航海士の仕事内容
本記事では、航海士の業務内容やその役割などを紹介します。
目次
航海士の仕事とは
航海中の船の位置の把握が大きな仕事のひとつです。
肉眼はもとより、レーダー・星との位置関係・方位・人工衛星などをもとに船の位置を常に正確に把握する役割を担います。
航海中は複数名の航海士が乗船し、24時間体制で気象状態の確認と他の船舶との配置の確認をしています。
通称「ワッチ」と呼ばれる夜間に行う観測は、他の船舶との衝突を避けるため、双眼鏡やレーダーを用いながら行われます。
航海士の業務の内容
海上勤務と陸上勤務
航海士として会社に採用されると、海上勤務から始めるのが一般的で、何年間か海上勤務を経験したのち、陸上勤務に移行します。
2年から3年の陸上業務を経験し、その後は再び海上勤務を行います。
海上勤務と陸上勤務は交互に繰り返され、陸上勤務の場合に配属される部署はその都度変更されるのが通例です。
陸上勤務中は会社の用意した社宅に居住することができますが、海上勤務になった場合それまで住んでいた社宅を維持する制度がありません。
持ち家を持っていない人は、陸上勤務になるごとに転居を余儀なくされるのが一般的です。
また全国各地の支店および子会社へ派遣されることも多く、陸上勤務中の航海士の多くは転勤族として働きます。
熟練航海士から若い航海士へ
若い航海士は、まず海上勤務で海の仕事を覚えることになります。
乗船実績を積み階級の上がった航海士は、それまでの経験を生かした陸上での仕事を任されるようになり、船を管理し人を育成する職種へとステップアップします。
危険が伴い体力が求められる海上勤務を行うには、年齢的な体力の衰えが影響します。
一方で、長年の乗船生活の中で培われた人間性と専門知識、さまざまな問題に対処できる経験値は、何にも代えがたい財産です。
これらが若い航海士へと受け継がれることで海運業界全体が活性化していくのです。
技術畑に配属になることも
技術部門に配属された場合、以下のような仕事を担当します。
- 貨物の運搬
- 固縛方法のマニュアル作成
- 船上で使用される専門機器の企画・開発・調査
など
航海士としての経験が問われる業務内容が大半ですが、力学や資材、材料に関する科学的な知識が必要になることもあり、海上で得た知識と陸上で検証された技術を融合させる大変重要な業務です。
航海士の役割
航海士は気象や海象、潮流からも先の天候や気象変化を先取りし、航海が安全に行われるよう常に指揮管理を行う必要があります。
航海前には船に積み込まれる積荷の確認、積み下ろしの指示、航路の確認など多くの仕事があります。
海という自然現象を相手にする仕事は、何においても「確認」をして安全に作業をとりおこなうことが必要です。
航海士は安全に航海を行うためにこの「確認」という重要な役割を果たしているのです。
航海士の勤務先の種類
航海士が活躍する場所はさまざまです。
商船会社に勤務しながら航海士として働くケースもあれば、客船に乗船するケースもありますし、海上保安庁でも航海士が活躍しています。
航海士の仕事の流れ
船舶の種類によって業務は多少変わってきますが、基本的な仕事内容には変わりはありません。
内航(日本国内の貨物輸送)の場合は3ヶ月間乗船したのち1ヶ月の休暇、外航(外国航路を行き来する大型の船)の場合は最低でも6ヶ月間乗船したのち2ヶ月の休暇が与えられるというパターンが多いようです。
航海によっては何ヶ月間にもわたり洋上での生活が続くことになり、勤務は交代制で行われます。
勤務時間にあたっていない時でも船の上で生活しなければならず、海が荒れゆっくり身体を休めることすら困難なことも少なくないため、体力や忍耐力が求められます。
航海士の仕事内容のまとめ
航海士は、肉眼はもとより、レーダー・星との位置関係・方位・人工衛星などをもとに船の位置を常に正確に把握する役割を担います。
海という自然現象を相手にする仕事は、何においても「確認」をして安全に作業をとりおこなうことが必要です。
この「確認」も航海士の重要な役割のひとつです。
航海士として会社に採用されると、海上勤務から始めるのが一般的です。
海上勤務と陸上勤務は交互に繰り返され、陸上勤務の場合に配属される部署はその都度変更されるのが通例です。
階級の上がった航海士は、それまでの経験を生かした陸上での仕事を任されるようになり、船を管理し人を育成する職種へとステップアップします。
航海によっては何ヶ月間にもわたり洋上での生活が続くことになり、勤務は交代制で行われます。