シェフの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

シェフの仕事とは

 
シェフとは、料理人のなかでも、西洋料理店において厨房の全責任を負うトップに立つ人のことを指します。

調理はもちろんですが、味付け・出来栄えのチェックやスタッフの教育、料理の原価計算など、利益を意識しながらマネジメントにも携わります。

また、食材の選定や仕入れ、「日替わりランチ」「今月のディナー」といった、その日に入った食材や旬のものを使って献立を考えることなども行います。

どのような食材を、いくらで仕入れてどのような料理にするかは、シェフのセンスや世界観が如実に表れるポイントでもあります。

ときには食の大切さを伝える講習会を開いたりアドバイスを行ったりすることもあります。

多数の料理人を抱える大規模なホテルやレストランで働くシェフは、管理責任者としての職務のほうがメインになることもあります。

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シェフの業務の内容

食材仕入れ

お客さまに提供する料理にどのような食材を使うか決めることは、シェフにとって最も大切な仕事のひとつです。

品質、コスト、供給量、旬、イベントなどを考慮しながら、購入する食材を決定します。

実際に市場や農家に足を運び、鮮度や味を確認しながら仕入れを行うこともあります。

お客さまにより美味しい料理を提供するために必要な食材を仕入れるためには、新鮮なものを見抜く目利き能力が必要です。

メニュー考案

シェフは、お客さまにいつ来ても料理を選ぶワクワクとした気持ち、目にしたときの驚きの気持ちをもってもらうために、飽きさせないメニューを考えます。

また、クリスマスや結婚式など季節の行事・イベントにあわせた1皿を展開していく必要もあります。

地元食材を使ったり、季節感を大切にしたりしながら、見た目も味も素晴らしいメニューを考案することが重要です。

このとき必ず意識しなくてはいけないのが、コスト感覚です。

いくら素晴らしい料理を作っても、赤字になってしまうようでは商売としては成り立ちません。

いくらでお客様に提供できるのか、原価はどの程度におさえるのか、というビジネスの視点をもつ必要があります。

この視点は、シェフとしてのランクが上がり、現場責任者やオーナーシェフになっていくほど大切なものとなります。

調理・味付けチェック

シェフは英語では「チーフ」を指し、厨房でリーダーの役割を担う調理責任者です。

実際に調理するのは、コックや、シェフを補佐する副料理長・スーシェフです。

大規模なホテル厨房などでは、前菜、魚料理、肉料理と部門ごとに複数のコックがいて、分業しながらコースをつくりあげていきます

シェフは全体を見渡しながら、スムーズに調理が進んでいるか確認し、味付けなどの最終確認を行います。

管理業務

厨房スタッフの管理などマネジメント業務もシェフの仕事です。

規模にもよりますが、厨房には新人からベテランまで複数のコックが働いています。

一人ひとりの力量、得手不得手を見極めながら、よりよいパフォーマンスが発揮できるように配置します。

シェフの役割

店の個性をつくりだす役割

シェフは熟練の料理人でもありますが、役割としては実際に料理を作ること以上に、メニュー開発や現場のマネジメント力が重視されてきます。

四季感だけでなく、自分なりの世界観をつめこむなど、オリジナル感も大切にしていく必要があります。

お客さまにとっては、味の美味しさはもちろん、華やかさ、目新しさなどが、その店に行く動機となることも多いです。

店の個性をつくり、繁盛させるためのアイデアやイメージを考えて形にしていくことが、シェフの大事な役割のひとつです。

料理で人々に感動と特別感を提供する

友人や家族など大切な人と食事をするとき、結婚式など人生の節目で食事をするとき、料理は幸せな想い出とともに人の記憶に残るものです。

お客さまの大切な時間を美味しい料理で彩りを添えるのも、シェフの大切な役割です。

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シェフの勤務先

ホテル

ホテルは宿泊を目的とした来客のほか、レストラン利用や、結婚式・披露宴・宴会などのパーティーなど、飲食を目的とした来店も多くあります。

