自衛隊のパイロットの種類は? どうやったらなれる?
自衛隊ではパイロットが活躍している
自衛隊にはさまざまな職種がありますが、とくに人気がある職種のひとつが「パイロット」です。
ハイテクの航空機を操縦し、颯爽と空を飛ぶパイロットになりたいと思い、自衛隊を目指す人もいるほどです。
そんな自衛隊のパイロットというと、航空自衛隊で活躍しているイメージが強いかもしれませんが、航空はもちろん、じつは海上自衛隊や陸上自衛隊にもパイロットがいます。
ここでは、それぞれの自衛隊で活躍するパイロットの仕事や、なる方法について紹介します。
航空自衛隊のパイロット
日本の空の安全を守る航空自衛隊のパイロットは、大きく分けると「戦闘機」「輸送機」「救難機」のいずれかを操縦します。
航空自衛隊では航空管制やレーダー、迎撃ミサイルなど高度なシステムを備えており、多種多様な航空機を運用しているため、確かな専門知識やスキルを持つパイロットの存在が必要不可欠です。
航空自衛隊のパイロットになる最も代表的な方法といえるのが、「航空学生」として自衛隊に入ることです。
航空自衛隊の航空学生の応募資格は「18歳以上21歳未満の者」です。
航空学生は、航空自衛隊や海上自衛隊のパイロットを養成するための制度であり、実際、航空自衛隊のパイロットの6割程度が航空学生の出身者とされているため、この道をたどればパイロットになれるチャンスをつかみやすいでしょう。
しかし、パイロットは人気職種であり、簡単になれるわけではありません。
航空学生として採用されると、山口県防府市にある「第12飛行教育団」に入隊し、約2年間、座学を中心とした基礎教育を受けます。
教育を修了すると、飛行幹部候補生として約2年間の飛行訓練を中心とした操縦教育を経て、パイロットの資格を取得します。
さらにその後約4ヵ月から1年で「戦闘機」「輸送機」「救難機」に分かれて教育訓練を受け、各部隊に配属されます。
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海上自衛隊のパイロット
海上自衛隊の航空機は、おもに日本周辺海域のパトロール(監視や情報収集)を行っており、ここでもパイロットが活躍しています。
海上自衛隊のパイロットになる代表的な方法は、航空自衛隊と同様、「航空学生」として自衛隊に入ることです。
海上自衛隊の航空学生の応募資格は「18歳以上23歳未満の者」です。
航空学生として採用されると、山口県下関市にある「海上自衛隊小月教育航空隊」に入隊し、約4年間の教育、飛行訓練を経てパイロットや戦術航空士の資格を取得します。
なお、高等学校卒業後に海上自衛隊航空学生として採用された場合、最短20歳で航空機に乗り始め、 23歳でヘリコプターパイロットの資格を取得することができます。
陸上自衛隊のパイロット
陸上自衛隊は、最もパイロットの仕事とイメージが結びつかないかもしれません。
しかし、陸上自衛隊でもヘリコプターを中心に航空機が運用されており、パイロットの職種で活躍する自衛官がいます。
ただし、陸上自衛隊の場合、航空自衛隊と海上自衛隊のような「航空学生」の制度がないため、別の道からパイロットを目指す必要があります。
そのひとつが「陸曹航空操縦課程」というものです。
これは、すでに陸上自衛隊で働いている人がヘリコプターパイロットを目指すコースで、まずは各部隊で選抜を受けて陸曹に昇任する必要があります。
その後、1年以上部隊での勤務経験を積み、その段階で27歳未満であればパイロットとしての受験資格が与えられます。
このほか、幹部候補生として入隊し、飛行要員に選抜されるコースもあります。
陸上自衛隊には、最初からパイロットを目指すことを前提とした教育を受けるコースはないため、もしパイロットを目指す場合には、より強い入隊後の熱意や努力が求められてきます。