マーチャンダイザーへ転職するには? 未経験・中途採用の実態

マーチャンダイザー(MD)への転職は、人材不足を背景に今がチャンスの時期です。

しかし、未経験者がいきなりMDになるのは難しく、経験者中心の採用が基本です。

この記事では、MD転職市場の最新動向、未経験可求人の実態、関連職種から転職する方法、転職成功のコツまで徹底解説します。

MDへの転職を考えているあなたに、現実的なキャリアパスを示します。

この記事のポイント💡

  • アパレル・ファッション業界のMD転職市場は求人倍率3.03倍で過去最高水準、今が転職のチャンス
  • 未経験可求人は全体の約1〜2割、ほとんどがMDアシスタント職
  • 販売職・バイヤー・営業職からの転職が現実的なルート
  • 経験者は30代でヘッドハンティング対象、年収大幅アップも可能
  • 転職成功には「スキルの言語化」と「実績の具体化」が重要

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MD転職市場の現状

マーチャンダイザーは企業やブランドの売上を左右する重要なポジションであるため、優秀な人材を積極的に採用したいと考えている企業はたくさんあります。

近年は人材不足を背景に、転職市場は売り手市場となっています。

調査によると 、アパレル・ファッション業界の2023年7〜9月期の転職求人倍率は3.03倍と過去最高水準に達しました。

これは同調査開始以来初めて3倍を超える数字で、企業の採用意欲が非常に高まっていることを示しています。

また、厚生労働省の「職業安定業務統計」によると、2024年度(令和6年度)の全国平均の有効求人倍率は1.25倍で、求職者1人に対しておよそ1.25件の求人があることになります(出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)」)。

経験者中心の採用が基本

しかしながら、マーチャンダイザーは、アパレルや流通・小売業界の各職種のなかでも、幅広い知識が必要とされる職種であり、転職市場においては経験者中心の採用となっています。

MD求人のほとんどが経験者採用で、「MD実務経験3年以上」「売上○億規模のブランドMD経験」など具体的な実績を求める企業が多いのが実情です。

求人自体はそこまで少ないわけではありませんが、未経験者がいきなりマーチャンダイザーとして働くのはハードルが高いといえます。

企業側としては、即戦力となる人材を求めており、商品企画から販売戦略まで一貫して理解している経験者が優遇されます。

求人数の推移

コロナ禍で一時減少したMD・バイヤー求人数は、2023年以降増加傾向にあります。

特にスポーツ・アウトドア業界やラグジュアリーブランドでは、多品目展開に伴いMD増員のニーズが高まっており、求人数が増加しています。

スポーツブランド各社では「社内育成が追いつかない」という課題から、即戦力MDの中途採用が積極化しています。

外資系ブランドでも、少数精鋭のMD体制を敷いているため、退職者が出ると中途で穴を埋めるケースが一般的です。

求人要件の傾向

MD求人の要件を見ると、経験者採用では以下のような条件が多く見られます。

  • MD実務経験3年以上
  • 売上○億円規模のブランドMD経験
  • Excel・データ分析スキル
  • チームマネジメント経験

一方、20代若手にはポテンシャル採用もあり、「経験よりも潜在能力・成長可能性を重視」する企業も増えています。

アパレル業界全体での経験があれば、異職種からMDアシスタントに挑戦できる場合もあります。

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未経験からMDへの転職は可能か?

結論から言うと、未経験者が最初から第一線のマーチャンダイザーになるのは困難です。

しかし、MDアシスタントからスタートする道や、関連職種を経由する道は開かれています。

即戦力が求められる傾向

MDは、商品企画・販売計画・在庫管理・価格設定・販促施策など、多岐にわたる業務を統括する職種です。

これらの業務を経験なしでこなすことは難しく、企業側も即戦力を求めるため、未経験者がいきなり採用されるケースは非常に稀です。

特に、ブランドの売上・利益を左右する重要なポジションであるため、経験と実績が重視されます。

「やる気だけはあります!」という熱意も大切ですが、それだけでは採用されにくいのがこの職種の現実です。

未経験可求人の実態

未経験可のMD求人は全体の約1〜2割程度です。

ただし、そのほとんどが「MDアシスタント」職で、補助業務から始めることになります。

MDアシスタントの主な業務は以下のようなものです。

  • 販売データの収集・集計
  • 経費計算・原価管理の補助
  • 会議資料の作成
  • 店舗巡回・競合リサーチのサポート
  • サンプル管理

最初は先輩マーチャンダイザーの下でこうした業務に携わりますが、経験を積むなかで熱意や適性が認められれば、マーチャンダイザーへとキャリアアップする道が開けてきます。

