行政書士の年収はいくら? 給料相場や初任給を解説

行政書士は、法律系国家資格のひとつとして人気がある職業です。

士業としての専門的な業務に携わりますが、時代が進むにつれて資格保有者も増え、行政書士だけで働く人の平均年収は以前に比べるとやや下落傾向にあるといわれています。

この記事では、行政書士の年収や給料事情、待遇などについて詳しく解説しています。

行政書士の平均年収・給料の統計データ

行政書士は、代表的な法律系国家資格のひとつです。

専門職ではありますが、近年は資格保有者が増えたことで報酬単価が下落傾向にあり、行政書士の給料もさほど期待できなくなっています。

個人差が大きいものの、行政書士の大半は年収500万円以下であり、一般的な会社員の平均年収とさして変わらない水準であるのが実情です。

独立開業者のなかには、年収1000万円以上を稼いでいる人がいるのも事実ですが、ごく一部であると捉える必要があるでしょう。

行政書士の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

行政書士の平均年収_2023

厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、行政書士の平均年収は、42歳で551万円ほどとなっています。

  • 平均年齢:41.6歳
  • 勤続年数:10.4年
  • 労働時間/月:162時間/月
  • 超過労働:10時間/月
  • 月額給与:377,000円
  • 年間賞与:989,600円
  • 平均年収:5,513,600円
  • ※出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」

    行政書士の年収の推移_r5

    ※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
    ※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

    求人サービス各社の統計データ

    職業・出典 平均年収 年収詳細
    行政書士
    (転職会議)
    371万円 20代前半:275万円
    20代後半:416万円
    30代:475万円
    40代以上:279万円
    行政書士
    (Indeed)
    3,736,020円 時給 1,310円
    日給16,350円
    月給264,517円
    行政書士
    (求人ボックス)
    425万円 正社員月給35万円
    アルバイト時給1,095円
    派遣時給1,500円
    行政書士
    (フォーサイト)
    300万円~700万円 -

    各社の統計データをまとめると、行政書士の年収は300万円~400万円に集中していることがわかります。

    ただし、行政書士の中には会社員と兼業していたり、時間のあるときだけ資格を使って働くという副業程度の活動をする人もいます。

    このため、行政書士を本業としている人の収入はもう少し上で、およそ400万円~500万円が実態であると想定されます。

    行政書士の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

    フルタイムで行政書士として働いている人の平均年収を450万円、ボーナスを月給の2か月分と仮定すると、月収は約32万円、ボーナスは約64万円となります。

    額面金額から、税金や社会保険料などを差し引いた手取り金額は、独身者の場合で月収が約25万円~26万円、ボーナスが約51万円で、日本人の平均くらいになると思われます。

    なお、行政書士のボーナス事情は勤め先によって差があり、支給額がもっと少なかったり、まったく支給されないところもあるといわれています。

    その場合の年収は400万円を切ることも考えられるでしょう。

    行政書士の初任給はどれくらい?

    行政書士の初任給は、20万~22万円前後が相場とされています。

    資格を持たない他職業の大卒初任給とほぼ同額となると、国家資格を取った意味がないように感じられるかもしれません。

    しかし、行政書士の大半は数年程度で独立するため、新人や若手の期間は、やがて開業するための「準備期間」と捉えることもできます。

    ひと通りの実務を習いつつ、平均的な給料ももらえると考えると、決して悪い水準ではないかもしれません。

    行政書士の勤務先の規模別の年収(令和5年度)

    行政書士の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

    10〜99人規模の事業所に勤める行政書士の平均年収は516万円、100〜999人規模は526万円、1,000人以上の規模では620万円、10人以上規模の事業所平均は551万円となっています。

    行政書士の年収(規模別)_r5

    上記グラフの基タイトルは「他に分類されない専門的職業従事者」で司書通訳など他職業を含むデータです。

    賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

    行政書士の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)

    行政書士の年収は、年齢が上がってもあまり変わらない傾向にあります。最も年収が高い世代は、45~49歳の698万円です。

    全年代の平均年収は551万円となっています。

    行政書士の年収(年齢別)_r5

    上記グラフの基タイトルは「他に分類されない専門的職業従事者」で司書、通訳など他職業を含むデータです。

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    行政書士の福利厚生の特徴は?

    行政書士の福利厚生は、一部の大手行政書士法人などを除けば、あまり恵まれているとはいえません。

    健康保険や雇用保険など、ひと通りの制度は整っている事務所が大半であるものの、それ以上の扶養手当や住宅手当などまで支給されるケースはかなりまれです。

    有給休暇なども、少人数の事務所では、自分の仕事をカバーしてくれるスタッフが足りず、なかなか取得できないことがあるかもしれません。

    また、独立・開業した場合は、雇われているときのような福利厚生はまったくなくなります。

    そのため、日本行政書士会連合会の各種保険に加入するなど、自分でさまざまなリスクに備えることが求められます。

    行政書士の給料・年収の特徴

    ここからは、行政書士の給料・年収の特徴を紹介します。

    特徴1.職業全体のばらつきが非常に大きい

    日本行政書士会連合会が行ったアンケートによると、行政書士の約8割が年間売上高500万円未満となっている一方で、1000万円以上の人も1割以上おり、なかには1億円以上という人もいます。

