボーナスは基本的にはありませんが、大型船で漁をしたり、漁業組合等に就職する場合は、「報奨金」「奨励金」などとして年1回〜2回支払われることもあります。

なお、漁業組合等に就職して漁師となる場合、給与は歩合で決まることが多いため、採用時には年収で給与体系を説明することが多いようです。

漁師の初任給はどれくらい?

漁師には初任給という考えはなく、新人だとしても一定の給料がもらえるわけではなく仕事ぶりや漁獲量に応じた歩合制、または固定給+歩合制となっています。

一般的には18万円~20万円ほどが相場といわれていますが、地域によってはさらに安い場合もあります。

また漁業協同組合などに就職したり、一から漁師としての知識を教わるために弟子入りした場合も、同程度のことが多いようです。

沿岸漁業のなかには繁忙期などにアルバイトを定期的に募集しているところもあり、多くの場合日当は8000~12000円程度です。

漁師の勤務先の規模別の年収(令和5年度)

漁師の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤める漁師の平均年収は367万円、100〜999人規模は383万円、1,000人以上の規模では388万円、10人以上規模の事業所平均は374万円となっています。

漁師の年収(規模別)_r5

上記グラフの基タイトルは「農林漁業従事者」で農家庭師など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

漁師の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)

漁師の年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、45~49歳の459万円です。

全年代の平均年収は374万円となっています。

漁師の年収(年齢別)_r5

上記グラフの基タイトルは「農林漁業従事者」で農家、庭師など他職業を含むデータです。

漁師の福利厚生の特徴は?

生活費が賄われるケースも

個人で漁師をする場合には、個人事業主となっているため福利厚生はまったくありません。

一方で、漁業組合などに属して働く場合は、出漁手当、食料手当、住宅手当などが支給される場合もあります。

早朝や深夜に働く不規則な仕事であり、船がある漁港の近くに住む必要があるため、こうした手当が支給されるケースが多く、独身の場合は寮を完備しているところも珍しくありません。

遠洋漁業は生活の大部分が保障される

漁師の福利厚生の特徴として、遠洋漁業の場合は船の上で過ごしている間は生活費がほとんどかかりません。

家賃や光熱費や食費が必要ないため、収入のほとんどの額を貯金に回すことも可能です。

このため、一般的に遠洋漁業はお金が貯まる仕事だともいわれています。

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漁師の給料・年収の特徴

自然災害に影響される

漁業をするうえで一番やっかいなのは、自然災害です。

大雨や台風がくると船を出せないため、どうしても漁獲高が落ち、収入が減ってしまいます。

また、東日本大震災のときのような地震や津波の被害も、漁業には大きな影響を与えるため、毎年同じように漁をしても収入が得られるとは限らない不安定な仕事です。

また、こうした自然災害により漁ができないだけでなく、漁船が転覆したり、自分自身がケガを負ったりすれば、収入面では大きな打撃となってしまいます。

燃料の高騰や設備の維持費

近年はさまざまな燃料代が高騰し、一般家庭の家計にも痛手となっていますが、これは漁師にとっても大変な問題です。

漁船漁業における支出の約2割を占める燃油は、漁業経営に大きな影響を与えています。

燃油の価格の変動によっては、船のガソリン代がかさみ、漁獲量によっては漁に出れば出るほど赤字となってしまうこともあるのです。

また、漁師は自ら船や網などといった、漁に関する設備を維持していかなくてはならないため、支出が多いのが特徴です。

たとえ売上が多かったとしても、その分維持費がかさめば収入が大きく減ってしまうこともあります。

漁師の働き方による年収の違い

個人漁師(自営漁師)

個人で漁師の仕事をしている場合、年収は平均200万円~300万円ほどといわれています。

個人漁師はそのほとんどが沿岸漁業といわれており、ほかの漁法に比べると年収は低めとなっています。

一方で、経費を差し引いた金額がすべて手元に残るため、技術や運があれば年収1000万円を目指すことも夢ではありません。

漁業組合等に就職する(給料制)

漁業組合等に就職する場合、給料は「固定給+歩合」となっているのが一般的です。

求人情報などを見ると相場は20万円ほどで、年収換算では240万円ほどとなりますが、歩合によってはさらに多くの収入を得ることができます。

こちらも漁法によってだいぶ収入には差がありますので、どのような海域で何を捕るのか、しっかりと考えておいた方がよいでしょう。

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漁師の海域による年収の違い

遠洋漁業の年収

遠洋漁業は大型船で世界各地の海をめぐり大規模な漁を行う漁業のことで、マグロ漁船で知られます。

一度航海に出ると数ヶ月〜1年ほど陸地に帰ってこれないうえ、肉体的にも非常にハードです。

そのため給料も水準より高く、月給で平均的には30〜35万円ほど、年収では600~800万円前後になることも珍しくありません。

もちろん水揚げ量によって金額は変わりますが、経験を積み、海技免状を取得して船長となると、年収1000万も目指せます。

さらに、船上で生活している間は生活費がほとんどかからないため、年収の高さとともに「儲かる仕事」というイメージがあると考えられます。

沖合漁業の年収

沖合漁業は、日本から2〜3日程度離れた海域で行われる漁業です。

個人で操業する人は少なく、すでに操業している経営母体に船員として就職することが一般的です。

平均年収は遠洋漁業よりは少なく400〜500万円ほどであり、日本人の平均年収と同程度となることが多いようです。

沿岸漁業の年収

沿岸漁業は、日帰りできる程度の沿岸部で行われる小規模な漁業です。

遠洋漁業に比べ天候や漁獲高に左右されやすいのが特徴で、個人漁業が多く、年収は平均は200万円~300万円ほどといわれています。

毎日岸に戻ってこられるため、魚介類の養殖や飲食店、民宿など他の仕事を兼ねたり家族で分業したりしながら漁師をしている人も多いです。

年収の高い漁師は?

