研究者の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

研究者は、各分野における高い専門性を生かして活躍するため、給料・年収はやや高めの水準となっています。

しかしながら、勤務先や働き方の選択肢が多様であり、個人によって収入・待遇面には差が出やすいのも特徴です。

この記事では、研究者の給料・年収事情について、さまざまなデータをもとに解説していきます。

研究者の平均年収・給料の統計データ

研究者は、携わる仕事の専門性の高さから、比較的よい収入を得やすい職業です。

企業などの研究職として働くには4年制の大学、大学院に進学して勉強する必要があり、在学中に留学をして専門分野の研究を深める人も多くみられます。

職に就くまでに相応の自己投資が必要ですが、努力に見合う高収入を得るチャンスを得ることが可能です。

研究者の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

研究者の平均年収_2023

厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、研究者の平均年収は、41.6歳で740万円ほどとなっています。

・平均年齢:41.6歳
・勤続年数:13.3年
・労働時間/月: 161時間/月
・超過労働:9時間/月
・月額給与:466,300円
・年間賞与:1,806,200円
・平均年収:7,401,800円

出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
研究者の年収の推移_r5

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
研究・開発
(マイナビエージェント)
512万円 20代平均438万円
20代男性平均442万円
20代女性平均415万円
30代平均576万円
30代男性平均592万円
30代女性平均471万円
研究開発
(DODA)
562万円 男性:575万円
女性:490万円
20代: 456万円
30代 :629万円
40代 :717万円
50代〜:847万円
生涯賃金:3億0,662万円

研究者の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

各社の求人データをもとに平均年収を500万円と仮定すると、毎月の総支給額は41万円ほどとなります。

条件にもよりますが、実際の手取りは32~35万円ほどとなるでしょう。

「令和5年度 賃金構造基本統計調査」より、ボーナスが約3か月分支給されると考えた場合は、月の支給額は47万円で実際の手取りは37~38万円、ボーナスは約181万円、手取りは約140万円ほどとなるでしょう。

なお、国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本における給与所得者の1年間の平均給与は458万円です。

この数字と比較してみると、研究者の収入は、やや高めであることがわかります。

研究者の初任給はどれくらい?

大手メーカーに研究職で入社した場合の初任給は、営業や事務といった一般的な職種よりもやや高めの設定になっています。

ある企業の初任給は、大卒が21万1500円なのに対し、修士課程修了で23万5500円、博士課程修了で28万9000円と設定しています。

研究職は「大学院卒業」の学歴を持つ人が多いこともあり、初任給の時点で25万円~30万円程度となるケースもしばしばみられます。

研究者の勤務先の規模別の年収(令和5年度)

研究者の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤める総務の平均年収は575万円、100〜999人規模は671万円、1,000人以上の規模では781万円、10人以上規模の事業所平均は740万円となっています。

研究者の年収(規模別)_r5

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

研究者の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)

研究者の年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の1,002万円です。

全年代の平均年収は740万円となっています。

研究者の年収(年齢別)_r5

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研究者の給料・年収の特徴

給料のほかに研究費が与えられる

大学や研究所に勤める場合、多くは給料のほかに「研究費」という名目で予算が当てられています。

金額は各大学や研究所で異なりますが、2024年度の募集要項によると、理化学研究所の研究員の場合は年間100万円が与えられています。

副業での収入も期待できる

研究者には、所属している研究機関や企業からの給料以外の副収入が入ることがあります。

たとえば、書籍の印税や講演・シンポジウムなどの講演料、あるいはメディアの出演料です。

特定の分野において第一人者といわれるような研究者の場合、本の出版や講演やテレビ出演の依頼が入ることもしばしばあります。

研究に支障がない範囲で、このような活動を行う研究者も多くいます。

こうした副業は、研究者の貴重な収入源となっています。

研究者の福利厚生の特徴は?