    売上イコール年収というわけではなく、売上が高くなるほど、補助者などの人件費がかかって経費率が上昇しますが、それでも上位の行政書士の年収は数千万円前後になると思われます。

    副業程度で、年収100万円程度の行政書士もいることを考えると、行政書士の年収は100万円未満から数千万円まで、きわめて幅広い点が特徴的といえるでしょう。

    それはつまり、行政書士は、やり方次第で大金を稼げる可能性が十分にあるということです。

    また、売上高500万円未満の行政書士が最も多いとはいえ、全員が全力で働いても500万円を超えないというわけではありません。

    労働時間やカレンダーに縛られず、のんびりマイペースに働いた結果が売上高300万円という人もいます。

    行政書士の給料のばらつきが大きいのは、行政書士という職業の働き方や個々人の考え方が、非常にバラエティに富んでいるからであるともいえるでしょう。

    特徴2.収入は手掛ける分野に大きく左右される

    行政書士は、公的文書作成全般のプロであり、手掛ける書類の数は1万を超えるといわれています。

    しかし、それだけ範囲が広大になるとすべての分野を網羅することは現実的に不可能であり、行政書士はある程度取り扱い業務を絞って依頼を請け負うケースが一般的です。

    このため、たとえば店舗開業や許認可申請、相続関係など、どのような分野を得意とするかで、行政書士の収入事情は大きく異なります。

    また、社会情勢によって、特定のニーズが大きく伸びることもあります。

    2007年に食肉偽装が社会的な大問題となった際には、安全性を消費者にアピールするために、「ISO」と呼ばれる認証を取得する企業が急増し、ISO専門の行政書士が大活躍しました。

    どのような分野に着目するかは個人次第ですので、そういった意味では、行政書士には、時代を先読みする能力が必要なのかもしれません。

    特徴3.収入が高いのはほかの難関資格との兼業者

    行政書士は、ほかの職業よりも兼業割合が非常に高く、独立開業者のおよそ4割が、会社員やほかの士業系資格との兼業であるといわれています。

    なかでも、司法書士税理士、社労士(社会保険労務士)などの士業系国家資格とのダブルライセンスで働いている人は、通常の行政書士よりもはるかに高給を得ているケースが目立ちます。

    これらの国家資格は、それぞれの資格保有者しかできない「独占業務」があり、単純に収入を得る手段がふたつに増えるぶん、給料アップに直結します。

    ただし、いずれの国家資格についても取得難易度はかなり高く、行政書士を上回る勉強量が必要です。

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    勤務先別に見る給料・年収

    ここからは、行政書士の勤務先別による給料・年収の特徴を紹介します。

    行政書士事務所で働く行政書士の給料

    行政書士事務所に勤める行政書士の給料は、年収200万円~300万円前後が相場であり、かなりの低水準といえます。

    しかし、雇われの期間は、開業を見据えた修業時代と考えてよいでしょう。

    給料などの待遇は二の次で、実務経験を積みながら、自分なりの得意分野を見つけて、独立につなげることが最優先です。

    一般企業で働く行政書士の給料

    行政書士としての知識を生かして、一般企業の法務部や総務部などで働く場合の給料は、年収400万円~700万円ほどが相場とされています。

    ただし、行政書士は独立・開業型の資格であり、組織内で資格を使って仕事をすることはできないため、あくまで会社員として給料を受け取るかたちになります。

    独立して働く行政書士の給料

    独立して自分の事務所を開業する行政書士の給料は、個人の能力次第となり、年収200万円で食べていくのが精一杯という人から、年収3000万円を稼ぐ人までさまざまです。

    ただし、曖昧に幅広い業務を手掛ける人よりも、特定業務に専門化し、ターゲットを明確に絞り込んでいる人のほうが、収入が高くなりやすい傾向にあります。

    行政書士が収入を上げるためには?

    行政書士は、仕事の範囲が広く、報酬単価も自分で設定できるという自由度の高さが大きな特徴であるため、収入を上げるための経営戦略はいくつも考えられます。

    営業力に自信があるなら、メジャーで需要の大きい分野の案件を数多く手掛けて、低単価・高回転で稼ぐ方法があります。

    反対に、あえて競争相手の少ないニッチな分野に着目して、市場そのものを独占する方法もあるでしょう。

    勉強が得意なら他の国家資格取得をあわせて取得し、業務の幅を広げることが考えられます。

    さらに、リーダーシップに自信があれば、他の行政書士や補助者を多く雇用し、規模で勝負する方法もあります。

    自分自身を見つめて、強みが何であるかを正確に把握することが、収入を伸ばすための第一歩といえるでしょう。

    「行政書士の年収・給料」まとめ

    行政書士は、国家資格を持つ専門的な職業ではありますが、ものすごく高い収入を得ている人はそこまで多いわけではありません。

    なお、行政書士を専業としてやっていく多くの人は、将来的に独立・開業を目指します。

    行政書士事務所などで雇われて働く期間は、さほど給料が高くなくても修業期間と捉える必要もあるかもしれません。

    他の士業系資格もあわせて取得することで、収入アップにつなげる例もあります。

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