弁護士と公認会計士の違い
弁護士と公認会計士の仕事内容の違い
弁護士は、クライアントからの法律相談に応えたり、トラブル解決のために代理人として相手方と交渉したり、裁判で争ったりすることがおもな仕事です。
これに対し公認会計士は、上場クラスの大企業を主要顧客として、会計処理が適切になされているか監査したり、会計上・経営上のアドバイスを行うことが仕事です。
弁護士は法律系資格の、公認会計士は会計系資格の最高峰であり、それぞれの分野におけるプロフェッショナルといえます。
また、両者の業務にはM&Aという共通項があり、企業の売買が行われる際には、弁護士は法務面の調査、公認会計士は財務面の調査を担い、協力してひとつの案件に当たります。
近年は経営者の高齢化や経済市場の縮小化という背景もあって、どの業界でも事業再編は活発であり、M&Aを専門的に手掛ける事務所も少なくありません。
弁護士と公認会計士、双方の資格を所有している「ダブルライセンス」の人も、全国に100人~200人前後いるようです。
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弁護士と公認会計士のなる方法・資格の違い
弁護士になるためには司法試験を、公認会計士になるためには公認会計士試験を受けることが必要ですが、双方の資格とも、試験に合格してもすぐに働けるようになるわけではありません。
弁護士については、1年間にわたる司法修習を受け、カリキュラム終了後に行われる考試、通称2回試験に合格すると、弁護士会に登録して業務を行えるようになります。
公認会計士については、まず会計事務所などで2年間の実務経験を積んだうえで、3年間の実務補修という研修を受け、終了後に行われる修了考査をパスしてはじめて資格が登録できるようになります。
また、両試験の受験資格には大きな差があり、公認会計士試験は誰でも受験可能である一方、司法試験を受けるためには法科大学院に通うか、司法試験予備試験を受けることが条件となっています。
両者の制度を比較すると、弁護士は試験を受けるまでに、公認会計士は試験に合格した後に、数多くのステップを踏まなければならない点が特徴的な違いといえるかもしれません。
弁護士と公認会計士の資格の難易度の違い
司法試験の合格率は25%前後、公認会計士試験の合格率は10%前後で推移しており、数字上は公認会計士試験のほうが難しいように思えるかもしれません。
しかし、上述の通り両試験は受験資格が異なり、司法試験を受けられる人は法科大学院卒業者などに限られる一方、公認会計士試験は誰でも受験できるため、難易度としては司法試験のほうが上であるようです。
合格までに必要となる勉強時間は、司法試験の場合は法科大学院入試と法科大学院での勉強期間を合計して最低約6000時間、公認会計士試験は約3000時間がひとつの目安とされています。
ただし、どちらもきわめて難易度の高い試験であることに間違いはなく、弁護士・公認会計士は、不動産鑑定士とあわせて文系3大国家資格に位置付けられています。
資格取得までには、長く困難な道のりをたどらなくてはならないでしょう。
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弁護士と公認会計士の学校・学費の違い
弁護士になるためには、基本的に4年制大学と法科大学院へ進学することが必要です。
法科大学院での勉強期間は、法学部出身者の場合は2年間、それ以外の学部出身者の場合は3年間です。
学費についてみると、大学の授業料に加えて、法科大学院では国公立で年間80万円前後、私立では年間100万円前後の費用がかかってくるため、すべて合わせると数百万円ほどが必要になるでしょう。
一方、公認会計士になるための進路としては、学歴は必須ではないものの、大学の経済学部、商学部など、会計を学べる学部に通うケースが一般的です。
さらに、大学で講義を受けた後、民間の資格学校や予備校に通う「ダブルスクール」で合格を目指している人も大勢います。
学費については、さまざまな選択肢があるため一概にはいえませんが、仮にダブルスクールで勉強する場合、大学の学費に加えて予備校の授業料が年間60万円~200万円ほどかかります。
どちらの資格を目指すにしても、経済的負担はかなり重くなる可能性が高いでしょう。
弁護士と公認会計士の給料・待遇の違い
厚生労働省の統計によれば、弁護士・公認会計士ともに、平均年収は1000万円弱となっています。
勤務先によって差があり、大手以外に勤めると1000万円に届かないケースもありますが、それでも難関国家資格であるぶん、一般的サラリーマンの2倍を超える高待遇です。
さらに、独立開業して自身の法律事務所・会計事務所を経営している人のなかには、年収3000万円、あるいはそれ以上を稼いでいる人もいるようです。
ただし、弁護士や公認会計士に限った話ではありませんが、士業系資格者の収入は、会社員や公務員よりも自身の実力による個人差が開きやすく、実際の給料にはかなり幅があります。
大成功して年収1億円を得ている人がいる一方、年収300万円以下で食べていくのがやっとという人もおり、それらをすべて合計した「平均値」は、あまり大きな意味をもたないかもしれません。
また、弁護士・公認会計士とも、近年は国策によって資格保有者が急増しており、以前ほど高給が期待できなくなっているという話も聞かれます。
弁護士と公認会計士はどっちがおすすめ?
弁護士と公認会計士は、どちらも多くの人が目指す憧れの職業であり、経済的に大きく成功できるチャンスも高いといえます。
しかし競争は熾烈であり、何年間も一生懸命勉強だけに打ち込み続けても、最終的に合格に届かない可能性もあります。
したがって、弁護士・公認会計士のどちらを目指すかで迷っているなら、まずは自分自身の適性がどちらにあるかを見極めることが大切です。
端的にいえば、司法試験の法律解釈などに求められる「論理的思考力」に自信がある人は、弁護士のほうが向いているでしょう。
一方、公認会計士試験においては、経済学における微分や統計学を中心に、かなり難解な計算問題が出題されます。
「数理解析力」に自信がある人は公認会計士のほうがおすすめです。
司法試験・公認会計士試験それぞれの短答式問題集を一通り勉強すれば、自分がどちらに向いているのか、ある程度感触がつかめるかもしれません。