この仕事は現場で学べることがとても多く、経験が大きなアピール材料となるため、本気で未経験からマーチャンダイザーになりたい場合には、アシスタントから始める道も考えてみるとよいでしょう。

「ポテンシャル採用」とは
ポテンシャル採用とは、経験よりも潜在能力・成長可能性を重視した採用方法です。

20代若手に多く、「今はスキルが不足していても、将来的に活躍できる素質がある」と判断されれば採用されることがあります。

アパレル業界全体での経験があれば、異職種からMDアシスタントに挑戦できる場合もあります。

ただし、ポテンシャル採用でも「完全未経験」は難しく、何らかの関連経験があることが前提となります。

未経験でも挑戦できるケース

完全未経験からMDを目指すのは困難ですが、以下のような背景があれば、MDアシスタントや関連職種への転職が可能です。

アパレル業界の販売・営業経験がある

店舗販売や営業職の経験があれば、業界独自の慣習や仕事の流れを把握しており、MDの業務にも通じる部分があります。

特に販売職は、顧客ニーズや売れ筋商品を肌で感じる経験ができるため、MDへのキャリアパスとして王道です。

関連職種(バイヤー、企画、マーケティング)の経験がある

バイヤーや商品企画、マーケティング職の経験者は、MDの業務と重なる部分が多く、転職しやすいです。

同じ業界での勤務経験があれば、前職での実績をアピールして転職を成功させることもできます。

データ分析・Excel活用スキルがある

MDは大量の販売データを分析し、商品戦略を立てる仕事です。

Excel・BIツールなどを使ったデータ分析スキルがあれば、未経験でもアピール材料になります。

強い熱意とファッションへの理解がある

ファッションへの深い理解と、「どうしてもMDになりたい」という熱意も重要です。

ただし、熱意だけでは採用されないため、具体的なスキルや経験と組み合わせることが必要です。

経験者のMD転職

MD経験者の転職は、未経験者とは全く異なる状況です。

経験者は引く手あまたで、キャリアアップ転職や年収大幅アップも狙えます。

転職のタイミング

MD経験者の転職タイミングは、主に以下のようなパターンがあります。

20代後半〜30代:MD経験3-5年でキャリアアップ転職

MDとして3-5年の実務経験を積んだ20代後半〜30代は、より大きなブランドや外資系企業へのキャリアアップ転職が可能です。

年収100-200万円アップの転職事例も珍しくありません。

30代後半〜40代:MDマネージャー・商品本部長へのステップアップ

30代後半以降は、MDマネージャーや商品本部長などマネジメント職への転職が増えます。

MD経験者は30代でヘッドハンティング対象になることもあります。

外資系企業では日系企業よりも実力主義の傾向が強く、業界内で実績を残していると、スカウトがかかることがあるようです。

転職理由の傾向

MD経験者が転職を考える理由は、主に以下のようなものです。

年収アップ(外資系・ラグジュアリーブランドへ)

国内中小アパレルメーカーのMD年収はおおむね400〜500万円程度が目安ですが、外資系や高付加価値商材のMDは600〜800万円、マネージャークラスでは1,000万円超となるケースもあります。

年収アップを目指して、外資系やラグジュアリーブランドへ転職する人が多くいます。

より大きなブランド・規模で挑戦したい

「もっと大きな売上規模のブランドでMDをやってみたい」「グローバルブランドで挑戦したい」という前向きな理由で転職する人もいます。

働き方改善(長時間労働の是正)

繁忙期の長時間労働や休日出勤に疲れ、ワークライフバランスを重視して転職する人もいます。

近年はリモートワーク可の企業も増えており、働き方改革が進んでいます。

新しいビジネスモデル(EC専業、D2Cブランドなど)への興味

従来の実店舗中心からEC専業ブランド、D2C(Direct to Consumer)ブランドなど、新しいビジネスモデルに挑戦したいという理由で転職する人もいます。

