高卒から建築士になるには

建築士として働くためには、建築士の試験合格を目指し、資格を取得する必要があります。

高卒からでも建築士になることは可能ですが、通う学校の種類によって資格取得のための要件が変わってきます。

この記事では、高卒の人が建築士になるための方法や道のりについて説明します。

高卒でも建築士として活躍できる

現在、建築士として活躍している人の多くは大学や短大、高専などの建築学科の卒業生ですが、なかには高卒で建築士になっている人もいます。

日本で最も有名な建築士の一人である安藤忠雄さんも、学歴としては高卒です。

建築士には、建築基準法などの法規知識、構造計算などの物理知識とあわせて、設計センスやデザインの美的感覚、オリジナリティなども重要です。

こうした知識の習得やスキルがあれば、会社員や公務員などと比較すると、建築士は学歴に関係なく活躍しやすいといえるかもしれません。

以下で、高卒から建築士になるためにクリアしなければならないいくつかの条件を、高校の学科別にご紹介します。

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建築士試験の受験資格を得るための条件

ここでは、建築士試験の受験資格を得るための条件を、高校別に紹介します。

通っていた高校が建築科・土木科の場合

高校の建築科・土木科を卒業した人は、卒業後に「二級建築士」および「木造建築士」の国家試験が受けられるようになります。

実務経験は、試験を受ける時点では必要なく、免許登録までに合計2年以上積んでいれば問題ありません。

ここでいう「実務経験」とは、設計事務所や建設会社、工務店などで、建築物の設計・工事監理・施工管理業務を行ったり、大学や研究所で建築に関する研究・教育を行うことなどがあります。

通っていた高校が普通科の場合

高校で普通科に通っていた人の場合はどうなるのでしょうか。

高校で土木科や建築科を卒業していない場合、あるいは中卒の場合は、試験を受けるために実務経験を「7年以上」積むことが求められ、資格を得るためのハードルは上がります。

また、建築士は、建物の安全性を確保するための強度計算をするために、構造力学などの物理知識が不可欠です。

建築物の素材をよく知るために化学の知識が必要になることもあります。

そのため、高校が文系だった人や中卒の人は、建築士試験で出題される物理や化学の知識を新たに習得する必要があります。

あまり知識がないところから、独学で物理や化学の知識を高校レベルまで習得することはかなり難しいため、建築士資格のための予備校に通うといったことも考えたほうがよいかもしれません。

高卒から建築士を目指す場合の注意点

高卒の人でも、通っていたのが建築科であれば、二級建築士はすぐに受験することが可能です。

そこから実務経験を2年積み、最短で20歳で二級建築士免許を取得することができます。

二級建築士として4年以上の実務経験を積めば、一級建築士試験にもチャレンジ可能です。

しかし、企業によってはそもそも採用対象を大卒以上、あるいは専門学校卒以上としているところも多く、高卒の場合、就職先がどうしても限定されてしまうことは否めません。

学歴がネックとなって希望する企業に就職できない場合は、通信大学に通う選択肢もあります。

インターネットで学習する「eラーニング」を取り入れて、単位取得まですべてをWeb上で行える通信制の学科を併設している大学は多数あり、卒業できれば一般の大学生と同じ「学士」資格が得られます。

学費を負担しなければならないのは経済的に苦しいかもしれませんが、建築士試験の勉強と大卒資格の取得を同時に進められることは、通信大学ならではの大きなメリットといえるでしょう。

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「高卒から建築士になるには」まとめ

この記事で紹介したように、高卒の人でも建築士を目指すことは可能です。

ただ、高校の建築科・土木科で建築関連の専門的な勉強をしてきた人と、そうではない普通科などで学んだ人では、試験の受験要件などが変わってきます。

将来は建築士になりたいと強く考えている場合は、その点に気をつけて進路を選んでいきましょう。