経営企画のつらいこと・大変なこと・苦労
経営企画のつらいこと・大変なこと
複数の能力を高いレベルで求められる
経営企画は、会社のかじ取りを担う存在として、また役員など経営陣をサポートする存在として、実に多方面のスキルが求められます。
経営計画を練る際には、自社の財務状況を正確に把握する会計知識が必須ですし、市場や競合他社を調査する情報収集能力やマーケティングスキル、戦略を立案するための企画力も必要です。
そうやって組み立てた計画を経営陣や投資家に説明する際には、高いプレゼンスキルが求められますし、計画を実行する際には他部署の社員を取りまとめる統率力やリーダーシップが求められます。
複数の部署を横断するようなビッグプロジェクトを手掛ける際には、意見を取りまとめる調整能力や広い視野も必要になるでしょう。
いわば「できる社員」として、そういったハイレベルなクオリティを常に要求され続けるのが、経営企画の大変なところです。
休日も家で勉強したり、セミナーや講習に参加したりして、積極的に自己研鑽に励まなければならないでしょう。
経営陣と現場の板挟みに陥りやすい
経営企画は、営業や経理など、ほかの部署と同じ社員でありながら、非常に経営陣に近いポジションで働くことになります。
経営方針や目標を全社員に伝達するなど、スポークスマンとしての役割を求められることも多く、経営層と労働層をつなぐ存在といえます。
それだけに、しばしば両者の板挟みになることもあるのが、経営企画のつらいところです。
たとえば事業計画を策定する際、事業部門の声を尊重しようとすると、経営陣からは「もっと広い目線で全社的に考えろ」といわれます。
反対に経営陣の意見を取り入れると、事業部門からは「現場のことがわかっていない」といわれます。
そもそも、同じ組織にあっても、立場が違えば意見が異なるのは当たり前ですので、お互いが納得できる合意点を探り当てるのは、非常に精神をすり減らす骨の折れる作業となります。
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経営企画の悩み
経営企画が抱えやすい悩みとして多いのは、仕事とプライベートのバランスです。
経営企画は、仕事の特性上関連する部署が多く、さまざまな部署と会議をして情報共有や意見交換をしなくてはなりません。
一方、データ処理や分析、書類作成といったデスクワーク量も非常に多く、労働時間は長引きやすい傾向にあります。
さらに帰宅してからも、上で述べたように自主的に勉強しなければならないことも多く、生活はどうしても「仕事中心」になりがちです。
とくに、M&A案件や海外事業などを担当する経営企画はきわめて多忙で、仕事が面白い反面、土日もろくに休めない「仕事漬け」になるケースもよく見られます。
独身ならまだしも、結婚して家庭があると、経営企画の仕事と家庭生活とどう両立させていけばいいか、しばしば頭を悩ませることになります。
経営企画を辞める理由で多いものは?
経営企画を辞める理由としてよく見られるのは、まかされる仕事量が多すぎて手が追いつかないというものです。
経営企画には、役員から会議の資料づくりを依頼されたり、営業部から月次成績の取りまとめを求められたりと、日々さまざまな仕事が降りかかってきます。
各種作業を手際よく片付けていくことができなければ、あっという間に仕事は山積みです。
目の前に並べられた仕事をこなしていくだけで精一杯で、戦略を立案したりといった本来の業務にまで手がまわらないという声もよく聞かれます。
事務処理能力が足りずに手元がパンクしたとき、あるいは忙しすぎて本来やりたいことができないときに、「もう続けられない」と経営企画を辞める人もいます。
職場にもよりますが、手際のよさに自信のある人でないと、経営企画を続けていくことは厳しいかもしれません。