関連職種からの転職

なかには、営業やバイヤーから、転職を機にマーチャンダイザーになる人もいます。

販売職からMDへ

販売職は、顧客ニーズや売れ筋商品を肌で感じる経験ができるため、MDへの転職で最も多いパターンです。

店長やエリアマネージャーを経験し、本部のMDに抜擢されるケースもあります。

バイヤーからMDへ

バイヤーはMDと業務が重なる部分が多く、転職しやすい職種です。

商品の目利きスキルや仕入れ交渉の経験がMD業務に活きます。

営業職からMDへ

営業職も、販売計画や顧客ニーズの把握という点でMDと共通する部分があります。

BtoB営業で培った交渉力や数字管理能力がMDで評価されます。

マーケティング・企画職からMDへ

マーケティング職や商品企画職からMDへの転職も増えています。

市場分析やブランド戦略の経験が、MD業務にそのまま活かせます。

いずれにしても、マーチャンダイザーへ転職する際には、「どのようなスキルを持っており、企業にどのような貢献ができるのか?」についてきちんと語れることが重要なポイントとなります。

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転職成功のための準備

MD転職を成功させるためには、入念な準備が必要です。

ここでは、転職活動で重要なポイントを解説します。

スキル・経験の棚卸し

まず、自分のスキルと経験を棚卸ししましょう。

MDに求められる主なスキルは以下です。

  • データ分析力(Excel、BIツール)
  • 商品企画力・マーケティング知識
  • 交渉力・調整力
  • コミュニケーション能力
  • 数値管理能力(売上・利益・在庫)
  • トレンド分析力

自分がこれらのスキルをどの程度持っているか、具体的なエピソードとともに言語化しておくことが重要です。

職務経歴書の書き方

職務経歴書では、以下のポイントを意識しましょう。

数字で実績を示す

「売上○○億円のブランドでMDを担当」「前年比120%の売上達成」など、具体的な数字で実績を示すことが重要です。

課題と解決策を明記

「在庫過多の課題に対し、データ分析で死に筋商品を特定し、値引き施策で消化率を○%改善」など、課題解決のプロセスを具体的に書きましょう。

使用ツール・システムを明記

Excel、Googleスプレッドシート、Tableau、SalesforceなどMD業務で使用したツールを明記すると、即戦力性がアピールできます。

現場の声:MD転職面接での質問内容
MD転職の面接では、以下のような質問がよくされます。

「これまで担当したブランドの売上規模と、あなたの役割を教えてください」

「商品企画で失敗した経験と、そこから何を学んだかを教えてください」

「在庫過剰が発生した際、どのように対処しましたか?」

「弊社のブランドを見て、どんな商品戦略を提案しますか?」

これらの質問に具体的に答えられるよう、事前に準備しておくことが重要です。

面接対策

MD転職の面接では、実務能力だけでなく、ブランド理解やトレンド感覚も見られます。

応募先ブランドを徹底リサーチ

店舗を訪問し、商品構成・価格帯・ターゲット層を把握しましょう。

競合ブランドとの違いも分析しておくと、面接で具体的な提案ができます。

最新トレンドをキャッチアップ

ファッション業界の最新トレンドや市場動向を把握しておきましょう。

SNS(Instagram、TikTok)でトレンドをチェックし、「今何が売れているか」を語れることが重要です。

数字に強いことをアピール

MDは数字で成果を評価される仕事です。

面接でも、売上・利益・在庫回転率など、数字を使った説明ができることが評価されます。

転職エージェントの活用

MD転職では、転職エージェントを活用するのも一つの手です。

メリット

  • 非公開求人の紹介
  • 面接対策・職務経歴書添削のサポート
  • 年収交渉の代行
  • 業界情報の提供

デメリット

  • エージェントの質にばらつきがある
  • 希望と異なる求人を紹介されることもある
  • エージェント経由だと企業側に手数料がかかるため、直接応募より不利になる場合も

