航海士への転職、中途採用

社会人から航海士へ

航海士として働くためには、基本的に国家資格である「海技士」の免許が必要となります。

そのため、社会人として働いてから航海士への転職を目指す場合にも、まずは海技士免許を取ることを第一に考える必要があるといえます。

ただし、海技士の国家試験を受けるためには「乗船履歴」が必要となるため、未経験者がいきなり試験を受けることはできません。

乗船履歴を得るにはいくつかの方法がありますが、最もポピュラーな方法は船員教育のある学校で学ぶことです。

外航船に勤務する

ひとくちに航海士といっても、「外航船(国際航海に従事する船舶)」の航海士になりたいのか、それとも「内航船(国内航海に従事する船舶)」の航海士を目指しているのかによって、どのような学校で学べばよいのかは変わってきます。

外航船で勤務したいのであれば、海事系の4年制大学に入学することが必要です。

神戸大学、東京海洋大学、東海大学、水産大学校などがこれにあたりますが、社会人の編入学募集は欠員が出たときのみ行われます。

仮に編入学生が募集されても、10代や20代の若い受験生が合格しやすい傾向にあるようです。

そうしたことから30代の受験生が海事系大学に入るには、編入学ではなく新入学を想定するのが現実的だといえます。

内航船に勤務する

内航船に勤務したい場合は、海上技術学校もしくは海上技術短期大学校を卒業して4級海技士国家試験を受験する方法と、海技大学校に進学して3級海技士国家試験を受験する方法があります。

後者の海技大学校に進学する場合には、志望するコースによって受験資格が定められています。

中学卒業後に海上技術学校を修了している、もしくは高校卒業後に海上技術短期大学校を修了していることが必要です。

こういった海事系の学校を卒業していない人でも、大卒で船社での勤務実績があれば入学することができます。

海事系の学校で学んだことがなく、一般企業で働いてきた人が航海士を目指すのであれば、海上技術短期大学校からスタートすることが航海士への最短コースでしょう。

年齢について

航海士を目指す学校には年齢制限の上限がないため、何歳になっても航海士への転職を目指すことは可能です。

しかしながら、体力や精神力を要し、キャリアアップのためには経験がモノをいう航海士の仕事内容から考えると、10代や20代といった若い世代から始めることが必要な仕事であるともいえます。

現に、4年制の海事系大学の編入者は20代以下であることが大半ですし、海上技術短期大学校の生徒も20代後半の生徒が数名いるというのが現状です。

航海士として還暦を迎えているような方は、いうまでもなく若いころから航海士としてのスタートを切っています。

部員として乗船履歴を積む

このような学校に通わずに航海士を目指す方法として、海技士の資格が必要とされない部員として船で働くという道もあります。

一定期間、船で働けば乗船履歴として認められ、海技士国家試験の受験資格を取得することができます。

その後、海技士国家試験に合格して免状を取得すれば、航海士として働くことが可能になります。

しかしながら、部員からスタートして航海士を目指す人は10代の人がほとんどといわれています。

また、部員の間はあまり待遇に恵まれないこと、さらにあらゆる雑務をこなさなくてはならないなど体力も求められます。

ある程度の年齢を重ねてから部員として経験を積むには、大変な努力と忍耐が必要となるでしょう。