ブルーインパルスパイロットになるには? 仕事内容や大変さを解説
名前は知らずとも、青と白にカラーリングされたジェット機によるアクロバット飛行の映像を見たことがあるという人も多いでしょう。
ここでは、航空自衛隊のなかでも花形といえるブルーインパルスのパイロットになる方法についてご紹介します。
ブルーインパルスパイロットの仕事内容
ブルーインパルスとは第4航空団第11飛行隊の通称であり、空自唯一の曲芸飛行を専門とするチームで、本部は宮城県の松島基地にあります。
航空自衛隊の存在を広く人々に知ってもらうため、6機のT-4というジェット機を駆使し、空自の航空祭や国民的行事などで曲芸飛行を披露します。
1964年の東京オリンピック開会式では、5色のスモークを使って空中に五輪描くというパフォーマンスを成功させ、ブルーインパルスの評価を世界的に高めるきっかけとなりました。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連でも展示飛行が行われ、多くの人の注目を集めました。
こうした名誉あるチームであり、空自のプロフェッショナル集団である戦闘機パイロットから、さらに選抜されたえりすぐりのパイロットがその大役を担います。
ブルーインパルスパイロットになるには
優秀な空自の戦闘機パイロットから選出
ブルーインパルスのパイロットは優秀な空自の戦闘機パイロットから選ばれます。
まず、空自のパイロットになるためには高校卒業後、航空学生として空自に入隊するか、防衛大学校もしくは一般大学を卒業し、飛行要員として幹部候補生学校に入学する必要があります。
いずれも狭き門となっていますが、18歳から手厚い訓練を受ける航空学生に入隊することが最も確実といわれます。
低い年齢から訓練を始めることは技量向上の近道であり、実際、ブルーインパルスのパイロットの約6割は航空学生出身といわれています。
ちなみに空自は2015年、航空学生の男女別採用人数枠と女性パイロットの戦闘機への配置制限を撤廃し、2018年には初の女性戦闘機パイロットが誕生しています。
こうした女性の活躍が目覚ましい中、空自の採用担当者は「将来的には、ブルーインパルスで活躍する女性パイロットも登場する時代が来る」と前向きに話します。
ブルーインパルスの任期は3年
ブルーインパルスのパイロットの任期は3年と決められています。
1年目はTR(訓練待機)として演技を修得し、展示飛行のときにはナレーションを行い、また後席に搭乗します。
2年目はOR(任務待機)として展示飛行を行います。
3年目は展示飛行を行いつつ、担当ポジションの教官として、TRメンバーに演技を教育します。
ブルーインパルスパイロットの活躍の場
ブルーインパルスの曲芸飛行のことを「展示飛行」と呼びます。
スケジュールは空自のホームページで確認することができ、全国の航空祭や祭、記念事業などで月に数回のペースで展示飛行が予定されています。
また、ブルーインパルスのパイロットとしての任期を終えた後は、実戦部隊として再び配属されることがほとんどですが、その際にはアクロバット飛行で学んだ高度な操縦技術が役に立つそうです。
ただ、手当等は他のパイロットと変わりありません。
ブルーインパルスパイロットのやりがい、楽しさ、魅力
空自唯一の曲芸飛行を専門とするチームに所属し、国民的なイベントで大技を披露するのは他では得られない経験です。
また、狭き門をくぐりけ、厳しい訓練を修了することで身に着けた高度な技術と知識を大勢の人に披露するのはこれ以上ない名誉でもあります。
ちなみに、ブルーインパルスのパイロットとして配属されている間は、実戦部隊から外れます。
厳しい任務から外れ、アクロバット飛行に専念することも、長い空自生活の中ではよい経験になるでしょう。
ブルーインパルスパイロットのつらいこと、大変なこと
戦闘機パイロットとして日本の空を守る任務に当たることとは、また違った重責を担うことになります。
大勢の前でアクロバット飛行を披露するというのは、当然緊張を伴います。
空自パイロットから選抜されたエリートチームということで、期待される技量の高さもプレッシャーです。
技の中には、ジェット機どうしが高速ですれ違うというような危険なものもあり、展示飛行は毎回命がけです。
また、ブルーインパルスのパイロットの任期は3年と定められています。
これは、アクロバット飛行に専念するため実戦部隊を離れることを嫌がる責任感の強いパイロットが多いためで、厳しい訓練を経てようやくパイロットにたどり着いても、ブルーインパルスとして長く活躍することができないのはつらいことのひとつでしょう。
ブルーインパルスパイロットになるには?のまとめ
ブルーインパルスのパイロットになるには、航空自衛隊の優秀な戦闘機パイロットから選ばれます。
搭乗するためには、ただ実力があるだけでなく、人間としても優秀で信頼がおける人物だと認められなくてはなりません。
まずは航空自衛隊に入隊し、パイロットとしてしっかりと経験を積んでいくことから始めることが大切です。