シェフの年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

シェフの平均年収・給料の統計データ

シェフの平均年収・月収・ボーナス

シェフの給料は、実力や知名度、勤務先、ポジションなどによって大きく変わってきます。

レストランやホテルなどへ就職する人もいれば、独立して自身の店を経営していく人もおり、働き方もさまざまです。

世界に名を馳せるような超一流シェフになれば、年収1000万円以上をゆうに稼ぐことは可能です。

また、料理をプロデュースしたり、グルメ本の執筆やメディア出演を果たしたりと、多方面で活躍することができます。

しかし、シェフになるには、まず一般の料理人やコックとして長年の厳しい修業が必要であり、下積み時代は決して高いとは言えない収入で生活していく覚悟が必要です。

賃金構造基本統計調査

シェフの平均年収_2022

厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査によると、シェフの平均年収は、45.8歳で340万円ほどとなっています。

・平均年齢: 45.8歳
・勤続年数: 9.6年
・労働時間/月:168時間/月
・超過労働:13時間/月
・月額給与:260,600円
・年間賞与:268,000円
・平均年収:3,395,200円

出典:厚生労働省「令和4年度 賃金構造基本統計調査」
シェフの平均年収の推移_r4

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
料理長
(Indeed)
4,635,957円 時給 1,626円
月給 328,234円
シェフ
(求人ボックス)
380万円(正社員) 平均時給
派遣社員:1,502円
アルバイト・パート:998円

各社の調査データでは、シェフの平均年収は310万円~460万円程度で、やや大きな幅があります。

この背景には、ひとくちに「シェフ」といっても、実際の給料は経験や勤務先によってかなり差が出てくるためと考えられます。

基本的に、シェフは能力が高く、知名度を上げていくほど収入も増えます。

経験を積むと独立して自分の店を出す人もおり、シェフの平均年収を大きく超える収入を手にしている人もいます。

シェフの手取りの平均月収・年収・ボーナスは

大手ホテルに勤める年収500万円のシェフの手取り月給は、ボーナスが年に2回(合計で基本給の2ヵ月分)支給される場合、手取り月収は25万円前後、ボーナスは50万円前後と考えられます。

しかし、ボーナスの支給は毎年必ずあるとは限らず、あっても個人店では数万円程度ということもあります。

自分で店を経営している場合には、売上が大きく、利益も多く出れば手取りを増やせますが、軌道に乗るまでは安定した収入が得られない可能性も否定できません。

シェフの初任給はどれくらい?

シェフは、未経験者や新人がいきなりなれる職業ではありません。

料理人やコックとして10年程度の修業が必要になりますが、現場に入ったばかりの人の初任給は、勤務先や雇用形態、業務内容などによって大きく異なります。

料理の世界では新人は下積み時代にあたるため、給料はもらえても10万円~15万円ほどということが珍しくありません。

とくに昔ながらの師弟関係が色濃く残っている職場では、「働きながら学び、技術を習得する期間」という風に考えられ、住み込みで、ほとんど無給に近い状態で働くような人もいます。

一方、調理専門学校を出て大手企業が運営するレストランやホテルなどへ就職した場合は、初任給として15万円ほどはもらえる場合が多いです。

シェフの勤務先の規模別の年収(令和4年度)

シェフの年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤めるシェフの平均年収は341万円、100〜999人規模は318万円、1,000人以上の規模では367万円、10人以上規模の事業所平均は340万円となっています。

シェフの年収(規模別)_r4

上記グラフの基タイトルは「飲食物調理従事者」で調理師板前寿司職人バーテンダーバリスタなど他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

シェフの勤務先の年齢別の年収(令和4年度)

シェフの年収は、年齢が上がってもあまり変わらない傾向にあります。最も年収が高い世代は、40~44歳の392万円です。

全年代の平均年収は340万円となっています。

シェフの年収(年齢別)_r4

上記グラフの基タイトルは「飲食物調理従事者」で調理師、板前、寿司職人、バーテンダー、バリスタなど他職業を含むデータです。

シェフの福利厚生の特徴は?

