一等航海士と二等航海士の違い

一等航海士の仕事

船の最高責任者である船長の補佐的な役割を担うのが一等航海士です。

船長の仕事は指揮命令に関わる任務を幅広く担当するため、現場での実質的な指揮命令は一等航海士に一任されていることも少なくありません。

具体的な仕事内容は、航海当直をはじめ荷物の積み下ろしを監視し、船体の整備作業の立案と実施を行います。

船体の整備作業が適切に行われているかどうかで船体の寿命が決まるため、一等航海士の判断がとても重要になります。

二等航海士の仕事

二等航海士の仕事は、一等航海士に準じる形で執り行われます。

航海当直を行いつつ、船長と意見交換をしながら航海計画を立案し実施していきます。

また航海を安全に行うために計器を検査し、管理を行うのも二等航海士の仕事です。

レーダーやGPS、星の位置などを利用して船の位置を把握することは他の船舶との衝突を避けるのに欠かせない任務です。

出入港時には船尾で待機し、一等航海士の指示にしたがって作業を指揮します。

仕事内容の違い

このように一等航海士と二等航海士の仕事内容は、担当する業務内容が区別されつつもリンクしていることがよく分かります。

一等航海士と二等航海士は互いの担当内容をよく把握し、密に連携を取りながら仕事を進めていく必要があるのです。

また、階級によって担当する当直時間にも違いがあります。

一般的には、一等航海士は4〜8時、16〜20時の当直を担当します。

これはペアを組んで当直を行うことになる四等航海士に、朝夕の薄明かりで観測するポイントや日の出、日の入りの時間帯での方位測定などを教えるためです。

こうした基本技術をまだ乗船経験の浅い四等航海士に教育することが、一等航海士の仕事でもあるのです。

二等航海士は0〜4時、12〜16時の当直を担当します。

これは普段は人が眠っている時間帯であることから体力的にはきついのですが、後輩の教育は担当しなくて済むことから精神的には楽に感じられます。

海技士資格と航海士

一級海技士資格がなければ一等航海士になれないと考えている人もいますが、以下のように運行区域や船のトン数によって一定の条件を満たすと、等級が低い場合でも一等航海士になることができます。

4級海技士が一等航海士になる場合

・沿海区域または国土交通省令で定める近海区域のみを航行する船舶および丙区域内において従業する漁船
・近海区域を航行する船舶及び乙区域内において従業する漁船で、総トン数5000トン未満のもの
・遠洋区域を航行する船舶及び甲区域内において従業する漁船で、総トン数500トン未満のもの

5級海技士が一等航海士になる場合

・沿海区域を航行する船舶および丙区域内において従業する漁船で、総トン数5000トン未満のもの
・近海区域を航行する船舶および乙区域内において従業する漁船で、総トン数500トン未満のもの
・遠洋区域を航行する船舶および甲区域内において従業する漁船で、総トン数200トン未満のもの

6級海技士が一等航海士になる場合

・沿海区域を航行する船舶および丙区域内において従業する漁船で、総トン数500トン未満のもの