営業事務の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

営業事務は営業をサポートする仕事として企業に欠かせない存在ですが、年収はどの程度なのでしょうか。

ここでは営業事務の年収に焦点を当て、給料・手取り額について紹介します。

また、営業事務としてのキャリアアップや高収入を得るための方法も紹介します。

営業事務の仕事に興味を持つ方やキャリアを向上させたい方は、ぜひご覧ください。

営業事務の平均年収・給料の統計データ

営業事務の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

営業事務の平均年収_2023

厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、営業事務の平均年収は、42.2歳で496万円ほどとなっています。

・平均年齢:42.2歳
・勤続年数:12.6年
・労働時間/月:164時間/月
・超過労働:9時間/月
・月額給与: 330,900円
・年間賞与: 991,700円
・平均年収:4,962,500円

出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
営業事務の年収の推移_r5

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

また、各企業や就職サイトなどのデータによれば、営業事務の給与は平均的には約300万円から400万円くらいで、求人の給与の範囲は主に270万円から350万円程度です。

営業事務の給与は、年を重ねるごとに上がる傾向がありますが、他の仕事に比べると上昇率はやや低めです。

地域や業界・業種によっても給与には差があり、実際の現場によって違いがあります。

営業事務のお仕事にはボーナスがもらえる場合もあれば、いくらもらえるかも職場によって大きく違います。

数字は平均的なもので、実際の状況は現場によりさまざまであるため、大きく異なる場合もあります。

営業事務の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

営業事務の平均給与が約300万円から400万円だと仮定すると、年に2回のボーナス(それぞれ月給の2カ月分相当)が支給されると考えられます。

この場合、月給は約18万円から25万円で、夏と冬のボーナスはそれぞれ37万円から50万円になります。

営業事務の平均年収を352万円とし、夏・冬にボーナスが2カ月ずつ支給された場合、額面支給額と実際の手取り額は以下のようになります。

額面 手取り
平均月収 220,000円 184,046円
ボーナス(2カ月分) 440,000円 361,706円
年収 3,520,000円 2,931,964円

手取りの金額は、家族構成や前年度の所得状況など、個人の様々な条件によって異なりますので、これはあくまで参考程度の考え方です。

営業事務の初任給はどれくらい?

求人サービスや新卒向けの就活サイトによると、営業事務の初任給は一般的に17万円〜21万円ほどです。

外国語や特殊な知識・資格が必要な求人では、営業事務の初任給が高めに設定されているようです。

ただし、高卒求人や地方の求人では初任給が低いことがあり、例えば初任給が18万円の場合、手取り額は約15万円前後になります。

ただしこれらの数字はあくまで平均的なもので、具体的な条件によって変動する可能性があります。

営業事務の勤務先の規模別の年収(令和5年度)

営業事務の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤める営業事務の平均年収は425万円、100〜999人規模は485万円、1,000人以上の規模では569万円、10人以上規模の事業所平均は496万円となっています。

営業事務の年収(規模別)_r5

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

営業事務の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)

営業事務の年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の590万円です。

全年代の平均年収は496万円となっています。

営業事務の年収(年齢別)_r5

営業事務の福利厚生の特徴は?

