自衛隊の幹部になるには? 幹部候補生とは?
幹部になるルートはいくつかある
自衛隊の幹部になるには、大きく分けて2通りのパターンがあります。
ひとつは、幹部になることを前提とした「防衛大学校学生」や「自衛隊幹部候補生」として入隊するケース、そしてもうひとつは、自衛隊に入隊してから昇級を重ねて幹部へキャリアアップするケースです。
幹部候補として入隊するケース
「防衛大学校学生」や「自衛隊幹部候補生」など、入隊の時点で幹部になることを前提とするルートで入隊する人は、頭が切れる人が多いようです。
こちらのルートでは、所定の教育を受け、部隊に配属された後は中隊長クラス以上の役職に就きますので、頭脳が明晰というだけではなく、部隊全体を統制したり把握したりする能力が必要になります。
なかには、作戦を考える能力が優れているという理由で幹部になることもあるようです。
自衛隊のなかでもエリートといえますが、現場を経験していないだけに、現場の支持が得られずに苦労する人もいます。
なお、自衛隊幹部候補生は「一般幹部候補生」「歯科幹部候補生」「薬剤科幹部候補生」と3つのコースに分かれており、一般大学のほか、大学の歯学科や薬学科から自衛隊の幹部を目指すこともできます。
現場の叩き上げで幹部になるケース
入隊後に昇級を重ね、叩き上げで幹部になる人もいます。
入隊後に幹部になる人は、文武両道タイプが多いことが特徴です。
幹部になるための勉強は大変ですが、それだけでなく普段からの訓練もこなしているので体も鍛えられています。
また、こちらのケースは幹部候補生で入隊してきた幹部よりも一般隊員に接する機会が多いので、現場隊員からの信頼は厚い傾向にあります。
実際、幹部になるための知識だけでなく、下の階級のときから現場を知っているので、一般隊員の気持ちや立場をよく理解している人が多いようです。
そして叩き上げの幹部は直接部隊で一緒に訓練することもあるので、一般隊員とのコミュニケーションも多くなります。
現場での出来事に柔軟に対応する能力があり、人間的に魅力のある人が幹部になりやすいようです。
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どのような幹部を目指したいか
このように、同じ自衛隊の幹部でも、最初から幹部になるためのルートで自衛隊に入る人と、現場で働きながら幹部へのステップアップを目指す人がいます。
確実に幹部になりたい人、自衛隊内で出世したい人、持ち前の頭脳を使って部隊全体を自分の作戦で動かしたいといった人は、幹部候補生の道から入隊したほうがいいかもしれません。
逆に、訓練で一般隊員と一緒になりながら現場を指揮したいという人は、現場で下積みをしながら幹部を目指すことで得られるものも多くあるはずです。
なお、幹部はそれなりの地位や待遇が得られますが、幹部のなかでもどんどん上を目指すためには、かなりの勉強量と、実務で成果を残していかなくてはなりません。
決して楽な立場ではありませんので、そのことはしっかりと頭に入れておく必要があります。