かに漁師の年収

かに漁師の年収は、1000万円を超えることもあります。

ベーリング海など遠洋でかに漁をする場合は、漁に出られるのは年に2~3ヶ月ほどだけで、その間に一年分のかにを捕ります。

一見楽そうに見える仕事ですが、真冬のかに漁は命がけの仕事であり、誰にでもできる仕事ではありません。

また、かには国内での単価も高いため、このような高額な年収になっていると考えられます。

ホタテ漁師の年収

一般的なホタテ漁師(養殖)の場合、年収は300~450万円です。

ただし、北海道猿払村(さるふつむら)のホタテ漁師の年収は3000万円を超えているといわれています。

これは、もともと貧しい村だった猿払をホタテで地域おこしをしようと漁協が漁法と漁協の労働条件を改革したことにはじまります。

公平な分配や高齢の組合員を支える一貫したしくみが村内でできあがっており、ホタテ漁師の高収入につながっているのです。

マグロ漁師の年収

マグロ漁師の年収は、主に経験に応じたクラスで決まっています。

マグロ漁船の乗組員になると「員級B」というクラスになります。

いわゆる新人と呼ばれるころで、年収は約360~400万円程度です。

船での仕事になれてくると、「員級A」というクラスになります。

甲板員や機関員などを務める一般船員で、年収は約450~500万円です。

3~5年の経験を経て、海技士の資格を取得すると「船舶職員」というクラスになります。

1級航海士になると、年収は約550~650万円です。

航海士としての経験を積むと「船長」になります。

船長の年収は約700~900万円で、頑張りしだいでは20代から船長になることもできます。

船の責任者である「漁労長」はベテランの船長しかなることができませんが、このクラスになると年収は1000万円以上になります。

漁師が収入を上げるためには?

兼業漁師になる

漁業従事者の収入は非常に不安定なので、安定した稼ぎを得るために干物などの水産加工品を販売して収入をアップさせる方法があります。

漁業と同時に農業も行ったり、旅館や飲食店を営み、獲ってきた魚を料理として出したりして兼業漁師となれば、より安定した収入を得られます。

また、漁業以外の仕事をしていることで収入を安定させられるだけではなく、自分の獲った魚を加工・販売・流通させる場合にも、さまざまな情報が手に入り、コネクションも得やすくなるメリットがあります。

漁業組合等に入る

一般的に、漁師は自営業で働くのが収入アップへの一番の近道です。

ただし、自営業では不漁や自然災害などのために、一気に年収が減る恐れもあります。

一番収入が安定しているのは、漁業組合等に入ることです。

売上に関わらず定期的にお金がもらえるため、はじめは漁業組合に所属し、その後自営業に切り替えるという人もいます。

漁の方法を見なおす

漁師の中でも年収が高いといわれているのは、カニ・マグロ・カツオなどの遠洋漁業です。

こうした高収入を得られるような漁に転換したり、漁師から魚介類の養殖業に切り替えたりなど、漁の方法を見直し、新たな活路を見出す方法もあります。

漁師が収入を上げるために有利な資格はある?

漁師に深く関わる資格として「小型船舶操縦士免許」と「海上特殊無線技士免許」があります。

小型船舶操縦士免許は、船を操縦するための免許で、1級、2級、特殊の3種類があり、1級以外は16歳以上で取得できます。

海上特殊無線技士免許は、無線を使用するための免許で、安全な漁業が必要不可欠です。

資格を持っているからといって年収が特別に上がるわけではありませんが、どちらも漁業には必須の資格なので、取得しておくとよいでしょう。

また、遠洋漁業などで使われる大型船舶は、一般の乗組員のほかに海技士免許を持った船員が必要です。

海技士免許は、航海・機関・電子通信の3種類があり、それぞれに等級が設けられています。

資格を取得するためには、まず一定の乗船履歴が求められるため、漁師になってすぐに取得できるものではありませんが、海技士の資格免許があると年収はぐんとアップします。

漁師で年収1000万円を目指せる?

漁師が年収が1,000万円を超えることはさほど珍しくありません。

とくにカニ・マグロ・イカなど価格の高い魚介類を捕る漁師は多くが年収が1,000万円を超えています。

船長や漁労長などのベテラン漁師になれば、年収が2,000万円になることもあります。

また、漁師の多くは副業をしているため、自分たちで捕った魚介類を加工品にしたり、直接販売したりすることで成功し年収を大幅に増やしている人も少なくありません。

もちろん、自然に左右される仕事のため安定して高収入を得る苦労もありますが、高収入を目指せる夢のある仕事といえるでしょう。

「漁師の給料・年収」のまとめ

漁師の年収は漁業の種類や獲る魚の種類によっても大きく変わりますが、高収入を目指せる仕事でもあります。

漁師の福利厚生の特徴として、遠洋漁業の場合は船の上で過ごしている間は生活費がほとんどかからないため、遠洋漁業はお金が貯まりやすい仕事だともいわれています。

一方で漁師の収入は非常に不安定なので、安定した稼ぎを得るためには水産加工品を販売して収入をアップさせるといった工夫も必要です。