SPになるには? 仕事内容や身長などの条件を解説・民間のSPにもなれる?
成績が優秀で、とくに資格やスキルに秀でた人がSPに推薦されます。
ここでは、警察官のSPになるためのルートや仕事内容について詳しく解説します。
SPの仕事内容
「SP」は「セキュリティ・ポリス」の略称で、SPを題材にしたテレビドラマなどを目にしたことがある人も少なくないでしょう。
しかし、その言葉の使われ方はやや曖昧で、警察組織の一部署で働く人を指すこともあれば、民間警備会社のボディガードなどを指すこともあります。
警察官のSPは、東京にある警視庁警備部警護課に所属する警察職員で、要人警護を行うことが役割です。
通常、複数人でチームを組み、無線機などを使って連絡を取り合いながら、近づいてくる不審者などに気を配り、要人のいる車内、室内、建物内の安全確保に努めます。
武器としては特殊警棒やけん銃、防具としては折り畳み式の防弾盾を携帯していることが一般的です。
一方、民間のSPは、警察官とは違って警棒やけん銃などの武器を携帯することや、有事の際の緊急走行などは認められていません。
不審者や危険人物などに対しては、己の身を挺して守ることになります。
警察官SPが警護を行う対象と、民間企業で働くSPは、対象に違いがあります。
- 総理大臣
- 衆議院議長
- 参議院議長
- 国家の要職にある人物
- 政府が招いた外国からの国賓など
- 政治家
- 企業の経営者
- アーティストなど著名人
- ストーカー被害者など
SPになるには
警察のSP
警察組織内でSPになるには、警視庁の実施する警察官採用試験を受けて合格することが第一歩です。
警察官としてのキャリアを歩んでいくなかで、上司からSPの適性があると認められると、「SP候補者」として推薦を受けることができます。
SP候補者になるには、業務成績が優秀であることに加えて、条件を満たすことが必要です。
- 身長173cm以上
- 柔道3段以上または剣道3段以上
- けん銃操作上級の資格取得
- 英会話ができる
SP候補者に選ばれた警察官は、警察学校に集められて特殊な訓練を受け、身体能力や技能などをテストされます。
そして、候補者同士の厳しい競争を勝ち抜いた一部の人だけが、警視庁警備部に異動となり、SPに任命されます。
民間のSP
民間でSPとして働くには、個人に対する警護サービスを行っている警備会社などに就職する必要があります。
企業によって採用条件はさまざまで、就職倍率も求められるスキルのレベルも異なりますが、柔道や剣道などの段位を持っていたり、あるいはボクシングなどの格闘技経験があることが望ましいでしょう。
民間警備会社には、元警察官や元自衛隊員など、実務経験の豊富な人材も数多く在籍しています。
なお、武術や護身術などの講義を行っているSP養成のための専門学校もありますので、学校に通って一通りのスキルを身につけてから、警備会社などに就職するという方法も考えられます。
企業内で長く働き、十分な知識とスキルを身につけたSPのなかには、企業から独立して、フリーランスで警護を請け負う人もいます。
SPに必要なスキル
警察官は、配属部署や自身の希望などに関係なく、全員が逮捕術やけん銃操作、柔道や剣道などの武道を習い、日常的に心身の鍛錬に努めます。
しかしSPは、ほかの警察官よりもはるかに高いレベルで、逮捕術、射撃スキル、格闘能力を備えていることが必須条件です。
SPを目指すなら、これらの訓練には人一倍熱心に取り組む必要があるでしょう。
また、民間のSPを志望する場合は、武器に頼ることができない分、格闘能力の重要性がより高まります。
SPになる前も、なった後も、恒常的に厳しいトレーニングを己に課して、有事の際は相手を制圧できるだけの体力、筋力、技術を身につけることが必要です。
さらに、肉体面以外についても、危険をいち早く察知する観察力や、どんなときでも冷静に行動できる精神力、そして何より、いざというときに自分の身を投げ出せる勇気が求められるでしょう。
SPになるには?のまとめ
警察のSPになるには、まず警察官となり、優秀な成績をおさめ、上司に認められることが必要です。
民間のSPになるには、企業によって条件はさまざまですが、とくに格闘技経験や武術の習得が求められます。