土木作業員の働き方の種類・雇用形態

土木作業員の雇用形態

土木作業員というと、「日雇い」や「短期」というキーワードが浮かび、なんとなく非正規雇用が多いという印象をもつ人もいるかもしれません。

しかし、総務省統計局の調査によれば、建設関係の仕事に従事する男性のうち、およそ8割は正規雇用であり、土木作業員も、その大半は建設会社などに所属する正社員として働いています。

ただし、実際の求人形態はかなり多様で、もちろん正規雇用の募集もありますが、派遣社員や契約社員、アルバイト・パートといった非正規の募集も大量にあります。

たとえば道路建設などの大掛かりなインフラ工事や、地震や豪雨などに伴う災害復旧工事では、一時的に大量の人手が必要になるため、短期で土木作業員の募集がなされるケースもよくあります。

けがや事故といったリスクの大きい土木作業員にとって、最も望ましい雇用形態は、いうまでもなく正社員ですが、その一方、非正規には非正規なりのメリットがあることも否めません。

以下では、雇用形態別に、土木作業員の仕事内容や特徴、給料などの待遇面についてご紹介しますので、働き方を決めるうえでの参考にしてください。

正社員の土木作業員

正社員の特徴

正社員の土木作業員の最大の特徴は、学歴や実務経験、資格などがなくても、採用されることがそこまで難しくないということです。

近年は、土木作業員全体の高齢化、少子化による若年層人口の減少などによって、業界全体で人手不足にあえいでおり、やる気さえあれば正社員として雇うという企業は数多くあります。

正社員であれば、社会保険や労災保険など、企業からの福利厚生を受けることができますので、万一のときも安心です。

また、社員の育成に熱心な企業も多く、資格取得などのサポートを受けることもできますので、キャリアアップも図りやすいでしょう。

非正規と比べると、責任は大きくなりますが、特段の事情がない限り、正社員として働くに越したことはありません。

正社員の待遇

正社員として働く土木作業員は、月給25万円前後、年収にして300万円~350万円前後が相場です。

土木作業員の勤務先の多くは、働いた日数によって月給が上下する日給月給制が採用されているため、時期や天候によっては、仕事がない・仕事ができないという日もある程度発生します。

また、ボーナスの支給が一般企業より少なかったり、あるいはまったくないというところもあり、そうした事情が、それほど年収が高くない要因となっています。

しかし、土木作業員の給料は自身の実力次第ですので、正社員であれば、上述したようなキャリアアップによって、相場以上の金額を稼げるチャンスも十二分にあります。

派遣社員の土木作業員

派遣社員の特徴

派遣社員や契約社員の土木作業員は、請け負った工事が完成するまで、あるいは3ヵ月間だけ、半年間だけといったように、期間を区切って働きます。

被災地の復興工事などでは、作業の進捗状況をみながら随時契約を更新していくこともありますが、あくまで有期契約であり、雇用形態としては不安定といわざるを得ません。

また、正社員とは違って、それほど手厚い福利厚生を受けられるわけではありませんので、任意保険に加入するなど、自分で万一の事態に備えることも必要になります。

ただし、興味の幅が広く、多様な現場を経験してみたい、さまざまな技術を磨きたいという人については、あえてリスクを引き受けて、非正規で職場を転々とするという選択肢もあるかもしれません。

派遣社員の待遇

派遣社員の土木作業員の給料は、採用時点での能力や保有資格によって決まりますので、かなり個人差が大きくなりますが、月給25万円~50万円前後が相場です。

土木施工管理技士などの難関国家資格を持っていたり、たとえば海中や地下など、特殊な現場に対応できる専門的スキルがあると、高単価になります。

しかし、雇用期間が短い関係上、必ずしも1年を通して休みなく働き続けられるとは限りませんので、年収ベースでみると、正社員より劣るケースが目立ちます。

まして生涯年収で比較するなら、正社員を超えることはきわめて困難といえるでしょう。

アルバイト・パートの土木作業員

アルバイト・パートの特徴

土木作業員は、建設業界の仕事のなかでも、大工左官職人、とび職などとは違って、基礎技術がなくても、筋力や体力さえあれば、いきなり即戦力として働くことも可能です。

このため、アルバイトの求人も非常に豊富であり、大学生やフリーターが土木作業員として働くケースもよく見られます。

アルバイトの土木作業員の仕事内容は、砂煙を防ぐための水撒きや資材運び、現場の清掃、通行人の誘導など、危険度が少なく、単純な仕事に限られているケースが目立ちます。

なお、土木作業員のアルバイトは、運転免許が求められることもありますので、応募の際には確認しておいたほうがよいかもしれません。

アルバイト・パートの待遇

アルバイト・パートの土木作業員の給料は、一般的なアルバイトとは違って時給ではなく日給で計算され、日給1万円~2万円前後が相場です。

働く地域や作業内容、人手の充足状況にもよりますが、未経験者については日給8000円となることも珍しくなく、そこまで効率よく稼げる仕事とはいえません。

ただ、これから本格的に土木工事に携わるかどうか悩んでいる人については、アルバイトで働くことは、現場の雰囲気を知るうえでよい経験となるでしょう。

また、その日の仕事終わりに、日払いで給料が支給されるところも少なくありませんので、すぐに現金が必要な場合は、ありがたい仕事といえるでしょう。

フリーランス(親方)の土木作業員

土木作業員のなかには、企業に雇用されるのではなく、独立してフリーランスで働く人も一部います。

フリーランスの土木作業員は、元請業者と直接工事契約を結び、工事現場ごと、あるいは作業日数ごとに報酬を受け取って働きます。

得られる報酬は完全に自身の能力次第となりますが、労働時間でみれば、間に企業を挟まない分、雇われよりもはるかに高単価です。

しかし、自分の都合のいいように、途切れなく依頼が入るわけではありませんし、時期によっては仕事がない日々が続く可能性もあり、収入は不安定になりがちです。

また、いかに収入が多くても、健康保険や国民年金、各種任意保険などの保険料をすべて自分で負担しなければならないため、支出もかなりの額にのぼり、実際に使えるお金は限られます。

仕事の自由度があがるのは間違いなく、自分の腕次第で効率よくお金を稼げる可能性もありますが、フリーランスは、かなりリスクの高い働き方といえるでしょう。