ホテルの規模によっては100人、1000人単位の料理を調理することもあるため、厨房には多数の料理人が在籍しています。

そのなかでシェフは、大勢のスタッフをまとめあげ、料理のクオリティを保つために指示を出します。

他の勤務先に比べて、よりいっそう現場を指揮する能力が求められます。

レストラン・カフェ

レストランやカフェで働くシェフは、食材の仕入れやメニュー考案、現場のマネジメント業務などを担当します。

小規模なレストランやカフェだと、料理人の数が少なかったり、シェフ一人のみということもあります。

本来、シェフは調理を行うコックとは別の存在ですが、これらの店ではシェフ自らが率先して調理を行うこともあります。

料理の提供などホールスタッフの仕事を行うこともあります。

これらの店で働く場合は、全体を見ながらも、自分自身が現場で動いていく姿勢が重要です。

結婚式場

結婚式場のシェフは、披露宴で提供するコースメニューの開発、披露宴当日における調理現場の進行管理を担当します。

結婚式場を選ぶときのポイントとして、おいしい料理を挙げる新郎新婦は多く、シェフの手腕により売上が左右されることもあります。

新郎新婦から話を聞いてオリジナルの1品を作ったり、和洋折衷メニューを提案したりします。

当日は披露宴のスケジュールに合わせ、打ち合わせ通りのタイミングで食べごろの料理を提供する必要があり、トラブルへの対応能力も求められます。

独立開業

独立後、自分の店をオープンするシェフも多いです。

独立すれば厨房はもちろんのこと、経営やサービス、インテリアなどすべてにおいて自分自身に決定権があります。

料理の原価計算や食材の仕入れ価格、在庫管理といったマネジメントのほか、店の外観や内装、器やテーブルセットに至るまで自分自身で判断し、決めていきます。

どれをとっても店の経営につながるため、責任は重大ですが、自分の世界観を存分に発揮して働くことができます。

その他

ベテランのシェフになると、勤務先や働き方の可能性はさらに広がります。

たとえば、料理教室の先生や食に関するアドバイザー、調理師学校の講師、スポーツ選手のサポートなど、調理や食の知識・スキルを総合的に生かせます。

シェフの仕事の流れ

1.メニュー考案

新しいメニューを提供しようとする際には、まず、メニューの目的をはっきりさせるために、コンセプトづくりを行います。

たとえば、地元食材にこだわったメニュー、SNS映えするメニューなどその目的を明確にさせることで、集客効果が高まります。

シェフ自らが新メニューを開発することもあれば、部下のシェフ、コックにメニュー案を出してもらい、一緒に考えることもあります。

2.コスト管理

メニューのイメージが固まったら、仕入にかかる原価、必要な調理スタッフの人数をもとに提供価格を決めます。

従来の価格から大幅に高くなる場合、お客さまの足が遠のくこともあるため、慎重に決めていく必要があります。

価格を上げずにお客さまの満足感をあげるためには、食器や盛り付けにこだわることも大切です。

3.試食会

メニュー案ができたら、試食会を行います。

厨房スタッフだけでなく、接客など他部門のスタッフにも食べてもらい、味、価格、見た目の感想を集めます。

意見をもとに再度、メニュー案を練り直すこともあります。

4.販売戦略

お客さまが来たいと思うように雑誌、SNSを通じ、新メニューのPRを行います。

知名度のあるシェフであれば、顔写真付きでメニューを紹介することも珍しくありません。

シェフと関連した職業

「シェフ」と「コック」は同一視されがちですが、厳密には異なる職業です。

コックは「料理をする人全員」を指す言葉であるのに対して、シェフは「料理長」を指します。

通常シェフは料理の総指揮官ですから店には一人だけ、それ以外はコックということになります。

ですから、西洋料理店においてシェフ以外の料理人はすべてコックとなります。

シェフは店の顔となる存在で、コックに比べその責任も大きくなります。

コックは実際に調理をしますが、シェフは本来は調理を行わず、厨房全体の監督、提供する料理の最終チェックを担当します。

コックに比べ、シェフにはスタッフ管理、原価管理など経営者的な視点が必要になるのも大きな違いでしょう。