建築士の大変なことは? 仕事のきついことやつらいことを紹介

建築士のつらいこと・大変なこと

締め切り前の過酷さ

建築士が最も苦労するのは、締め切り前のラストスパートの作業です。

担当する案件ごと、および進捗段階ごとに「この日までに作業を完成させなければいけない」という締め切り日が設定されています。

期限を守れなければ、施主や職場の上司・同僚からの信頼を失い、最悪の場合は二度とプロとして仕事ができなくなってしまいます。

作業が順調に進んでいるときは問題ありませんが、施主が図面をなかなか気に入らなくて何度もやり直しを強いられたり、よいアイデアが浮かばなくて構想に時間がかかってしまうこともあります。

場合によっては、締め切り直前まで作業が終わらず、精神的にぎりぎりまで追い詰められるケースもあるでしょう。

また、食事休憩すらろくに取れないまま長時間にわたって作業したり、連日徹夜での作業になったりすることも珍しくありませんから、建築士には肉体的なタフさも要求されます。

設計料は値切られやすい

近年は日本経済全体が長引く不景気に苦しんでいるため、個人・企業ともに低価格志向が根強くなっています。

デザイン料や設計料などは、もちろん建築士やスタッフの人件費が発生しているのですが、実際の工事とは異なって費用を客観的に評価しにくいため、値切りの対象にされがちです。

こうした傾向は民間だけでなく、地方自治体や行政が手掛ける公共工事にもよく見られ、受注先に関わらず、薄利での仕事を強いられる建築士が増えつつあります。

一件あたりの設計費用が安くなった結果、多くの仕事を一人でこなさなければ十分な利益を確保できなくなり、ブラック企業といえる激務を強いられる職場もあるようです。

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建築士の悩み

建物を建てるとき、多くの施主が重視するのがデザイン性です。

「高い吹き抜けのある明るい玄関にしたい」「3階建てのオシャレな家にしたい」「大開口部を設けたルーフバルコニーがほしい」など、建築士に持ち掛けられる要望はさまざまです。

しかし、建物を建てるためには、建築基準法に定められたあらゆる要件を満たしていることが必要であり、どんなデザインでも建てられるわけではありません。

地震の多い日本では「耐震強度」についてはかなり厳格で、構造体や耐力壁の配置バランスなどまで細かく規定されているうえ、法改正もかなり頻繁に実施されます。

デザイン面と安全面をいかに高い次元で両立させるかが建築士の悩みどころで、頭を絞っていい知恵を出さないといけないでしょう。

このため、建築士は、建築士同士の勉強会や意見交換会などを開いて、積極性に新しいアイディアや法律改正の動向などを情報収集しています。

建築士を辞める理由で最も多いものは?

建築士を辞める理由として最も一般的なのは、理想と現実との間に大きな乖離を感じるケースです。

職場などにもよりますが、多くの設計事務所は作業効率を高めたり、個々の強みを生かすために特定分野に絞った案件を受注するところが多く、手掛ける作業は似たようなものになりがちです。

自身のオリジナリティを生かした自由な設計ができると考えていた人にとっては、ルーティンワークを強いられる実際の職場での仕事内容に、小さくないギャップを感じてしまうことがあります。

また、資格を取得する難易度が非常に高い割に、給与などの待遇面がそれほど恵まれていないということも、離職に繋がりやすいといえるかもしれません。

設計にこだわればこだわるほど給料は安く重労働になり、マニュアルがあって作業がワンパターン化するほど給料は良くなる傾向にありますので、仕事内容と収入とのジレンマに思い悩む人も少なくないようです。