女性の自衛官のキャリアパス・結婚後の生活

女性の自衛官の現状

自衛隊というと、たくましい男性がたくさん活躍している様子をイメージする人がほとんどでしょう。

しかし、昔と違い、今では多くの女性が自衛隊に入ってきています。

もちろん、心身ともにタフさが要求される職業の性質から男性自衛官は非常に多いですが、それでも以前では女性は絶対入らないだろうと思われる職務に就き、バリバリと活躍する女性自衛官も増えています。

では、実際にどれくらいの女性自衛官がいるのかというと、同じ自衛隊でも「陸上・海上・航空」それぞれによって変わってきます。

「令和3年度防衛白書」によれば、2021年3月末時点では、女性自衛官の数は約1.8万人で、この割合は全自衛官の7.9%であると発表されています。

この数字は近年増加傾向にあり、「思っていたよりも多い」と感じる人もいるのではないでしょうか。

なお、今後は女性自衛官の採用について、2030年までに全自衛官に占める女性の割合を12%以上にすることを目標としているようです。

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女性の自衛官の強み・弱み

女性の自衛官が増えつつあるといっても、女性が自衛官になるのは決して簡単なことではありません。

陸上自衛隊の場合ですが、防衛大学ではない一般の募集の場合、女性の倍率は20~50倍にのぼるといわれています。

男性の場合、ほとんどが問題なく入隊できることを考えたら、とてつもない倍率だということがわかります。

女性で入隊してきた人は、その時点でかなり優秀あるいは適性があると判断されているといえるでしょう。

基本的に、自衛隊に入れば女性だからといって特別扱いや楽な仕事ばかりを任されるわけではなく、女性も強い意志を持ち、日々心身を鍛える努力をしなくてはなりません。

しかし、自衛隊の任務は多様化・複雑化しており、自衛官には、これまで以上に高い知識・判断力・技術を備えた多面的な能力が求められるようになっているといわれます。

そのなかで、もともとは「男性の仕事」といわれてきた自衛官にも多用な人材が求められるようになっており、今後女性の自衛官が活躍できるチャンスはさらに広がっていくと思われます。

自衛官の結婚後の働き方・雇用形態

女性の自衛官を増やそうという考えの下、防衛省でも働き方改革やワークライフバランス推進に力を入れる取り組みが進んでいるようです。

たとえば女性が結婚をしても家庭と自衛官を両立させられるよう、年次休暇の積極的な取得が推奨されるようになったり、テレワークの推進、早出遅出勤務およびフレックスタイム制といった、柔軟な働き方が認められ始めています。

もちろん、結婚後も独身時代と同様の形で働き続けることもできますし、上司にキャリアの相談をして配置が考慮されることもあるようです。

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自衛官は子育てしながら働ける?

自衛隊として、育児支援に関する制度の拡充や取り組みは活発になってきています。

駐屯地や基地内によっては子どもを預けることができる託児施設が設置されているほか、出産前後にきちんと休みを取れる制度、また育児休業中だった職員が円滑に職場復帰できるための研修制度も作られています。

また、自衛隊では自衛官同士で結婚する人も少なくありません。

男性自衛官が家庭生活に関わりを持てるよう、男性の育休取得率向上のための取り組みもスタートしています。

自衛官は女性が一生働ける仕事?

高齢化や少子化により、自衛隊では民間企業と同様に人員の確保に悩んでおり、女性活用が不可欠な時代に突入しています。

こうしたことから女性が働きやすい環境を整えることは、現在、そして今後の自衛隊にとっても重要な課題だといえるでしょう。

女性自衛官が就くことができる職種は、潜水艦勤務など一部を除けば、戦闘機パイロットも含め、ほぼ全般におよんでいます。

また、海外派遣されて発展途上国で任務にあたる女性自衛官も少なくありません。

女性自衛官は男性とほぼ同じように第一線で活躍することができますし、自分の意欲や頑張り次第で少しずつキャリアアップし、定年に向けて働き続けることが可能です。