行政書士合格までの勉強時間はどれくらい?

行政書士試験の合格に必要な勉強時間は?

行政書士試験に合格するため必要になる勉強時間は、法律などをまったく学んだことのない初学者の場合、およそ800時間とされています。

大学の法学部出身者や、宅建士などほかの法律系資格を勉強したことのある既修者は、必要時間がもう少し短くなり、500時間ほどが目安になります。

これは、仮に1日2時間勉強すると仮定した場合、初学者で約1年2か月、既修者で約8か月、1日3時間勉強するとしても、初学者で約9か月、既修者で約5か月ほどかかる計算です。

行政書士試験に合格するためには、中長期的な計画に基づいて、コツコツと勉強に取り組んでいくことが必要といえるでしょう。

行政書士試験合格までのスケジュール

行政書士試験は、年に1回、毎年11月の第2日曜日に実施されますので、そこから逆算して合格までのスケジュールを組んでいくことになります。

専門学校などに通学するのか自分で勉強するのかといった違いによって多少の差はありますが、初学者は受験する前年の冬頃から、既修者は年明け頃から勉強をスタートさせることが望ましいでしょう。

勉強開始直後は、過去問や模試などに取り組むよりも、テキストや参考書などで法律に関する基礎知識の修得に励むべきです。

数か月かけてある程度の基礎を身につけたら、試験の約3か月前、8月のお盆の時期を目途に、過去問の研究や演習問題に取り掛かりましょう。

出題形式や試験の流れに慣れておけばおくほど、本番でも有利になります。

なお、行政書士試験は明確に合格基準が定められており、分野ごとに足切り点数があるものの、基本的に全体で300点満点中180点、6割以上を得点すれば合格となります。

模擬試験などを随時行うことで、自分の学習進捗状況を把握することが可能ですので、11月の試験日を意識しながら、合格するために必要な実力を養いましょう。

効率よく行政書士試験を勉強するには?

行政書士試験の出題科目

行政書士試験では、全部で8科目が出題され、それらは大きく「法令等科目」と「一般知識」の2つに分けることができます。

法令等科目は、憲法、民法、商法、行政法、基礎法学の5科目、一般知識は、政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解の3科目です。

勉強しなければならない分野が広くて大変に思うかもしれませんが、全科目がまんべんなく出題されるわけではなく、科目ごとに偏りがあります。

それらを把握し、的確な傾向と対策を立てることが、合格への近道です。

効率のよい勉強方法

行政書士試験は、基本的に6割以上の得点を取れば合格となりますが、反対にいうと、7割も8割も得点する必要はありません。

従って、まずはウェイトの重い分野から重点的に攻めるべきです。

試験の配転比率をみれば、法令等科目の民法と行政法だけで試験全体の半分以上を占めており、両科目で満点を取ることができれば、それだけで得点は6割に達します。

ただし、一般知識科目には「足切り」があり、約4割以上の得点がないと不合格になってしまいますので、これらについてもある程度勉強しておくことが必要です。

普段から社会情勢や時事問題に意識を傾け、新聞やニュースなどをチェックするとともに、情報通信・個人情報保護の問題に対応するために、個人情報保護に関する条文をよく見ておくとよいでしょう。

民法と行政法で8割~9割の得点を取り、一般知識科目で必要最低限の点数を取れれば、合計で点数は6割超となりますので、理論上はほかの科目が0点でも合格可能です。

ただ、これはあくまで極端な例であり、実際に民法で8割以上も得点することはかなり厳しいといえます。

そこで、次に重点的に勉強するべきは、配転比率の高い憲法です。

憲法は、根本的に条文そのものが少ないうえ、主だった判例さえ覚えておけば得点しやすいため、効率の高い科目といえます。

それとは対照的に、商法は、覚えなければならない条文が多い一方、配転比率はさして高くありませんので、勉強する優先順位としては低くなり、後回しにしたほうがよいかもしれません。

もちろん、実際には各科目ごとに個人の得意・不得意がありますので、一概にはいえませんが、上記のように科目ごとに濃淡をつけて学習することが、効率よく行政書士試験に合格するポイントです。

最近の行政書士試験の傾向

近年の行政書士試験は、法的思考力・理解力を問うような応用系の問題が出題される傾向が強まっており、かつてのように、過去問や法律を丸暗記すれば合格できるという試験ではなくなっています。

そのため、独学だけでは十分に対策ができないというケースも散見されますので、自力での学習に困難を感じる場合は、資格スクールや通信教育などを活用するとよいでしょう。

また、大学の法学部に通う現役学生の場合は、行政書士試験に関する対策講座を大学が開いているケースもありますので、自分の通う大学に確認してみるとよいかもしれません。

行政書士になってから

苦労して試験に合格し、行政書士になってからも、それがゴールではありません。

業務を行うにあたっては、実務知識を身につけていかなければなりませんし、「弁護士」や「司法書士」など、他士業の専門家と連携して仕事をするために、常に自己研鑽し続けることが求められます。

また、顧客の多様なニーズに対応できる行政書士になるために、「宅地建物取引士」や「ファイナンシャルプランナー」といった他資格とのダブルライセンスを目指して勉強を続ける人もいます。

行政書士は、生涯にわたって努力することが必要になる職業といえるでしょう。