救急救命士の年収はいくら? 給料についてくわしく解説

救急救命士の平均年収・給料の統計データ

救急救命士の平均年収・月収・ボーナス

救急救命士の多くは、日本全国の自治体の消防署に所属して働きます。

したがって、給料や待遇に関しては各自治体が定めるものが適用されますが、地方公務員の身分となるため、基本的には年功序列で、安定した働き方が望めます。

ただし、消防組織の特徴は、明確な「階級制度」が設けられていることです。

たとえ同じ年齢・勤続年数であっても、階級によって給料には大きな差が出てきます。

よい勤務成績を残して評価されると、周りの人よりも速いペースで昇進していき、収入アップにつながります。

なお、救急救命士は不規則な勤務体系で、ときに危険な現場にも出動することから、事務職の地方公務員よりも給与水準がやや高めで、特別な手当も付きます。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
救急救命士
(転職ステーション)
434万円 -
救急救命士
(給料BANK)
418万円~549万円 平均給料:34万円
20代の給料:26万円
30代の給料:34万円
40代の給料:39万円
初任給:15万円

求人サービス各社の統計データでは、救急救命士の平均年収は約420万円~550万円となっています。

自治体によって給与規定が異なりますが、基本的には年功序列です。

勤続年数や階級が上がると昇給するため、各自治体に所属する急救命士の平均年齢や人数構成などによっても、平均年収には違いが出てきます。

救急救命士の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

平成31年4月1日現在の地方公務員給与実態調査によれば、消防職員の平均給料月額は、29万9,781円(平均年齢38.2歳)です。

ただし、救急救命士は出動に関する手当が多く付く傾向にあり、一般の消防士よりもやや高めの給料になることが多いといわれています。

月給35万円の救急救命士を例に挙げると、その手取りは、税金や社会保険料などを差し引くと、28万円前後になるでしょう。

期末・勤勉手当(ボーナス)は、各自治体で平均給料月額の4.05〜4.65ヵ月分ほどが支給されています。

先の条件で考えると、ボーナス分の手取りは130万円ほど、手取り年収は460万円~470万円程度と推定できます。

救急救命士の初任給はどれくらい?

救急救命士になるためのルートはいくつかあるため、どういったルートでキャリアをスタートさせるかによっても初任給が異なります。

たとえば高校卒業から消防官になり、勤務経験を積んで救急救命士の資格取得を目指す場合、各自治体の給料表に基づき、高卒枠での採用者に該当する初任給(16万円~20万円前後)が支給されます。

どの自治体でも、学歴が高い人ほど初任給の額も高めの設定となっており、大卒枠での採用者であれば20万円~23万円前後が一般的です。

救急救命士の福利厚生の特徴は?

救急救命士が所属する各自治体では、給料表にもとづく給与以外にも各種手当が支給されます。

例を挙げると、通勤手当、扶養手当、住居手当、管理職手当などがあり、さらに深夜の出動時における時間外勤務手当、期末・勤勉手当(いわゆるボーナス)も付きます。

自治体によっては消防官専用の寮(個人寮・家族寮)が設けられており、格安で住まいを確保することが可能です。

加えて、業務内でのケガや、万が一の殉職時に対する各種補償(療養補償、休業補償、介護補償、障害補償等)も用意されています。

救急救命士は、ときに危険をともなう現場にも駆けつけなくてはならないからこそ、手厚い福利厚生や安心して働けるサポート体制が整えられているといえるでしょう。

救急救命士の給料・年収の特徴

事務を担当する地方公務員よりも給料はやや高め

救急救命士の国家資格を持つ人のほとんどは、消防署に勤務します。

その身分は、全国の自治体の「消防官採用試験」を受けて採用された地方公務員で、給料や待遇に関しては、各地方自治体の定めるものが適用されます。

なお、消防署に務める消防士や救急救命士の給料は、地方公務員の給料を設定している給料表のなかで「公安職」に該当します。

これは、一般事務を担当する「行政職」よりも1割程度高めの水準となっており、不規則な勤務体系や職務の危険性などに配慮したものです。

なお、海上保安庁や警察などで活躍する救急救命士もごくわずかおり、その場合の給料は各組織の規定が適用されます。

出動のたびに「出動手当」が付く

消防署で働く救急救命士には、出動指令が出て出動するたびに「出動手当」が付きます。

1回の手当額は数百円程度ですが、近年119番通報の数は増えており、季節や地域によっては、1ヵ月でかなりの数の出動をしなくてはなりません。

そのため、出動手当だけで数万円ほど付く人もいるほどです。

地方公務員は全体として手当が充実していますが、とくに救急救命士の場合、この出動手当や深夜勤務の際につく手当によって、収入の底上げにつながっている人が多いといえます。

救急救命士が収入を上げるためには?

救急救命士のほとんどが自治体の消防署に所属する地方公務員であることから、長く働き続ければ続けるほど確実に収入は上がります。

年一度の定期昇給における昇給額は自治体によって異なりますが、月額8,000円前後のところが多いでしょう。

ただし、昇給ペースは人によって異なります。

消防組織では明確な「階級制度」が設けられており、たとえ同じ年齢・勤続年数であっても、階級によって給料には大きな差が出ます。

消防署の救急救命士は、あくまでも消防職員の一人であり、よい勤務成績を残して評価されると、周りの人よりも速いペースで階級が上がり、収入アップにつながります。

いわゆる管理職の役割になると現場に出ることが少なくなる一方、後輩を育てていく教育側の立場になったり、組織全体を管理したりする仕事を任されるでしょう。

そうなると、年収700万円~800万円以上を見込むことも可能です。