介護福祉士の年収はいくら? 給料についてくわしく解説
介護福祉士の給料と年収
事業所や役職、雇用形態によって異なりますが、一般的に施設で働く正規職員の介護福祉士の月給は手取りが15〜17万円前後で、年収は250万〜400万くらいが一般的です。
決して、他の業種と比べて高い給料とはいえません。
施設の場合は、夜勤が月に4回ほどあり、日曜日や祝日の当番もあります。変則勤務で肉体的、精神的にハードな割には、給与が見合っていないと言われ、給与面に満足できずに離職をする人もいます。
事業所には、社会福祉法人や医療法人、民間の会社などあります。
その中でも社会福祉法人は給料が低くても、都道府県の公務員に準じた給料体系である場合もあり、期末手当や福利厚生がしっかりしているところもあります。
ヘルパー1級、2級の資格と比較すると、介護福祉士は資格手当が付くことが多く、若干給与面で上乗せがあります。
事業所によっては、介護福祉士の資格手当が3,000円から中には10,000円程度つくこともあります。
基本給が安くても、休日割増や休日手当、夜勤手当などでカバーされ、月給が手取りで16万円から18万円ぐらいになります。
また、より上位の資格である、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得していると、待遇面で優遇される可能性があります。
介護福祉士の初任給
介護福祉士の学校を卒業して就職する場合、多くの学生は介護現場の就職先として特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護施設を選択します。
それらの施設の初任給は、だいたい16万円前後ぐらいです。
訪問介護事業所には、新卒の学生が就職するケースは少ないようです。それは、給料面が施設と比較して低く、家事援助があること、同僚のホームヘルパーが主婦が中心なのも働きにくい理由かもしれません。
介護業界では転職者が多く、一般的に35歳を過ぎると転職しにくいといわれていますが、介護業界では資格さえ手に入れば仕事はいくらでもあるのが現状です。
そのため、初任給は、年齢に関係なく基本給12万円から14万円ぐらいで、それに手当がつく程度です。
就職先が見つけやすいというメリットも
給料・年収はあまり期待できない介護福祉士ですが、この業界は慢性的な人材不足のため、求職すればすぐに職場は見つけることができて、雇用が安定しています。
そのため、嫌な職場で無理やり長く働く必要もなく、転職は気軽にできるようです。
非常勤のパート・アルバイトはよく求人が出ており、時給はどこも同じくらいです。施設で介護のパートをすると、時給800円から1,000円ぐらいがもらえます。
訪問介護の仕事は非常勤の場合がほとんどで、時給にすると、身体介護で1,300円前後、生活援助で1,000円前後です。身体と生活を混合したものは、身体介護と生活援助の時給の中間ぐらいです。
扶養控除の範囲内で働きたい主婦にとっては、調整して収入を抑えられるので都合がよいかもしれません。
上場している主な介護サービス提供企業
平均年齢 | 平均年収 | |
ニチイ学館 | 42.2歳 | 291万円 |
ツクイ | 39.5歳 | 389万円 |
メデカジャパン | 37.3歳 | 349万円 |
シダー | 37.9歳 | 368万円 |
メディカル・ケア・サービス | 42.3歳 | 334万円 |
ケアサービス | 34.9歳 | 386万円 |
アミーユ | 35.8歳 | 337万円 |
福祉施設介護員の平均年収統計
厚生労働省の令和元年度賃金構造基本統計調査によると、福祉施設で働く介護員の平均年収は42.6歳で347万円となっています。
本統計は介護福祉士資格取得者とは限りませんが、ひとつの目安にはなるでしょう。
・平均年齢:42.6歳
・勤続年数:7.1年
・労働時間:162時間/月
・超過労働:5時間/月
・月額給与:244,500円
・年間賞与:531,700円
・平均年収:3,465,700円
出典:厚生労働省「令和元年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
令和元年 福祉施設介護員の年収(規模別)
福祉施設介護員の年収は規模が大きくなると若干増えるようです。
10人〜99人の事業所に勤める介護員の年収は328万円、100〜999人規模は354万円、1,000人以上規模は363万円、10人以上規模平均は347万円となっています。
令和元年 福祉施設介護員の年収(年齢別・男女別)
介護員の年収は、統計上は年齢が上がってもそれほど変わらないようです。すべての年代で200万円~400万円の年収となっています。
現状、年齢による年収の上昇はあまり見込めませんが、今後は介護業界の売上が上がっていくことが予想されており、将来的に待遇が改善される可能性はあります。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。