CADオペレーターになるためにはどんな学校に行けばいい?(大学、専門学校、スクール)
本記事では、CADオペレーターになるための学校の種類や、学歴がその後の就職におよぼす影響、学校の選び方などを紹介します。
CADオペレーターになるための学校の種類
CADオペレーターになるためには、必ず通わなくてはならない学校やスクールはありません。
CADオペレーターとして活躍する人の学歴はまちまちで、CADオペレーターの採用では「学歴不問」としている企業が多いようです。
実際、大卒でなければ就職が難しいということはありません。情熱さえあればCADの勉強をしたことがない人でも働ける職場はあります。
しかし、CADソフトは素人がいきなりスムーズに扱えるようなものではなく、専門的な勉強をして、操作方法や技術を身につける必要があります。
一般的には高校卒業後、建築・機械関連の専門学校でCADを学んだのちに就職する人や、大学を卒業して設計事務所に就職し、業務をこなしながらCADのスキルを磨く人などが多いとされています。
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CADオペレーターになるための大学
大学でCADの技術や知識を学ぶのであれば、建築系学部や工学系学部を選ぶとよいでしょう。
建築学を学ぶことによって、建築とCADがどう関連しているのかなどについて体系的に学ぶことができます。
建築学科や土木建築工学科などでは、設計学+CADソフトの操作技術を身につけることができます。
ただし、CADソフトはさまざまな種類があり、どのような図面を扱うかは就職する業界によっても異なります。
大学の建築学科を卒業後、無事にCADオペレーターとして就職できたとしても、企業で使用している3次元CADやBIM(※building information modelingの略。3D建築モデルを総合的に管理するコンピューターシステム)の最新技術を建築学科では学んでいなかった、というケースがあるようです。
また、3次元CADやBIMを学べる大学はまだ数が少ないため、大学選びの際は注意が必要です。
将来、建築業界でCADに携わりたいのであれば、3次元CADやBIMを学べるかどうかを大学選びの基準のひとつにしてもよいでしょう。
CADオペレーターになるための専門学校
CADオペレーターに必要な知識や技術を学べる学校としては、専門学校が最も一般的だといえます。
多種多様なコースを置く大手専門学校もあれば、製図やCADに特化した小規模の専門学校までさまざまな種類があります。
大手専門学校では、資格全般を扱う学科のひとつとしてCADコースを設けている場合が多いようです。
- 設計・製図の基本知識
- 2次元CAD・3次元CADの基本操作
- CAD利用技術者試験受験対策
など、CADに関する基礎から資格取得に向けた充実したカリキュラムが用意されています。
専門学校の多くは2年制となっていますが、なかには卒業すると大学院も受験可能となる高度専門士の学位が授与される4年制コースもあります。
カリキュラムの期間は2ヵ月~6ヵ月程度が一般的で、短期集中講座、夜間コース、通信コースなど、受講者のライフスタイルに合わせたコースがあります。
学費は入学金・受講料を合わせて20万円~30万円程度が相場です。
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CADオペレーターになるための職業訓練
専門学校の学費をなるべく抑えたいのであれば、職業訓練を受講するという方法もあります。
CADオペレーターを目指す職業訓練の講座内容は、建築CADオペレーターを目指すコースと機械系CADオペレーターを目指すコースの2つにわかれています。
どちらのコースも一般的なCADソフトの基礎から応用操作にいたるまで習得することが可能です。
職業訓練の受講料は無料もしくはテキスト代のみ自己負担、受講期間は3ヵ月~2年程度です(※地域やコースによって異なります)。
就職・転職に必要な専門知識・スキルを習得でき、さらに就職支援をしてもらえることが最大の魅力といえます。
なお、職業訓練の相談、問い合わせ、申し込みはすべてハローワークが窓口です。
公共職業訓練の受講対象者は、就職のために積極的な就職活動をしている人です。
CADオペレーターになるための学校の選び方
CADは建築の分野と密接に関わっており、卒業すると実務経験を積むことなく2級建築士の受験資格が得られる学校もあります。
一方、設計やCADについてのスキルを徹底的に磨き上げ、技術者としてのスキルを高めるためのカリキュラムが組まれたCADスクールもあります。
「最短でCADの基本的な技術を身につけて少しでも早く就職したい」「建築士になるための知識やスキルまで身につけたい」など、自分の希望や将来の目標を見据えた上で学校選びをするとよいでしょう。
独学でCADオペレーターになれる?
学校やスクールに通わなくても、資格を取ることは不可能ではありません。
CADを学べる専門学校やスクールは全国に数多くありますが、それらに通えば当然学費がかかりますし、卒業までに決まった期間を要します。
そこで、独学で学ぶ方法があります。
独学でCADを学ぶには、強い意志とモチベーションを保つことが必要です。
しかし、学習計画を立て効率的に勉強を進めることで、通学するよりも短い期間でCADオペレーターとして就職することもできなくはありません。
CADの資格試験に向けて完全に独学で学習するのであれば、最低限、以下のものを揃えておく必要があります。
- パソコンとマウス
- CADソフト
- 市販の関連書籍(テキスト)
CADの基礎を学ぶならフリーソフトでも十分でしょう。
国内で高いシェア率を誇る「JW-CAD」は、その使い方や基本操作についてネット上で調べることができます。
CADに関連した書籍は豊富にあります。
未経験者や初心者を対象とした入門レベルのテキストもあるため、それを用いると勉強しやすいはずです。
独学で学ぶ最大のメリットは、自分のペースで自由に学習できるところでしょう。
他の仕事をしながらCADスキルを身につけて転職したいのであれば、独学こそ最適だといえます。
CADオペレーターになるための通信講座
独学よりも知識や技能を確実に身につけることができるのが通信講座です。
空いた時を有効活用できますし、自分のペースで進められるのが通信講座のメリットです。
通学スクールに引け劣らないカリキュラムや、プロの講師による手厚いフォロー体制が整っています。
CAD操作を習得したい初心者向けの動画教材や、機械設計に必要な図面知識を習得できる講座など、自分の目標にあった講座を選ぶことが可能です。
「JW-CAD」、「AutoCAD」をゼロからマスターできる講座や、CAD利用技術者試験に向けて、パソコンやスマートフォンを活用しながら「eラーニング学習」ができるCAD講座など豊富なカリキュラムが揃っています。
スクールに通う時間とお金に余裕はないが、なるべく安価でCADを基礎から学びたい人、さらに資格を取得してスキルアップを目指したい人は、通信講座を活用するのがおすすめといえます。
CADオペレーターになるための学校のまとめ
CADオペレーターになるには、特別な学歴は不要ですが、学校へ行くのであれば建築学や工学を学べる大学や専門学校を目指すとよいでしょう。
また、ハローワークを通じて申し込む職業訓練や、独学、通信教育で学ぶのもひとつの方法です。
自分が希望する業界や働き方、扱いたいCADソフトに合わせた学校選びをしましょう。