国税専門官の年収・給料・初任給を調査 ボーナスは何カ月分出る?
税務職俸給表は、職務の難易度などから一般事務などを担当する「一般行政職」のものよりも1割程度高く設定されていることが特徴です。
若いうちはそこまで高収入にはならなくても、出世して「税務署長」や「国税局長」になれば年収1000万円以上も望めます。
このページでは、国税専門官の給料・年収や初任給、手当、ボーナス事情について紹介しています。
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国税専門官の平均年収・給料の統計データ
国税専門官の平均年収・月収・ボーナス
国税専門官は国家公務員であり、その給料は「国家公務員 税務職俸給表」に沿って支給されます。
税務職の俸給表は、その職務の特殊性や専門性から、一般事務を中心に手掛ける「一般行政職」よりも1割程度高く設定されています。
国家公務員給与等実態調査
国税専門官が該当する「国家公務員税務職」の平均給与月額は429,738円となっています。
これは毎月決まった給与(俸給)353,566円に手当の76,172円を加えたものです。
手当の内訳は、地域手当等45,948円、俸給の特別調整額13,683、扶養手当8,587円、住居手当5,643円、その他2,211円となっています。
なお、想定年収は、月額給与に公務員のボーナスにあたる「期末・勤勉手当」を加えて算出しています。
平均年齢:42.3歳
平均経験年数:20.9年
平均給与月額:429,738円
俸給:353,566円
諸手当:76,172円
想定平均ボーナス:1,847,851円
想定平均年収:7,004,647円
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
国税専門官の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
国家公務員である国税専門官は、民間企業に勤める会社員と同じように、給与から毎月「税金」と「社会保険料」が差し引かれます。
賃金構造基本統計調査をもとに計算すると、手取りの平均月収は35万円ほどと考えられ、ボーナスも含めた手取り平均年収は560万円ほどと推定できます。
国税専門官は役職や勤務年数が上がると少しずつ給料が上がっていき、どんどん昇進して上位のポストに就く人のなかには、手取り月収が50万円を超える人も出てきます。
ボーナス(期末手当・勤勉手当)の支給額は民間の支給状況をもとに年によって若干変動しますが、まったく支給されないというケースは通常ありません。
各種手当も充実しているため、社会情勢に変化があっても、ある程度安定した生活は送れるでしょう。
国税専門官の初任給はどれくらい?
国税専門官の初任給は、税務職俸給表(1-22)が該当します。
国税専門官として採用された場合の初任給は250,560円です(2020年4月1日の給与例。東京特別区内に勤務する場合)。
また、地域手当が支給されない地域へ採用された場合の初任給は208,000円です。
このほか、国家公務員として以下のような諸手当が支給されます。
- 扶養手当:子月額10,000円等
- 住居手当:月額最高28,000円
- 通勤手当:1カ月あたり最高55,000円等
- 期末手当・勤勉手当(ボーナス):1年間に俸給等の約4.30月分(年度によって変動あり)
国税専門官(税務職)の経験年数階層別平均俸給額
税務職の経験年数ごとの月額俸給です。
この額に諸手当が年齢や条件によって2〜12万円ほど付与されます。
国税専門官(税務職)の級別平均俸給と経験年数
国家公務員の俸給は、各人の級によって変わります。
それぞれの級の平均俸給とその級までに達する年数を表したのが下記のグラフです。
税務職俸給表の適用人数と男女比
税務職俸給表の適用人数と男女比をまとめたのが以下の図です。
年齢が低い世代ほど、女性の比率が高い傾向にあります。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
国税専門官の福利厚生の特徴は?
国税専門官は、ほかの国家公務員と同様に、手厚い福利厚生が受けられます。
- 年に20日(4月1日の場合。採用の年は15日)の年次休暇(有給休暇)
- 病気休暇
- 特別休暇
- 介護休暇
また、育児休業制度など、仕事と家庭生活のバランスを上手にとりながら生活しやすい制度も整えられています。
- 健康管理のための健康診断や人間ドッグの実施
- 育児休業手当金の給付
- 病気や負傷時の保険給付
- 退職手当
さらに国家公務員共済組合連合会などで契約する全国の病院や宿泊施設、スポーツクラブ等については、家族も含めて利用可能です。
国税専門官の給料・年収の特徴
国家公務員「税務職」の俸給表が適用される
国税専門官の給料は、国家公務員の「税務職俸給表」に沿って支給されます。
税務職は専門性が求められる特殊な仕事に就くことから、俸給表は事務などに携わる「一般行政職(一)」のそれよりも1割程度高いことが特徴です。
俸給表では、職務内容の専門性や役職を表す「級」と、勤務年数を表す「号」の2つの位によって給料が定められており、基本的には長く働いて、ポスト(役職)が上がるほど給料もアップします。
ただし、国税専門官になった人の全員が同じスピードで昇進するわけではなく、現場では厳しい出世競争が繰り広げられています。
最終的に「税務署長」あるいは「国税局長」クラスになると年収1000万円以上も望めますが、そのポストに就ける人はわずかであり、ある程度のところで頭打ちになって定年を迎える人も少なくありません。
とはいえ、国家公務員として採用されている以上は、ポストにかかわらず手厚い福利厚生や手当が支給されるため、安定した生活を送ることが可能です。
研修期間中も国家公務員としての給料が支給される
国税専門官は、採用試験を受けて採用されると、まず「税務大学校」という特殊な学校で寮生活を送りながら約3か月間の基礎研修を受講します。
その後は、税務署で1年間の実務経験を経て、税務大学校地方研修所において約1か月間の「専攻税法研修」を受け、さらに2年ほど実務経験を積んで、「専科」という7か月間の研修を受けます。
このように、国税専門官は採用後の数年間、実務と研修を繰り返し経験しながら、少しずつ税務に関する専門的な知識を深めていくことになります。
ただし、その研修期間も「国家公務員」の身分であることに変わりはなく、俸給表で定められた給料が支給されます。
集団生活などやや不便もありますが、お金をもらいながら勉強ができることを考えると恵まれているといえるでしょう。
国税専門官が収入を上げるためには?
国税専門官は、採用時は横並びでキャリアをスタートしますが、その後は日々の勤務評価や成績などによって、昇進スピードに違いが出てきます。
国家公務員であるため、基本的には年功序列で役職を上げていけますが、出世コースにのってどんどんポストを上げていく人もいれば、ある程度のところでとどまって定年を迎える人もいます。
大きな昇進を目指すのであれば、キャリアの途中で財務省や国税庁にも出向し、重要な役割を任される必要があります。
もちろん、そのためには常によい評価を受けて、上司に認められる必要があります。
最終的に「税務署長」あるいは「国税局長」クラスになると年収1000万円以上も望めますが、そのポストに就ける人はほんのわずかです。
出世を目指す国税専門官は厳しい競争を勝ち抜かなくてはならないため、心身ともにハードワークになることも覚悟しておく必要があるでしょう。
国税専門官の年収・給料・初任給のまとめ
国家公務員である国税専門官の給料は「税務職俸給表」に沿って支給され、一般行政職の職員よりも1割程度高めの水準となっています。
若いうちはそこまで高収入ではなくても、長く働いていくことによって確実な昇給が望めます。
周囲から認められて重要なポストを任されるようになると、年収1000万円を超えるケースもあります。
そこまで昇進しない場合でも、国家公務員としての手厚い福利厚生が適用されるので、日常生活を送るうえで大きな不安はいらないでしょう。