シェフの福利厚生の内容は、勤務先によって大きく異なります。

最も充実している傾向にあるのが、企業が運営する大手レストランやホテルです。

このような企業に正社員として所属する場合には、各種社会保険のほか、育児・介護休業、リフレッシュ休暇、従業員食堂の利用、退職金制度、財形貯蓄制度などが適用されることが多いです。

その他、企業によっては社員寮の利用や、系列店舗の利用時の割引制度が設けられています。

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シェフの給料・年収の特徴

勤務先によって給料には大きな違いが出る

シェフの給料は、勤務先の種類(ホテル、大手企業が運営するレストラン、個人店など)によって大きく異なります。

雇われて働く場合、勤務先の企業が大きいほど収入は安定しやすく、定期的な賞与の支給や、昇給などの制度が用意されていることが多いです。

個人経営の飲食店でも求人のニーズはありますが、給料や待遇に関しては店の経営状況によって異なります。

すぐれた技術力やセンスをもつシェフは、好待遇で採用されることがあります。

個人の経験や技術が重要視される

シェフは厨房の責任者としての役割を担うため、一般的な料理人(コック)よりも給与相場は高めです。

料理人の全員がシェフになれるわけではありませんし、シェフになるまでに大勢の見習い料理人が脱落しますから、シェフがある程度、特別な待遇で働けるのは当然のことといえるでしょう。

シェフは管理職の立場でマネジメント業務を担うこともあるため、職場によっては役職手当のようなものが加算されます。

経験を積み、他の店へシェフとして引き抜かれるようなことがあると、それまでよりも給料や待遇の条件がよいかたちで働けるケースもあります。

シェフの勤務先別の給料・年収

シェフの働き方は、大きく分ければ「雇われて働く」ケースと、「独立・開業する」ケースに分けられます。

雇われて働く場合

雇われて働くシェフは、企業が経営するレストランやホテル、あるいは個人店などに就職します。

大きなレストランやホテルの場合、給与制度が明確化されていることが多いものの、給料は「経験・能力による」としているところが多いです。

シェフがどのような場所で修業してきたのかや、どれくらいの技術・経験をもつのかは人によってまったく異なりますから、その都度判断されて給料が決まるケースが多いようです。

なお、レストランやホテルでは、全体的に勤務時間が長くなりがちです。

12~13時間程度の長時間労働になることはよくありますし、厨房責任者としての役割を期待される場合、後輩の指導や厨房の経営管理など、責任ある業務を抱えます。

そのため、一般の料理人時代より給料が上がったとしても、決して楽ができるわけではないと考えておいたほうがよいでしょう。

独立・開業した場合

独立して自分の店を出し、「オーナー兼シェフ」として働く人もいます。

その場合、経営がうまくいけば年収1000万円以上を稼ぐことも可能ですが、店を成功させるためには自身の知名度や能力、オリジナリティなどに加え、店の立地やこだわりなど、さまざまな要素が絡んできます。

よい立地で店を出せば高額な家賃の支払いが必要だったり、人を雇えば人件費がかかったりと、それなりに経費もかさみます。

場合によっては雇われシェフだった時代よりも収入が減り、下手をすれば借金を背負う可能性も否定できません。

それでも、きちんと自身の強みを理解し、マーケティングや戦略をしっかりと立てて店を繁盛させ、安定した収入を手にしているシェフもいます。

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シェフが収入を上げるためには?

シェフは、料理全般の専門的な知識・経験を生かして働く職業であるため、その人自身の能力やスキルによって収入が変わってきます。

実力を磨けば有名店のシェフとして迎え入れられ、よい収入や待遇の下で働けるようになるでしょう。

自分の店を出し、経営やプロデュースに関わりながら大きな成功を目指すことも可能です。

しかし、それは決して簡単な道のりではありませんし、厳しい競争を勝ち抜いていく覚悟と努力が不可欠です。

なお、同じシェフの肩書をもつ人でも、歩んできた道のりは一人ひとり異なるものです。

たとえば、高校卒業後にすぐ調理の現場に入り、あらゆる雑務を任されながら、たたき上げでシェフへと上り詰めていく人がいる一方、調理師専門学校を出て大手ホテルへ就職し、セクションが完璧に分かれている環境で、少しずつ調理経験を積んでいったような人もいます。

また、なかには海外の有名店で修業をし、幅広い料理の知識・技術を身につけて日本で独立というような人もいます。

どのような経歴であっても、シェフとして活躍するには、常に自分自身の能力や才能を磨き上げていく努力が欠かせません。