研究職の福利厚生は、どのような職場で働くかによっても異なります。

大手企業であれば、社会保険完備をはじめ、交通費支給、住宅手当・家賃補助、資格手当、自己啓発支援といった、さまざまな福利厚生が用意されています。

さらに、ワークライフバランス制度、産休・育休の制度も整っていることが多いです。男女共同参画を推進し、女性を積極的に採用し、管理職に登用する企業も増えてきています。

また、大学や研究所に勤める場合、あらかじめ与えらえる研究費のほかに科学研究費補助金などの「外部研究費」を申請することができ、その補助金を研究に充てることができます。

勤務先によっては、日本学生支援機構奨学金の返還特別免除の対象とされているところもあります。

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研究者の勤務先別の給料・年収

大学に勤める研究者

大学の研究者は、勤めている大学の規模、国立か私立か、本人の実績や年齢などによって給料の金額は大きく異なりますが、年収800万円〜1000万円ほどになることが多いでしょう。

大学の場合、「教授」「准教授」「講師」「助手」などの役職があり、「講師」や「助手」の場合は研究者というよりも、教授や学生のサポート業務がメインになります。

講師や助手の収入は、教授や准教授に比べると低めです。

しかし、ひとつの学部や学科における教授の人数は限られているため、ポストが空くまでは数年間「講師」や「助手」としてチャンスを待つ人も多くいます。

国家公務員として働く研究者

国家公務員として働く研究者もいます。

国家公務員の研究者とは、一般的には、国家公務員総合職試験を受験して、各省庁の「研究職(研究員)」として採用された人のことを指しています。

以下の図は、人事院の「平成4年国家公務員給与等実態調査」もとに、研究職の給料・年収を出したものです。

平均年収は900万円を超えていることから、民間で働く研究者と比較しても遜色ないか、それ以上の収入が得られるケースが多いと考えられます。

研究職俸給表_2022

国家公務員研究職は、農林系、水産系、生物系、教育系など、さまざまな分野で活躍しています。

国家公務員の研究職とは

ちなみに国立の研究所の代表格ともいえる「理研」こと「理化学研究所」の2021年度の実績を見てみると、研究職の給与は、年俸制で毎月48.7万円(社会保険料、税込)となっています。

さらに、通勤手当や住宅手当が加算され、研究費が一年間に100万円割り当てられます。

参考:研究職俸給表学歴別人数

以下の図は、研究職俸給表学歴別人数をグラフにしたものです(※2022年のデータより)。

研究職として働く人のほとんどが大卒以上の学歴となっています。

研究職俸給表学歴別人数_2022

参考:研究職俸給表級別平均俸給額

以下の図は、研究職俸給表級別平均俸給額をグラフ化したものです(※2022年のデータより)。

級が上がることで着実に支給される金額が増えていくことがわかります。

研究職俸給表級別平均俸給額_2022

民間企業に勤める研究者

民間企業に勤める研究者の給料は、同じ企業の他職種の社員と比べて、やや高めに設定されることが多いです。

大学や大学院を卒業してすぐに研究者になった場合、初年度や入社数年間の年収は300万円~400万円台に留まることもあるでしょう。

しかし、年齢を重ねて主任研究員やプロジェクトリーダーなどとなった場合は収入がアップし、年収600~700万円程度、あるいはそれ以上を手にすることが可能です。

研究者が収入を上げるためには?

「収入を上げたい」と考える民間の研究者は、今よりも待遇のよい環境を求めて転職することが一般的です。

特別なスキルや実績を持つ研究者であれば、他企業や研究所からヘッドハンティングされるケースも見られます。

この場合「能力給」などが加算され、同世代の研究職よりも高収入になることがあります。

国家公務員の研究職として働く人の平均年収も900万円程度と、他のさまざまな職業と比較しても比較的よい収入が得られます。

なお、外資系企業や海外企業では給与制度が成果主義の年俸制となっていることが多く、こうした企業の研究者として成果を上げれば、年収が1000万円以上を実現できるチャンスはあります。