ドルフィントレーナーの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「ドルフィントレーナー」とは

ドルフィントレーナーの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

水族館でイルカの飼育や調教を担当し、ショーなどで観客を楽しませる仕事。

ドルフィントレーナーは、水族館でイルカの飼育や調教を担当してイルカショーを行ったり、ふれあい体験のガイドを務める仕事です。

ジャンプや輪くぐりなどの技を訓練し、ショーのプログラムを考えて演技指導します。

この職種に限定した求人は非常に少なく、飼育員やスタッフとして、全国に約30か所あるイルカのいる水族館で勤務するのが一般的です。

海洋学、生物学、獣医学系の大学やドルフィントレーナーになるための専門学校で学び、インターンシップ制度を利用して実習生となる人もいます。

平均年収は200万円~300万円程度と決して高くなく、アルバイトの場合はそれ以下になる場合もあります。

重労働な業務内容であるだけに、イルカに対する本物の愛情を注ぎ続けられる人だけが、この仕事を続けていくことができるでしょう。

「ドルフィントレーナー」の仕事紹介

ドルフィントレーナーの仕事内容

水族館でイルカの飼育や調教を担当し、「イルカショー」を行ったり、「ふれあい体験」のガイドを務めるのがドルフィントレーナー(イルカ調教師)の仕事です。

ジャンプや輪くぐりなどの技を訓練し、ショーのプログラムを考えて演技指導します。

出演者としてショーを盛り上げることも重要です。

訓練では、声や笛の音を合図に演技をするとエサがもらえることを関連づけます。

イルカをきちんと訓練し、ショーを成功させるためには、日頃からイルカと信頼関係を築くことが大切です。

イルカは朝夕2回と訓練時に1日あたり体重の6~10%のエサを食べます。

体重200kgであれば12~20kgのサバ、アジ、シシャモ、イカなどを好みや体調に応じて準備します。

冷凍保存されたエサを解凍し、朝夕は1匹ずつ丸ごと、訓練時は切り身で与えます。

調餌(ちょうじ/エサ作り)や給餌(きゅうじ/エサやり)以外に、イルカの健康管理、プールの水温・水質管理、掃除も行います。

ドルフィントレーナーになるには

職種限定の求人募集はなく、飼育員やスタッフとして、全国に約30か所あるイルカのいる水族館で勤務するのが一般的です。

必須の資格や学歴はありませんが、水族館によっては採用条件があり、正社員は高学歴の大学卒業者が多いでしょう。

海洋学、生物学、獣医学系の大学やドルフィントレーナーになるための専門学校で学び、インターンシップ制度を利用して実習生となる人もいます。

ただし、そのほかの高校や大学などの卒業生、転職者、アルバイト採用からの正社員登用者も存在します。

水族館によっては新卒採用時、キャリア採用時、就職後に必須となる資格があります。

普通自動車、潜水士(国家資格)、スキューバダイビング(Cカード/民間資格)、学芸員(国家資格)、獣医師(国家資格)などです。

ドルフィントレーナーの給料・年収

ドルフィントレーナーの給料は一般的なサラリーマンやOLよりも少ないでしょう。

契約社員として入社した場合の初任給は12~17万円程度です。

勤務する水族館によっても収入には幅がありますが、平均年収は200~300万円程度で、アルバイトの場合は時給800~950円程度からスタートするのが一般的です。

ドルフィントレーナーの収入が少ない理由は、正社員に登用されるとイルカショーの現場から離れる可能性があり、契約社員に留まる人が多いからです。

一方で、獣医師の国家資格をもつ正社員やチーフトレーナーは、年収800万円程度になるでしょう。

昇進して管理業務に従事するか、低い給料でも直接イルカと関わり続けるか、決断する必要がくるときがあるでしょう。

ドルフィントレーナーの現状と将来性・今後の見通し

イルカショーに出演するドルフィントレーナーは華やかですが、大量のエサ作りや寒い冬も冷たい水に入ってプールの管理をするなど重労働です。

そのうえ収入も少なくほぼ欠員補充しかない職業ですが、志望者は多く、ドルフィントレーナーになるまでの道は険しいというのが現状です。

また、これまで日本においては、捕獲されたイルカを水族館で飼育していました。

しかしながら,2015年に日本動物園水族館協会(JAZA)が世界動物園水族館協会(WAZA)に応じて追い込み漁で捕獲されたイルカの入手を禁じたため、水族館はイルカの入手先について考えなくてはならなくなりました。

オスのイルカは繁殖期の扱いが難しく、イルカショーの水族館はメスがほとんどであるということもあり、いかにイルカを繁殖するかといったところが課題となっています。

今後はドルフィントレーナーも繁殖可能な設備について解決策を考える必要が出てくることでしょう。

ドルフィントレーナーに向いている人・適性

重労働で待遇もさほどよくなかったとしても、たくさんの人にイルカショーを楽しんでもらいたい、イルカの魅力を知ってほしいという使命感の強い人が向いています。

また根気強い人、視力が良く体力に自信がある人はドルフィントレーナーに向いているでしょう。

さらに、イルカが体調をくずしたときにすぐ気がつくような観察力や研究心が求められます。

イルカだけでなく職場の人々とのコミュニケーション能力やチームワーク、協調性、ショーを盛り上げるための演技力も重要です。

ドルフィントレーナーの勤務時間・休日・生活

ドルフィントレーナーの勤務時間はおおむね8:00~17:00前後の1日8時間労働が基本です。

イルカの体調チェックやプールの水温・水質チェック、エサ作り、館内清掃のため開館前に出勤します。

夜間営業のある水族館は12:00~21:00前後とのシフト制です。

通常は残業が少ないことが多いですが、イルカの体調によっては通常の勤務時間外や休日に出勤することもあります。

一般的な休日に来館者は増加することや、動物は365日管理する必要があることから、休日は交替制です。

水族館が休館日であっても、来館者がいないからこそ可能な大がかりなプール清掃などの業務やイルカの世話があり、必ずしも休みではありません。

休日や勤務時間外でもイルカのことを考えてしまうのがドルフィントレーナーの特徴です。

ドルフィントレーナーの求人・就職状況・需要

ドルフィントレーナーの雇用形態は正社員、契約社員、アルバイトとさまざまですが、ドルフィントレーナーという職種限定の求人はありません。

水族館飼育員、給餌やプール清掃などとして水族館スタッフとして採用されたとしても、イルカを担当できるとは限りません。

正社員の定期的な求人は少なく、欠員が出た際に随時募集されます。

約30か所しかないイルカのいる水族館に対して就職希望者は非常に多く、倍率は50倍とも100倍ともいわれています。

まずは実習生として現場を体験して、契約社員やアルバイトとして採用されるのが一般的です。

実習が事実上の採用試験になっており熱意をアピールする必要があります。採用後も努力を続けると正社員に登用されるでしょう。