活用のコツ

複数のエージェントに登録し、比較検討することをおすすめします。

アパレル業界に特化したエージェントと、総合型エージェントの両方を使うと、より多くの求人情報が得られます。

キャリアアップのパターン

MD経験者のキャリアアップには、様々なパターンがあります。

同業界でのステップアップ

国内中小企業 → 大手・外資系への転職

国内中小アパレルメーカーでMD経験を積んだ後、大手企業や外資系ブランドに転職するパターンです。

年収は400-500万円から600-1,000万円超へアップすることも可能です。

アシスタント → MD → マネージャー

MDアシスタントからスタートし、MD、MDマネージャー、商品本部長と昇進していくパターンです。

大手企業では、マネージャー職で年収1,000万円を超えることもあります。

ブランドMD → 複数ブランド統括

1つのブランドのMDから、複数ブランドを統括するポジションへのステップアップです。

経営に近い視点が求められ、やりがいも大きいポジションです。

国内企業 → グローバルブランドへ転職、年収大幅アップ

国内企業でMD経験を積んだ後、グローバル展開するブランドに転職するパターンです。

海外出張や本国MDとの連携など、グローバルな仕事に携われます。

異業種への転身

MD経験は、アパレル以外の業界でも活かせます。

EC・SaaS企業

元アパレルMDが、在庫管理ツールやEC支援システムを提供するSaaS企業に転職し、アパレル業界の課題解決に携わるケースもあります。

MDの実務経験がプロダクト開発に活きます。

コンサルタント

MD経験を活かして、アパレル企業向けのコンサルタントになる道もあります。

複数のブランドの商品戦略を支援し、高年収を得ることも可能です。

独立・フリーランス

豊富な実績と人脈があれば、複数ブランドのMD顧問として独立する道もあります。

国勢調査や就業構造基本調査などの統計からも、マーチャンダイザーの一部は自営業・フリーランスとして働いていることが分かりますが、マーチャンダイザーに限った具体的な割合は公表されていません。

転職時の注意点

MD転職では、以下の点に注意しましょう。

給与・待遇の確認

年収だけでなく、残業時間・休日・福利厚生もしっかり確認しましょう。

年収だけで判断しない

年収が高くても、残業時間が月80時間を超えるような企業では、ワークライフバランスが崩れます。

時給換算で考えると、年収が低くても定時で帰れる企業の方が良い場合もあります。

成果主義の実態を確認

外資系企業は成果主義が強く、目標未達だと減給・降格もあります。

「成果が出なければクビ」という厳しい世界であることを理解しておきましょう。

福利厚生・休暇制度

年間休日数、有給取得率、育児休業制度なども確認しましょう。

ライフステージが変わっても働き続けられるか、長期的な視点で判断することが重要です。

企業文化の見極め

ワークライフバランス

面接で「残業時間はどれくらいですか?」「繁忙期はいつですか?」と率直に聞きましょう。

曖昧な回答しか得られない場合は、要注意です。

社風

「風通しの良い社風」「チャレンジできる環境」などの表現は抽象的です。

具体的なエピソードを聞き、自分に合うか判断しましょう。

育成体制

「OJTで学べます」という企業は、体系的な教育制度がない可能性があります。

研修制度やメンター制度の有無を確認しましょう。

転職口コミサイトの活用

OpenWork、転職会議などの口コミサイトで、実際に働いている人・辞めた人の声を確認することをおすすめします。

ただし、ネガティブな口コミが多い場合も、鵜呑みにせず総合的に判断しましょう。

💡 転職失敗を防ぐチェックリスト
以下の項目を確認し、転職先を慎重に選びましょう。

  • 年収・給与体系(固定給・歩合給の割合)
  • 残業時間・休日出勤の頻度
  • 年間休日数・有給取得率
  • 福利厚生(住宅手当・交通費・育児支援など)
  • 担当ブランドの売上規模・成長性
  • 組織体制(MDチームの人数・役割分担)
  • 使用するツール・システム
  • キャリアパス(昇進の目安・事例)
  • 社風・企業文化(面接での印象・口コミ)
  • 転勤の可能性

これらを事前に確認することで、入社後のミスマッチを防げます。

まとめ

マーチャンダイザーへの転職は、経験者が有利ですが、未経験者もMDアシスタントから始める道があります。

アパレル・ファッション業界の転職求人倍率は3.03倍と売り手市場が続いており、今が転職のチャンスです。

関連職種(販売・バイヤー・営業・マーケティング)からの転職が現実的で、スキルの言語化と実績の具体化が成功の鍵です。

まずは転職サイトに登録し、求人リサーチから始めてみましょう。

📚 この記事の参考資料・データ出典

本記事は以下の公的統計および信頼できる情報源を基に作成しています。

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