営業事務の福利厚生は、企業の福利厚生ルールに基づきます。

大企業では、交通費や資格手当、テレワーク手当などの手当があり、スポーツジムや福利厚生施設も充実していることがよくあります。

中小企業では、カフェテリア方式の福利厚生サービスが提供されていることが増えてきています。

有給休暇や慶弔休暇、年に1~2回の長期休暇はもちろんのこと、育児休暇や看護休暇などの休暇制度が整備されている企業も存在します。

他の職種と比べて特に優れているわけではないですが、休暇の取得や福利厚生サービスの利用がしやすい職種といえます。

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営業事務の給料・年収の特徴

年齢・勤務年数の影響が大きい

営業事務の給料は、主に年齢や勤務年数の影響を強く受けるのが特徴です。

この職種では直接的な売上への貢献が少なく、仕事のスキルアップが給料アップに直結することは稀です。

そのため昇進の機会も限られており、昇進に伴う昇給も期待できないことが一般的です。

ただし、営業事務の仕事においては、堅実な働きぶりや信頼性を築き上げ、長期間にわたって勤務することが給料向上に繋がりやすい傾向があります。

残業の有無に注意

営業事務の仕事では、残業が収入に影響することがよくあります。

求人サービスのデータによると男性の方が平均給料が高い傾向が見られますが、これは年齢給の影響よりも大きく、昇進の機会が制限されているためです。

この差の理由として考えられるのは、残業時間です。

男性が多い職場では、体力的な理由や家庭の理解を得やすいことから、残業がより一般的になり、それが給料の違いにつながっている可能性があります。

営業事務を目指す場合は、ワークライフバランスや希望する年収を考慮し、残業の有無に注目することが重要です。

職場による待遇差が大きい

営業事務の仕事範囲は、職場によって異なり、必要なスキルや仕事量によって給料にも違いがあります。

特に、「営業アシスタント」と呼ばれる役職では、営業職に近い業務が求められ、顧客と直接やり取りが発生することがあります。

そのため、残業も相対的に多くなりやすく、これが年収が比較的高い理由となります。

一方で、事務仕事のみの職場では業務の負担が軽く、定時で帰ることができる反面、給料は比較的低く設定されることがあります。

組織や仕事内容によって、希望する仕事スタイルや給与水準を考慮して選ぶことが重要です。

営業事務の正社員以外の給料・年収

派遣社員

営業事務の派遣社員の時給は、一般的に1,100円〜1,700円が中心となっています。

具体的な業務内容は企業の業界や業種によって異なりますが、主な仕事は営業活動に伴う書類の作成・管理・処理対応や、顧客からの電話応対などが中心です。

派遣の場合、残業の有無は契約によって異なりますが、一般的には予定外の残業は少ない傾向があります。

例えば、時給が1,500円で月の稼働時間が160時間だと仮定すると、単純計算で月収は24万円、年収は288万円になります。

ただし、実際の収入は契約条件や業務状況により変動するため、具体的な契約内容を確認することが重要です。

アルバイト

営業事務にはアルバイトも多くおり、主にメインの営業事務担当者のアシスタントを務めることが一般的です。

アルバイトの業務内容は、基本的にはメイン担当者とほぼ同様ですが、スキルが必要な仕事はあまり委託されることが少ないです。

アルバイトの時給は、仕事内容によって900円~1,200円程度まで幅があります。

また、営業事務として勤務していた人が、家庭の都合などでアルバイトに転身し、勤務日数を減らしながら会社に残って働くケースも見受けられます。

例えば、時給が1,000円で月の労働時間が80時間と仮定すると、月収は8万円、年収で96万円になります。

ただし、これは一般的な条件であり、実際の給与は契約条件や業務状況によって変動する可能性があります。

フリーランス

フリーランスの営業事務は、通常のオフィスでの営業事務とはやや異なる役割をもって働いています。

彼らの業務は、主に営業に関連する事務処理よりも、営業資料や営業用のリストの作成、またはメールやSNSを活用した顧客開拓が多くなります。

これにより、営業事務というよりも、営業やマーケティング寄りの業務が中心になります。

別のアプローチとして、「一般事務」や「アシスタント」として仕事を探し、その中で営業関連の事務も担当することがあります。

フリーランスの場合、案件を安定して獲得できれば、年収が300万円から500万円程度を目指すことは十分可能です。

ただし、案件の獲得や安定性が重要な要素となります。

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営業事務が収入を上げるためには?

仕事で信頼を得て長く勤める

営業事務として収入を増やすためには、堅実な仕事で信頼を築き、勤務年数や年齢給による昇給を目指すことが一番確実です。

通常、営業職は売上や契約数に応じて歩合などのインセンティブがつくことがありますが、営業事務にはこれが基本的には適用されません。

そのため、営業事務で高い年収を得るためには、単に事務作業を行うだけでなく、他の業務をこなす必要があります。

「替えが利かない人材」として認識され、周囲に信頼される仕事ぶりを示せれば、会社の状況が悪化しない限り、待遇が低下することや解雇されることは少ないでしょう。

特に営業事務が多い企業では、営業事務のリーダーや教育係として頼りにされ、それに伴う手当が支給されることもあります。

このようなポジションに昇進することで、仕事と収入の安定が期待でき、慣れ親しんだ環境での勤務がメリットとなります。

スキルアップして転職する

営業事務として収入を増やすために、スキルアップをして転職することは一般的です。

パソコンスキルや業界知識を向上させ、大手企業に転職することで、転職時の収入アップだけでなく、基本給の向上も期待できます。

特に外資系企業や商社・貿易業などでは、英語能力が必要とされる場合があり、そのようなスキルに見合った報酬が提示されることもあります。

語学に自信がある場合、これを活かして転職に挑戦することで、報酬アップのチャンスが広がるでしょう。

また、営業事務の経験を活かし、営業スキルを身につけて営業職に転職する人も多くみられます。

営業事務の年収のまとめ

一般的に、営業事務は事務職の働き方の一つであり、そのため年収は比較的低めに設定されています。

年収をアップさせるには、営業担当者を手厚くサポートしたり、営業課全体の業務を把握して全体をサポートするなど、必要不可欠な存在としての価値を高めることが求められます。

ただし、会社に所属している限り、年収には限界があるため、もし高い年収を目指すのであれば、営業事務のスキルを活かしながらステップアップすることも一つの選択肢です。